第14章 ♁秀麗なる3万本の桜の里へ-その1
第十四章 ♁秀麗なる3万本の桜の里へ-その1
《2017年4月9日 丙寅の日 先負 天恩日》
きょう、平野のおっちゃんご夫妻のお招きでわたしたち家族三人は、奈良県・吉野へ初めて行く。
平野のおっちゃんご夫妻は今年の二月に長年暮らしてきた大阪からこの吉野へ引っ越し、二〇代で妻子を残して出家した西行法師の庵近くに居を構えた。平野のおっちゃんご夫妻が共に仰るには、ふたりの共通の趣味のひとつ「花を愛でること」の集大成がここにはあるのだという。
吉野は奈良県南部に位置し、標高三五〇メートルの尾根伝いに伸びる約八キロの稜線を中心とした地域。いにしえより花の名所として知られ、四月になると桜の花が咲き始め、約一か月に亘って下千本・中千本・上千本・奥千本と場所を徐々に移して三万本もの桜が咲き誇る優雅な桜の里だ。
夫の健ちゃんは早朝というか夜が明けないうちからキッチンで何やらガサゴソしていた。いつもは寝ぼすけの健ちゃんが一体、どういう風の吹き回しかと思っていたら、日本で一番行って見たかった場所がこの三万本の桜がある吉野だったというのだ。
だから、健ちゃんはどうも浮き足立ってあまり眠れなくてずっと起きていたようだった。
午前五時、健ちゃんは大声で「みんな、早く起きろ」と言いながらスマホをわたしの耳元に置き、アラームを鳴らしっ放しにした。悪戯好きのガキンチョみたいだ。
「何なのよ。まだ五時じゃないのー」とわたしは眠い目を擦りながら逆切れした。
年下の健ちゃんはそんなことはお構いなしといった感じで、「その手は桑名の焼きハマグリ。あと十秒で起きないとオレの初めての豪華な手料理が食べられなくなるぞ」と想像もつかない言葉を返してきた。
そして、健ちゃんは「十、九、八…」とゆっくりとカウントダウンを始めた。
わたしの頭の中は「あの健ちゃんが朝食を作った」、「台所に入ることさえ嫌っていた亭主関白の夫が朝食を作った」という不思議な夢のような言葉が何度もリピートし、その間隙を縫うかのように健ちゃんの「…五、四、三」という声がはっきりと聞こえてきたので、わたしは思わずベッドから素早く起き上がった。
「よっしゃー」といつもとは別人のように歓喜に満ちた悦びの声を上げる健ちゃん。
すると、打って変わって「ミキ、ナナを起こしてもらえるか?」と何か魂胆でもあるのか神妙な面持ちで言うものだから、「一体、どうしたの? あなたらしくないわよ。いつもは亭主関白なのに…」とちょっと口を滑らせてしまったが、今日の健ちゃんは機嫌がいいようで、「俺はいつも心が広いだろ。今日はレディ・ファーストで行くからな」と信じがたい言葉がまたまた返ってきた。
「ナナはわたしが起こすから。で、健ちゃんが本当に朝食を作ったの?」
「おう、そうやで。聞いてくれる、聞いてくれる。朝食と言うよりか『英国風ブレックファスト』やな」って言うものだから、ちょっと嬉しくなって「えっ。なに、キザなこと言って」と健ちゃんの鼻の頭をツンツンしてやった。健ちゃんはこういうのが結構好きなのか「ハハハハァ。何するんや」と言いながら歓喜に満ちた表情をしていた。
わたしは健ちゃんが言うところの『英国風ブレックファスト』を見にキッチンへ行くと、確かに滅茶苦茶に豪華な『英国風ブレックファスト』が用意してあった。思わず目をパチクリさせたほどだ。
テーブルには、バターを塗ったトースト二切れに目玉焼き、ソーセージ、焼きトマト、マッシュルームのソテーに紅茶三人分が置かれていた。これは結婚して初めての経験だったので、写真に収めることにした。
「カシャッ」。写真は健ちゃん自ら撮った。大正時代のカメラで、健ちゃんはカメラを「写真機」って言うのだ。そのカメラを買いに行った時、店の人にもクスクスッと笑われていた。「今の日本人でカメラを写真機って使うのは相当なお年寄り、後期高齢者ぐらいです」って店の人は言っていた。
わたしはカメラのことより初めて聴いた「後期高齢者」という言葉の方が気になって仕方がなかった。夫も気になっていたようで、いつも持ち歩いている国語辞典を見たが載っていなかったのか、首を傾げた。夫はその店に満足の行く大正時代の写真機があってご満悦で、「後期高齢者」という言葉は彼の脳裏からは消え去ってしまったようだ。わたしは気になって仕方がなく家に帰ってから調べた。
二〇〇八年に新たにスタートした医療制度から出てきた言葉で、七十五歳以上の高齢者のことらしい。かなり違和感のある言葉だ。日本の人はそう感じないのだろうか?
