プロローグ
とある国のとある体育館
その中のメインスタジアム・・・ではなくその奥にある薄暗い部屋の中に男が二人いる
ロッカーに背を預けているでかい男が椅子に座って、靴紐を縛っている男に向かって話しかけた
「ついにここまで来たな」
「ああ、だがここからだ」
「そうだな。しかしここにくるまで長かったな~」
「ああ、もう初めて十年か」
「いろいろあったな」
「楽しいことも苦しいこともな」
「その都度皆で乗り越えた。そして強くなった。そして俺らは今ここにいる」
「ああ・・・さあ時間だ行こう」
そう行って二人で部屋を出て行った。
その部屋のホワイトボードにはさまざまなことが書かれているがその中に目立つ文字がある
「このチームで優勝だ!!」
そして部屋のドアには「JAPAN TEAM」と書かれていた。
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「スタジアムの皆様長らくお待たせしました。いよいよ選手入場です~。まずわれらが日本チーム・・・」
メインスタジアムに繋がる通路で実況の声が聞こえている。
呼ばれた者からスタジアムに出て行き、どんどん通路にいる人が減っていく。
その中で良はさっきの会話について少し考えていた。
(「ここからだ」か、確かにここまで長かったが・・・そうだなここが頂ではないここからだ)
「今日はどんなスパイクで日本を救うのか・・・日本のエース1番冴木 良」
歓声がメインスタジアムを揺らす。
(さあいくぜ!)
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「さあ最後に登場するのは我らがキャプテンそして司令塔・・・2番広岡 司」
今日一番の歓声が上がる。
そして司が目を閉じて手を胸にあて通路から出てくる。
(確かにここに来るまで時間はかかった。しかしここが目的地ではない!ここが出発点なんだ!)
そう心に刻み目を開ける。
「オリンピック男子バレーボール決勝戦です!」
さあ、新しい歴史を作ろう!