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そうしてお姫様は、

お父様、女運ないのね。

作者: 東亭和子
掲載日:2017/02/18

 新しいお母様が出来るのだ、とお父様は言った。

 照れながら嬉しそうに。

 その姿は娘から見ても幸せに溢れていた。

 

 私を産んだお母様は小さい頃に病気で亡くなった。

 お父様はお母様をとてもとても愛していたらしい。

 だからお母様が亡くなって、お父様は絶望するほど悲しんだ。

 まわりはそんなお父様を不憫に思い、再婚をすすめた。

 それでもお父様は首を縦にふることはなかったのだ。


 そんなお父様が結婚するという。

 これはとても凄いことだ。

 お母様を吹っ切ることができたのだろうか?

 それともお母様よりも愛おしい人ができたのだろうか?

 娘である私は、お父様の幸せをお祝いしようと思う。

 全力で祝福しよう。


 新しいお母様はとても綺麗な人だった。

 記憶にある私のお母様と似ていた。

「よく似ているだろう?」

 頬を染めて告げるお父様はとても幸せそうだ。

 結局、お父様が好きなのはお母様なのだと知った。

 それでも幸せなお父様を私は祝福したのだった。


 半年と経たないうちに新しいお母様は出て行った。

 財産目当ての結婚だったようで、夫婦仲はうまくいかなかったらしい。

 お父様の嘆きようは言うまでもない。

 ちょっと哀れに思うが仕方ない。

 だって私は新しいお母様が気に入らなかった。

 媚びたような女をお母様とは思えない。

 だから、私が追い出した。

 お父様を取ってしまう悪い魔女は追い出さなくちゃ。

 お父様には女運がないと思って諦めてもらうしかない。

 私はお父様の背中をそっと撫でてあげた。

「大丈夫よ、ずっと私が傍にいるから」

 ずっと二人で生きていたんだもの。

 これからだって二人で充分だわ。


私が一番お父様を愛しているのよ。

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