ところで、この大正時代の写真機は、機械音痴のわたしには到底使いこなせない代物だった。だから、わたしは健ちゃんにはバレないようにこっそりスマホで「英国風ブレックファスト」を写メした。わたしぐらいの年齢の日本人はケータイで写真を撮ることを「写メ」って言う。だが、ナナの世代では使わないらしい。
「お父ちゃんが朝食を作ったんだよ。ナナ、起きなさい」
ナナは目をまん丸にして「えっ、お父ちゃんが朝食を作ったって。大地震が起きなきゃいいけど」と驚いている。
そこで「この写メがそう」と言って娘にスマホの画像を見せると、「すごーい豪華だね。ところで、お母ちゃん、『写メ』ってな~に?」って訊いてきた。
「ナナは使わない? 写メってケータイで写真を撮ること何だけど…」
「あたしの周りでは使わないよ。そう言えば副担のじっちゃん先生が使っていたな」
「尚喰先生のことね。ナナ以外の子も、じっちゃん先生って呼んでいるの?」
「み~んな、呼んでいるよ。福山先生が言いだっしっぺだし」
「あらまあ。それで、じっちゃん先生は怒らないの?」
「ぜーんぜん。むしろ喜んでいるくらい。きっと、じっちゃん先生、福山先生のこと好きなんだよ。それに、福山先生の大学の後輩みたい」
「そういう好きとかいうのは、軽々しく言うものじゃありませんよ。じっちゃん先生は若いでしょ?」
「去年、大学を出て二年目。でも、どう見てもそういう風には見えないけど。お母ちゃんより老けてるもん」
「えっ、何それ。そうかなあ? 何度も会っているけれど、そんなに老け顔だったかしら。写真ない?」
「ないよ。あたし、ケータイ持ってないし。いらないけどね」
「最新式のスマホを買ってあげるわよ」
「本当にいらないんだ」。他の子どもなら大喜びするのだろうが、ナナは夫の影響をもろに受けて大正時代に生きている趣味嗜好なのだ。だから、最近の子どもが喜びそうなスマホやDS、Wii Uといったゲーム機には見向きもしない。
「写メでじっちゃん先生撮ってきてほしいなあ」
「写メ写メって。お母ちゃん、誰からその写メって言葉教わったの?」
「教わったんじゃなくて、コンビニで一緒に働いているケーちゃんっているでしょ。薬師丸圭子さん。年齢五十二歳、バツイチ、子どもなし。既往歴あり。高血圧・腰痛・イボ痔」
「お母ちゃん、そんな情報いらないよ。あの機関銃おばさんでしょ。あの機関銃おばさんが店にいる時は、ブーちゃんは行かないってよ」。ケーちゃんは喋りだしたら機関銃のように話が止まらない。店が暇な時はお客と二十分以上も喋りこんでいて店長に叱られたことがあるくらいだ。ちなみに、このケーちゃんの口癖は「カ・イ・カ・ン!」。一九八〇年代に上映された邦画のワンシーンであったそうだ。
「ナナ、上手いこと言うね。その機関銃おばさんじゃなくてケーちゃんがしょちゅう使っているから自然と覚えちゃったの。それに結構気に入っているのよ、写メって言葉」
「でも、あたしらが使わない言葉だから『死語』だよ、きっと。それから、じっちゃん先生は若いけど、言動はじっちゃんだから論外だよ。好きな音楽が一九七〇年代のフォークソングなんだから。♪人間なんて、ラララララララ…。そういうあたしも大正浪漫にどっぷりはまっているけど。それで、最近、福山先生に『ハイカラさん』って呼ばれている」
「そうなの。『死語』ね」。ナナの死語という言葉に軽いショックを受けたわたし。ナナが聞いてほしかった「ハイカラさん」についてはスルーしてしまった。わたしは「ハイカラさん」という言葉も知らなかったのだ。母国語ではない日本語という言語に少し自信を失いかけた瞬間でもあった。あっ、そうだ。健ちゃんに訊いてみよう。
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「今日のお父ちゃん、ちょっと変だよ」。ナナは怪訝な顔をして言った。
夫の発案で、わたしたち親子三人はいま、ダイニングテーブル横一列に並んで座って朝食を摂っている。奥から健ちゃん、ナナ、わたしの順で。白い壁に向かって食べている感じ。壁には絵も飾っていないし、誠に殺風景だ。
「サイコー! 一九八〇年代の日本映画に『家族ゲーム』というのがあったんだ。オレが初めて観た日本の映画なんだけどね。その映画で家族全員がこういう風にして横一列で食事をするシーンがあって、一度どんな感じか知りたかったんだよ」。健ちゃんは念願が叶って上機嫌だ。
それに反し、ナナは「じゃあ、吉牛(※牛丼チェーン店・吉野家のこと)や松屋でやればいいじゃん」といつもは寝ている時間に起こされて、ご機嫌斜め。
