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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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短編集

不敵に笑う男

掲載日:2016/05/24

  真夜中の電柱に、虫が集まる。

 青いポリバケツに、ゴミを照らす、電柱の蛍光灯。

 それだけが、目の前にポツン、と象徴的。

 腕時計の秒針は、夜中の三時を指している。

 

  薄気味悪い、寒気が一瞬。

 

  帰宅途中の私は、その場を後にすれば、良かったのだ。

 何故か、好奇心のような出来心で、サッと後ろを振り返ったのだ。

 

  「誰も居ない・・・。」

 

  そう、安堵した矢先・・・。

 

  私の首は、後ろを向いたまま、金縛りのような感覚で数秒間、止まった。

 鼓動は、脈々と速くなる。

 瞳孔は開きっぱなしで、恐怖に支配されたよう。

 

  要らぬ想像が、本当に起こるのだろうかという、怖さに怯える。

 数秒間経って、不安から開放され、溜息をつく瞬間・・・。

 

  暗闇から突如現れる、ニヤリと不敵に笑う見知らぬ男性が、立っている。

 

  私の心臓がバクバクと、パニックに陥った。

 すぐさま、ダッシュでその場を逃げ出した。

 男が、完全に見えなくなるまで、走った。

 

  記憶が正しければ、男は何か光る物を手に持っていた。

 「ハッ!まさか・・・」

 脳裏に焼き付いた不安は、正に恐怖という二文字で埋め尽くされてゆく。

 

  まずは、警察に電話するのが先決であろう。

 だが、私はパニックに陥って真っ当な判断ができないでいた。

 「どうしよう・・・どうしよう・・・。」

 同じような文字で、頭は混乱している。

 

  インパクト大のあの、不敵な笑いは、心の歪みを起因させていく。

 まるで、奇形を超える異物のような、不協和音で崩れていく。

 

  現存の通りが全く、通りはしない、無秩序な状況。

 似たようなポリバケツが視界に入り、思わず蹴り飛ばしてしまう。

 

  非常に怯えているようだ。

 このままじゃ、衰弱してしまいそう。


  思いついたように電話を取り出して、警察に電話する。 

 

  私はまた、そこで安堵してしまった。

 

  ふと、視線を逸らす。


  男は覗き込むように頭を逆さにしてニヤリとこちらを見る。

 私をマネて白い瞳孔を開き、切り裂いた口角。

 首縄を連想させるかのような形にしてニヤリと笑っている。

 

  こんな奴が世の中に存在するわけがないよ。

 

  私は、その刃物を突き付けられ、目の前が真っ赤に染まる。

 瞬間をただ、ただじっと見つめている。

 

  そう、私はファンに殺されたのだ。

 

  青いポリバケツに捨てなきゃよかったよ・・・。

 

  腕時計は未開封のまま、そこに転がっていた。

 

 

  男の手紙と一緒に。

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― 新着の感想 ―
[一言] ファンって名前は東南アジア系なのかな?つい先日外国人に殺害された事件があったばかりだから怖いね
2016/05/24 08:36 退会済み
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