「ナナ、それとは、ちょっと違うんやな」
「健ちゃんってあらゆることにおいてこだわりを持って生きているのよ。そこが魅力的なんだけど。ナナにはちょっと難しいかもね」
「うーん、よくわかんない」
「いま分かったら天才かもな。大人になったら自然とわかるよ」
「じゃあ、ナナも早く大人になりたい」
「大人になりたいか。もっと大きくならなきゃ。そのために、まずお父さんが作ったブレックファストを完食しなきゃな」
「お父ちゃん、美味しいよ。料理のセンスありよりのありじゃん。でも、お母ちゃんみたいになりたくないもん。お父ちゃん、残していいでしょ」。わたしは日本の食事があっているせいか、最近五キロも太ってしまった。
一方で、ナナに褒められてウキウキしている夫。「じゃあ、ナナが残した分は、今日もお美しいミキさんに食べてもらおうか」。夫はわたしをおだてるのがうまい。また太っちゃうじゃないの。ダイエットしようかなと思った矢先に。
「お父ちゃん、サイコー!」
「ミキさん、娘のために一肌脱ごうぜ。平野のおっちゃんが心配していたぞ。上海で上海蟹事件を起こしたらしいじゃないか」
「事件っていうほどのことはしてないわ。その日、生まれて初めて上海蟹を食べたのよ。それが実に美味しくてちょっと食べすぎただけ。この話はこれでおしまい。チャンチャン」
「おしまいか。はははははっ。ミキってもしかして胃下垂なのか?」
「もしかじゃなくて、胃下垂よ。知らなかったの? ドクターモジャ男さん」。わたしは健ちゃんに反撃を開始した。
「いまさらドクターモジャ男さんはないだろ。しかも娘の前で」。怒り心頭の健ちゃんは汚名返上のために自分の過去を暴露した。
「お父ちゃんな、作家の前は医者だったんや。だから、ケガとかしたらお父ちゃんに必ず連絡するんやぞ」
「お父ちゃん、すごい」
「お父ちゃんはこう見えても日本で言えば東京大学、中国で言うところの北京大学医学部を一番の成績で卒業したんや。でも、そういう自慢話は相手を不快な気持ちにさせるからな、言っちゃダメだぞ。ナナだって友達のお父ちゃんの自慢話を聞かされたら、いい気持ちはしないだろう。だから、これはここだけの話。これは学校の友達とかには絶対に内緒だぞ。家族だけの秘密だからな。外で絶対に喋っちゃダメだぞ。いいか? もし、喋ったら地獄の閻魔大王さまがナナの前に現れて、舌を抜いちゃうぞ。怖いだろ」。
「健ちゃん、ヒートアップしすぎ。どうして娘に怖がるようなことを言うのよ」
「私たち家族が世間に『亡命家族』だと知られたら、まずいだろ。オレらはよくても、ナナは逆戻りになってしまうじゃないか。だから、娘には口外しないよう言っておかないと。家族のためならオレはどんなことでもする。死んだって本望さ。それが一家の大黒柱の使命だと思っている」
「ちょっとオーバーね」と言いながらも、わたしは彼の言葉にジーンと来て、その余韻を楽しもうとしていた。
ところがどっこい。健ちゃんはいつもの亭主関白振りを遺憾なく発揮させた。
「ミキは吉野へ行く準備、ナナは後片付けな。オレはちょっと疲れたから一服する。出発は六時二十分。いいな」。そう言って、夫は書斎部屋に入った。
「お母ちゃん、疲れたね」
「今日のお父ちゃんには逆らわないのが身のためよ。あのアナログ人間の健ちゃんが最近になってわたしのノートパソコンを使い出したのよ。今日の日のために。スケジュール見たら分刻みになっていたわ。昨日の夜も、平野のおっちゃんと電話とFAXで最終確認していたもの。しかも、一時間以上もよ。先が思いやられるわ。ハァー」。わたしは深くため息をついた。
「ところで、お母ちゃん、ドクターモジャ男ってお父ちゃんのあだ名?」
「そんなところね。結婚する前は髪の毛はボサボサ。その癖、言うことはキザだったな。わたしの目をじっと見て『お美しすぎてつい声を掛けてしまいました』とかね。いま考えたら笑っちゃうわね。ウハハハハァ」
「お父ちゃん、まじウケる。キザ男だね。グァハッハッハッ」
健ちゃんが書斎部屋から飛び出してきて「何かあったんか? ふたりして大声で笑って」と真剣な眼差しで言うものだから、わたしとナナは笑いのツボにはまってしまった。
「クククッ。何もないから。健ちゃんは書斎部屋でゆっくりしていて」
「アハッハッ。お父ちゃん、何でもないよ」
「そうか。何かおかしいんやけど、まあ、ええか。アアア、ネムー」。夫はそう言って再び書斎部屋の人となり、すぐに寝たのが分かった。大きなイビキをかいたからだ。
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午前六時になったけれど、健ちゃんは一向に書斎部屋から出て来る気配がない。きっと夢の中なのだろうと思い、そっとしておきたかったけれど、昨夜のことを考えると起こすしかなかった。
「健ちゃん、起きて。健ちゃん、起きて」。爆睡していて起きる気配が全くない。こういう時は、娘のナナが頼りになる。
「ナナ、ナナ」と大きな声で呼ぶと、早足でナナがやって来た。
「ナナ、お願い。お父ちゃんを起こして」
すると、ジャンプしてベッドに飛び乗ったナナは、掛け布団を被った健ちゃんの顔の辺りにプーと一発屁を咬ました。
「誰や、クサッ」。夫は見事に娘の一発を食らい目覚めた。
「お父ちゃん、ごめんなさい」と言いながら笑いを抑えている娘。何かこういう微笑ましい(?)光景を見るにつけ、私たちは家族なんだと思えて嬉しくなる。また、なぜか目頭が熱くなった。
「お母ちゃん、なにウルウルしてるん?」
「ちょっと感動して、心の汗をかいちゃったみたい」
「お母ちゃんの表現、サイコー。お父ちゃんもそう思うでしょ」
「そうやな」。健ちゃんが両手で顔を隠している。
「お父ちゃんまで、ウルウルして……」。泪は伝染するのか、ナナまで泣き出した。恐らく一番泪を堪えていたのはナナなのだろう。わずか九年、されど九年の間にナナはどれだけの哀しみや苦しみに耐えてきたのだろうか。わたしが生まれてからの九年とは大違いだ。わたしはといえば、北朝鮮という国にあってはかなり恵まれた環境で蝶よ花よと育った。ある一定の高い階層しか住むことが許されていないピョンヤンで生まれ育ったこと自体がそれを物語っている。しかも、父親は外務省の高官、母親は小学校の教師だった。
それに対し、ナナはビルマ人でありながら、生まれる前に両親がともに祖国ビルマから逃れて隣国タイの難民キャンプでの過酷な生活を強いられていた。その難民キャンプでナナは生まれた。その時の名前はチュッチュッだった。ビルマ人は基本的に苗字を持たない。かの有名なアウンサンスーチー女史のアウンサンは「ビルマ建国の父」でもある父親の名前だ。わたしで言えば、わたしの現在の日本名は広田ミキなので、哲ミキになる。平野のおっちゃんの名前、平野哲とわたしの名前を足した感じだ。
今でこそアウンサンスーチー女史も自由の身ではあるが、二〇一〇年十一月まで自宅軟禁生活を送っていた。そして、この二〇一〇年から日本政府はタイの難民キャンプにいるビルマ人の日本での引き受けを開始した。そして、ナナ親子三人も二〇一〇年に日本へやって来たのだ。この時、ナナは三歳。ビルマ人のコミュニティ「リトル・ヤンゴン」がある東京の高田馬場で平和な日々を送っていた。
しかし、翌年の桜の花が散る頃にタクシーに乗ったナナ親子に惨劇が襲い掛かる。大型トラックがタクシーに猛スピードで突っ込んできたのだ。自爆テロだった。トラックの運転手は職を失って泥酔したイスラム教徒のビルマ人だった。ビルマは民主化されたものの、宗教間の対立が激化しており、その煽りを食らい、このトラックの運転手とナナの父親は日頃から口論が絶えなかったという。
ナナの両親は、トラックが突っ込んで来るのに気づいたようで、ナナを身体全体で庇うようにして亡くなっていたという。そのお陰で、ナナだけが九死に一生を得た。といっても半年はこん睡状態にあった。
目覚めたナナはその惨劇を見てしまったのか定かではないものの残されたタクシーのドライブレコーダーからは複数の断末魔の叫び声が残されていた。その事故によって言葉を失い、歩くことも儘ならず車椅子生活を余儀なくされたのだった。
日本で身寄りのない行き場を失ったナナは見知らぬ土地の方がよいだろうと、兵庫県赤穂市にある児童養護施設『あすなろ』に預けられた。児童養護施設って、昔、孤児院って言っていたやつ。
このあすなろには、チュッチュッ以外にビルマ人の孤児がいないこと、失語症であること、車椅子であることによりこの施設のガキ大将の日系ブラジル人・ロナウジーニョに「クロンボ、チュッチュッ、ハナクソ、アッカンベー」などとからかわれることがあっても仲良くなることはなく暗く沈んでいた。その施設長と幼馴染であった平野のおっちゃんが同窓会で「外務省の役人から平野の名前を聞いた。平野がビルマ人難民の引き受けに積極的にやったと聞いて俺も嬉しくなってチュッチュッを預かることにしたのだ。しかし、チュッチュッは一向に心を開かないし、外務省の担当者も事故の詳細は教えることができないの一点張りで、ワシも困り果てておるんじゃ。何とかならんものか」と相談を受けたという。それで人のいい平野のおっちゃんは安請け合いした。そして、境遇の近い養女であるわたしにお鉢が回って来たのが「ナナ」との始まりだった。
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大阪市内からは近鉄阿部野橋駅から奈良県・吉野駅まで行く近鉄特急が便利だ。所要時間は一時間十六分。
阿部野橋駅には午前七時少し前に到着。夫は平野のおっちゃんと念入りに調整したスケジュール表を確認して、引率の教師風に喋り始めた。「では、点呼を取ります。三年四組、広田ナナ」。
「はい、はい」と元気良く手を挙げるナナ。
「どこや。声はすれども姿は見えず」とナナの頭を押さえつけて「あっ、こんなところにいたか。ハハハハア。おやつは三百円以内 ではなく三種類までだぞ。それ以上持って来ていたら没収だからな」と健ちゃんはナナの水玉模様のリュックの中身をチェックし始める。
「バナナにミカンにポテトチップス。それから、うまい棒にチョコレートにグミまであるやないか。グミだけでも三パックもあるぞ。まあ今回だけチョコだけちょこっと大目に見るとしようか。うまい棒とグミは没収。ウヒヒヒ」とひとりで受けている。
ここでナナが右手を挙げながら、「ハーイ! お父ちゃん先生、バナナやミカンもおやつに入るんですか?」と健ちゃんに訊ねた。
すると、健ちゃんは待っていたかのようにでかいバックパックからいつも持ち歩いているせいかボロボロの『集英社ポケット国語辞典』(徳川宗賢編)を取り出して「国語辞典によるとだな、おやつ【御八つ】とは『午後の間食。▽昔の時刻の八つ時(午後三時ごろ)に食べたことから。現代では「お三時」とも』とあるから、バナナもミカンもおやつに入るな。ブー、残念でした」と娘に対して大人気なくしてやったりと満足気。
「父ちゃん先生! もしかして、大好物のグレープのグミを忘れてきたんでしょうか?」。娘に悟られた夫は少ししょんぼりしてみせた。
「鋭い指摘、ありがとう。では、気を取り直して、点呼の続きを。平野哲君、平野洋子さん。平野哲君、平野洋子さん。う~ん、ふたりともここにはいないな。欠席っと」
「ハイハイ、健ちゃん先生! ここにいます」とわたしはスマホに写った平野のおっちゃんご夫妻の写真を見せた。
「それは反則やな。広田ミキさん、お菓子もバナナも全部没収。 ついでにミキのハートも没収!」と真顔の健ちゃんにわたしとナナは大爆笑。
「お父ちゃん、吉本の芸人みたいや」とは娘のごもっともな意見。
「ところで、健ちゃん、切符は?」
「あーっ、と忘れたと思ったやろ。えへへ。ここにあ~るよ」と童心に返ったような笑みを浮かべながら続けて喋る健ちゃん。「この前の月曜日、平野のおっちゃんがわざわざ送ってくれたんだ。近鉄週末フリーパスと特急券を。ミキの方からもお義父さんにお礼を言っておいて」。平野のおっちゃんはよく気が利く人だけに申し訳なく思う時がある。
「この前届いた荷物の中に入っていたのね。感謝しなくちゃ」
「お前のお父さんとお母さんじゃないか。そう呼んであげるのが一番の感謝だと思うけどな。きっと喜ぶぞ。ナナも会ったら、ジイジイ、バアバアって呼ぶんだぞ。では、行くぞ」
娘は「お父ちゃん、たまにはいいことも言うんだね」とわたしの耳元で囁いた。
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わたしたち家族三人は、阿部野橋駅午前七時十五分発の近鉄特急に乗車した。
健ちゃんはでっかいバックパックの中から徐に小さなワインボトルと小さな有田焼の白いワイングラス三つ、そしてアールデコ調の魚型ワインオープナーを取り出した。それから、わたしにワイングラスを渡し、イタリア産「アルバーナ・ディ・ロマーニャ」の白ワインを注いだ。
「このワイングラス、おしゃれね。透けてない。いつの間に買ったの? 有田焼だったら、さぞかし高かったでしょうね」。わたしは健ちゃんに嫌味ったらしく言ってやった。きっとコツコツとヘソクリしていたんだわ。
「い、いや、そうでもないよ」。健ちゃんは顔を強張らせながら言った。
「本当に。家計は結構、厳しいのよ。もしかして、ヘソクリがあるんじゃないの」
「ヘソクリって何だよ。国語辞典、国語辞典と」。健ちゃんは再び、『集英社ポケット国語辞典』をバックパックから取り出して、ペラペラッと捲り、「あったぞ。〈へそくり【臍繰り】臍繰り金の略。―金 内緒でためた金銭。〉」。そうかあ。勉強になったよ。ミキ、ありがとう。きょうは満開の桜を観に来たんだし、楽しく行こう。ナナ、ナナにはノンアルコールのワインを、はい。早く大人になって一緒に飲もうな。変な男には捕まるなよ」
「健ちゃん、ナナはまだ九歳よ」。バレバレだけど、楽しませてくれるから今日のところは大目に見ようと思った。
「お父ちゃん、おもしろい」
「じゃあ、ナナ、ワインを注いでみるか、未来のお嬢さん。何事もチャレンジすることが大切なんだよ。ワインを注ぐコツはまずラベルの部分を上に向け、少し傾けてゆっくりグラスの二分の一まで入れてボトルの口を横にして少し止め、ボトルを回しながら上に持ち上げる」
「そうそう、うまいうまい。日本はええ国やな。じゃあ、家族三人の健康と幸せを祝して乾杯!」
「お父ちゃんとお母ちゃんに乾杯!」
「では、平和な国に乾杯!」
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お隣さんでもある水田部長刑事がわたしたち家族と同じ近鉄特急の車両に乗っている。さっきトイレに行く途中で気づいたのだが、一緒にいる刑事さんと口喧嘩して怖そうだったし、刑事さんが仕事中だと話しかけるのはまずいと思って知らぬ素振りをした。
「いい気なもんだぜ、まったく。ぐっすり寝てやがる。いいご身分だぜ。なあ、とっちゃん」。水田部長刑事はご立腹で、とっちゃんこと若井警部補に文句を言っている。このふたりは同期でこれでも大阪府警本部の中では出世頭。
「水ちゃん、こっちも飲みましょうや」
「あかん。仕事中やで、警部補」
「そう言わず、ビールくらいええやないですか。せっかくの休みの日に飛来はなんで風邪なんか引くかな?」。飛来とは水田部長刑事と相棒を組んでいる二十三歳の新米刑事。
「飛来が風邪か。ハハハハッ。とっちゃん、一杯食わされましたな。ハハハハッ」
「あいつ、こけにしやがったな」。若井警部補は飛来に腹が立って仕方がない。
「まあ、飛来も若いからデートもしたいやろ。それで、『とっちゃんに頼め。ワシには借りがあるから』って言ったんやが。風邪にしたか? あいつもええとこあるやないか。そういうことで、ワシが仕組んだことやから勘弁な。とっちゃん、そういうあんたも経験あるやろ。あん時は確かワシが犠牲になったはずやで」
「あー、あん時はすまんかった。女房とのお見合いの日やったんや。アレからだいぶ経つなあ。あの日も大阪で犯行を重ねた犯人が吉野に逃亡を図って潜伏していたんではなかったっけ」
「そうそう、時期も四月で桜が満開やったな」
「それで、あの事件はどうなったっけ」
「犯人を目の前で取り逃がした。自分の息子を盾に逃げよったんや」
「そうやった、そうやった。そう言えば、水ちゃんがしばらくあの子を預かっていたんやないか。名前が確か達川……なんやったっけ? 今頃どうしているんやろうか? 水ちゃん、何か聞いてへんか?」
「さあ、どうしてるんやろうなあ」。水田部長刑事は惚けた顔をして、右手で鼻を擦りながら俯いている。
「さては水ちゃん、知っているな。ハハーン」。若井はさすが警部補まで上り詰めただけのことはある。尻尾を掴むのが得意中の得意。長年の刑事の勘ってやつだ。
「……」
「せっかくやから展望スペースへ行きますか?」
「奴さんは熟睡しているようやし。ワシはちょっと用を足してから行きますわ。とっちゃん、先に行っとってんか」。「OK! あと何回桜の花を見られるかわからしませんからな」と言って警部補が先に仕事もそっちのけで桜を愛でに展望スペースへ向かった。
♁
飛鳥、飛鳥。左のドアが開きます。ご注意ください――という男性の車内アナウンスが流れた。
「お父ちゃん、爆睡しているね」
「きっと寝不足よ。着くまでそっとしとこうね。ナナ、お父ちゃんの顔に何書いているの?」。わたしは悪戯好きのナナにいつも驚かされる。
ナナは右手に黒いマジックを持って健ちゃんの鼻の下にチャップリンのようなちょび髭を、眉には漫画『こち亀』の両さんのようなゲジゲジ眉毛を描いた。
「お父ちゃんに落書きした。この前のお返しだよ」と満足そうな笑顔のナナ。
「う~ん、それなら瞼に目を描かなくっちゃ。こんな風に。へへへへぇ」とわたしもちょっと悪戯に加担して楽しませてもらった。
「はははあ。お母ちゃんもやるね。何時くらいに吉野に着くの?」
「お父ちゃんのズボンのポケットに確かスケジュール表があるから取り出して見てくれる?」
ナナは健ちゃんのズボンのポケットを弄り、きれいに折り畳んだ二枚の紙を取り出した。
一枚の紙にはワードで作成されたと思われる綿密な日程が書き込まれ、もう一枚の紙には「家長としての行動指針」と題するきょうの行動の方向性が書かれている」。健ちゃんは大雑把なO型ながら意外と几帳面なところがあったのだ。
「お母ちゃん、吉野駅到着は八時三十一分になっているよ」
「OK牧場」
「OK牧場って。アハハハ」
「ナウいでしょ」
「死語の連発やん。何か笑える」
「ナウいって健ちゃんの持っている国語辞典にも載っているんだから。ほらあ」っと水戸黄門の印籠のようにナナに国語辞典を見せつけた。
「『俗語 現代的なさま。』。確かに、あったんだね」
「どうして、過去形なのよ」
「ナウいはいまじゃナウくもなんともないから」
「そうね。言葉は時代とともに変わっていくものだから仕方がないけど、ケーちゃんが使っている言葉ってナナの世代では結構使われていないのね。驚きだわ」。ケーちゃんの日本語に感化されているわたしはかなり凹んだ。
「お母ちゃん、それ『世代間ギャップ』って福山先生が言っていたよ」
「そうか世代間ギャップか。ケーちゃんは五〇代だもんね。言葉も古くて当然よね」
「逆にあたしらと同じ言葉を使っていたら、キモいよ。たまに『訳わかめ』みたいに復活する言葉もあることはあるけど」
「そっかあ。はははあ」。わたしは、言葉について娘に教わるとは思ってもみなかった。
「お父ちゃんのスケジュールだともうすぐ展望スペースで桜を見ることになっているよ」
「健ちゃんには悪いけど、行ってみようか。せっかくだし」
「はーい!」。ナナは上機嫌。それが今のわたしにとって一番の栄養源“ナナミン(ナナのビタミンなので、わたしはそう呼んでいる)”となっている。
♁
ナナと一緒に歩いて展望スペースへ向かっていると雄大な景色が待っていた。無数の桜の花が舞い散っている。下千本の桜は満開を過ぎ、散り行く時を迎えていた。それは、わが祖国のいまある姿に思えて郷愁を誘った。
そして、わたしは日本語で俳句を一句詠んだ。
《桜散る 愛しきナラを 愁えんと》。ナラは「奈良」と朝鮮語で「国」を意味するナラを掛けている。
初めて見る散り行く桜の花の姿に少しボーッと夢心地になっていたわたし。
その儚くも美しき姿に祖国・共和国を重ね合わせていた。
その時、わたしは、見知らぬ人の靴を踏んでしまったようだ。「イタッ」というしゃがれた男の声。鋭い視線を感じ、「あっ、すみません」と咄嗟に謝った。
「気にしないでください」と言う優しい言の葉。その男の顔を見てたまげた。コワい顔の男だ。
何となく見覚えがある。いつ、どこであったのだろうか。あっ、そうだ。さっき偶然にも車内で見かけたお隣さんの水田部長刑事と一緒にいたあの男だ。そうだ、 間違いない。わたしは咄嗟に一瞬、顔を背けた。
その男はわたしの娘を見て、「お嬢ちゃんは何歳かな?」と尋ねた。
ナナは「九歳です。おじさん、顔は怖いけど、善い人そうだね」とその男について物怖じせずズバっと言う。
「まあ、ナナったら……」。飛んだ冷や汗を掻かせられるわたし、四十歳。
「ハハハア、お嬢ちゃんは、はっきりとモノを言うんだね。しっかり者なのかな?」。眼光鋭くどう見積もってもトッチャン警部補がそこいらの刑事ではないことは一目瞭然だった。
「しっかりしないと生きてゆけない世の中だからね」。大人顔負けの言葉を吐くナナ。
「ハハハア。お嬢ちゃんの将来が楽しみじゃないですか、お嬢ちゃんのお母さん」とトッチャン警部補はほくそ笑んだ。
「そ、そうですね。ありがとうございます」
「お嬢ちゃん、その高さだと桜の花が見えにくくないかい?」
「あんまり見えないよ」
「じゃあ、私がお嬢ちゃんをおんぶしよう」と言って、警部補はナナを軽く抱き上げて背中に担ぐようにしておんぶした。
「わあ、おんぶおんぶ。嬉しいな」。警部補の背中で足をバタバタさせるナナだった。
「そんなに暴れたら危ないぞ」とナナに注意する警部補。自分のこの世にもういない娘の小さい頃を思い出し、感極まって目頭が熱くなっていた。その様子をこっそりと見ていた水田部長刑事もトッチャン警部補の亡き娘を思い出し、泣きじゃくった。その見っともない姿をまた見てしまったのがわたし。なぜか見てはいけないものをついつい見てしまう、いや見えてしまうのだ。確かに人より目は離れてはいるが、それは関係ないだろう。
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午前八時二十六分。あと五分で吉野駅に到着する。
なのに、夫の健ちゃんはぐっすりと寝たまんま。起こさなくてはいけない。こういう時は娘に任せることが、我が家のしきたりとなっている。
娘のナナはリュックサックから健ちゃんの大好物であるグレープのグミを取り出し、右の鼻の穴にグレープのグミを突っ込んだ。すると、「ッハッハ」と健ちゃんは息苦しくなって咳き込みながら飛び起きた。その後も「ハアハアハアハア」。ちょっと苦しそうにしてもがいた。これはちょっとやり過ぎたと思い、猛省してもあとの祭り。ナナはただひたすら謝るのだが、マジックで落書きされた顔を見ては笑いの福が降りて来て、それを我慢すると、今度はお尻がむずむずしてきて仕舞いにプッーと屁を一発噛ましたのだ。それが偶然にも健ちゃんの顔の辺りを直撃した。
「誰だ?」と大きな声を上げる健ちゃん。娘のナナはしてやったりというニンマリした顔をしている。
「ナナの仕業だな。お転婆娘、嫁の行き手がなくなるぞ」。そんな落書きされた顔で真面目なことを言われても、逆に笑いが込み上げるだけだ。
「ハハハア。健ちゃん、顔を洗ってきて。お願いだから」とわたしは笑いが止まらない。
健ちゃんは「ナナ、また顔に落書きでもしたのか? 正直に言いなさい」と怒っている。
ナナはわたしの影に隠れて、「お父ちゃん、ごめんなさい」と小声で謝った。
健ちゃんは「ナナは、お父ちゃんが怖いか。そんなに小さくならなくていいぞ。今度、悪戯する時はミキ母さんにしなさい。ガハハハハア」と矛先をわたしに向けて来た。
「まあ、健ちゃんったら。それより時間ないから洗面所で顔を洗って来て頂戴。ハイ、タオル」とわたしは健ちゃんに水色の今治タオルを差し出した。
「このタオル、ふわふわしているな」とにこやかな表情に戻った健ちゃん。わたしも健ちゃんの顔に落書きしたことを知ったら怒るだろうな。分かったら分かった時で考えるとしよう。
「えっ、何?」
「聞いていなかったのかよ。タオルがいつもと違ってふわふわしていたから、そのことを伝えたかったんや」
「ええっ、まあいいか…。それは、愛媛県今治産の高級タオルだから、百均のタオルとは雲泥の差よ。ふんわりとして心地いいでしょう。ニッポンは凄い国だと改めて認識させられるわね。値段もその分張るけどね。お肌が気になる年頃だから、いいでしょう(笑)」
「ミキは三十歳にしか見えないから大丈夫」。たまに嬉しいことを言ってくれるのね、ウチのダンナ健ちゃんは。
「ナナの前で何を言っているのよ」
「お母ちゃん、四十歳には見えないよ。クラスのおばちゃんはババけてるのに。お母ちゃんは益々キレイになっているよ。美魔女みたい」とナナはいつものことながらわたしのことを褒めちぎった。
「ナナ、お母ちゃん嬉しい」と言って、ナナの頭を撫で撫でした。親子にとってスキンシップは大切だ。そして、親が子どもを褒めることも重要だ。それによって、自分に自信がもてるよう成長していくのだ。蕾がゆるりと膨らみほころぶように。
◎主な登場人物
▼わたし(広田ミキ/金美姫)
ピョンヤン出身/舞踏家/ニッポンへ脱北/ドジ・のろま/父外務省高官/母小学校教師/アカブチムラソイ/タンゴ/結婚・出産/子不知自殺未遂/記憶喪失/2児の母/コンビニバイト
▼健ちゃん(広田健三/陳健三)
広田家家長/中国遼寧省出身/農家三男/無戸籍/北京大医学部卒/元外科医/発禁処分作家/ボサボサ頭/ニッポン亡命/大正浪漫文化/竜宮の使い/大阪マラソン/母親白系ロシア人
▼ナナ(広田ナナ/チュッチュッ)
広田家長女/タイ難民キャンプ出身/ビルマ人/ニッポン亡命/悪戯好き/高田馬場/交通事故/あすなろ/児童養護施設/養女/道頓堀小/ハイカラさん/福山先生/失語症/車椅子
▼ヒカル(広田ヒカル)
広田家次女/大阪生まれ/天使のハートマーク/ダウン症/ルルドの泉/奇跡/明るい/笑顔/霊媒師アザミン/プリン・イチゴ好き/亡命家族を結び付ける接着剤/天体観測/流れ星
▼平野のおっちゃん(平野哲)
外務省官僚/福岡県八女市出身/両親を幼くして亡くす/ミキ・健三ら亡命者支援/ヒマワリ・サンシャイン/ミキの父・金均一の友人/ミキ養父/西行法師/吉野奥千本に卜居/満開の桜の樹の下で銃殺
▼洋子さん(平野洋子/旧姓有栖川)
平野哲の妻/旧皇族/奥ゆかしさ/ミキ養母/ミキと健三のヨリを戻す/ゆめのまち養育館/福山恵/奈良県・吉野/夫婦で早朝にジョギング、古都奈良散策/いけばな家元/みたらし団子/韓国ドラマ
▼アザミン(水田あざみ/斎木あざみ)
霊媒師/津軽イタコの家系/弱視/青森県・鯵ヶ沢町出身/10歳の時に村八分/大阪・梓巫女町/琉球ユタ修業/ミキの善き理解者/夫は水田豊部長刑事/2男2女の母親/直接的・間接的にミキを救う
▼塙光男(朴鐘九/河合光男)
北朝鮮の孤児/スパイ/金日成総合大卒/ニヒルなイケメン/新潟県可塑村村長の養子/同県大合併市市長/ミキの初恋の相手/北朝鮮、ニッポン乗っ取り計画首謀者/ミキを誘拐/親不知不慮の事故死




