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エロMOD先輩と賢者の窯  作者: Anacletus
第二章 エロMOD先輩と炎の聖杯-I just came to eat with a cute girl...-
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プロローグ「眠れる奴隷とエロMOD先輩」


―――セントラル外延部辺境領域【礎石のファノン】街区。


「オラ!! テメェらは負けたんだよぉ!! 黙って歩け!!」


「ぅ……」


「いいかぁ~~? テメェらはもう奴隷だ!! 一生!! 二度と!! 絶対に!! 元の生活は出来ねぇんだ!! セントラルの庇護領域~? ハッ!! もうテメェらを庇護してた【破棄の楽園】はねぇんだよ!!?」


“そこはとある星のとある大陸にある辺境の辺境……”


「ひゃははははは!!! これで奴隷が狩り放題だぜぇ!! 近隣の連中は国境侵犯を恐れてポリ公は来ねぇ!! テメェらご自慢の防衛システムとやらも電力が無けりゃ、単なる案山子だったな♪」


「まさか、ダムを爆破するなんて……一体どれだけのッ、ガァアアアアアア!!?」


「おっと、つい手元が狂っちまったよ♪ 脚で良かったなぁ? 次は脳天にブチ込んでやる」


「う、うぐぅぅ……」


“悪逆は天を裂いて燃え上がり、人道は地に墜ちて踏み躙られる”


「奴隷は高く売れるんだぜ? 特に辺境とかなぁ!! 人がいねぇから、馬鹿な蛮族共に高く買わせてやるのさ!! 女は奴隷を生む家畜!! 男は死ぬまで労働だ!! 素晴らしき【錬金術】ってヤツさ」


“怒る雷鳴が遠く炎よりも激しい情動を打ち砕くように誰も彼もが投げ込まれた悪鬼羅刹の巷は弱者を炙り尽くしていく”


「その前に楽しもうぜ? ほら、結構こいつら良い顔してるしよ!!」


「ああ、そうだな。そういや、中央の方の戦争でこっちに難民が流れ込んで来るらしいぜ。こいつらよりもよっぽどに上玉な種族が大量だって話だ」


“地は陰り、悪は栄え、道は無く、無尽の絶望が人々の上には降り続けていた”


「お、マジかよ!!? 入れ食いか!? どんな奴らなんだ!?」


「それがよぉ!! 何でもスベスベの白い肌にゆで卵みてぇな肌の連中らしい」


「お、おぉぉ……そりゃいい!! 何匹か飼おうぜ!! 子供を産ませりゃ、臓器も取れるし、物好きな好事家連中にも売れそうだ!!」


“ああ、それはどんな時代のどんな国でも起こり得る単なる知的生命の宿痾であろうと嘆く者すらない”


「高利貸しもいいぞ!! 女を担保に金をチョチョイとな!!」


「くくくく、笑いが止まらねぇなぁ!!」


「ああ、オレ達の未来は正にバラ色!! 悪りぃなぁ!! 魔法が強くってよぉ!!」


「う、ぅぅぅぅ……うわぁぁぁ……っ……こんな、こんな奴らにぃぃぃ……」


「アガッ!!?」


“もはや、正義など存在しないのか? 全ては悪に屈してしまうのか?”


「な、何で夫を!!?」


「おっとイケネぇ!! オレはよぉ? 女にはやさしーんだぜ? ほら、だから、お前の代わりに“死んでも問題ねぇヤツ”を撃ってやったんだ。やぁさぁしぃ~~♪」


「ッッッ」


「アガァアアアアアッ!!?」


“砕けた骨と歯が飛び散れば、それは明確に明日の命のように儚く鳴って”


「な、何で何もしてないのに!?」


「あはははは、テメェらの目付きが気に食わないんだよぉ!! おら、おらぁっ!!」


「や、止めてぇ!? お腹を蹴らないでぇぇ!!?」


「くくく、止めて欲しかったら、素直に助けて下さいと懇願するんだよぉ!! ほら、どうした!? テメェらぁ!!? お仲間が脚を撃たれて腹を蹴られてるぞぉ♪ 誰か助けてやらねぇッ、の、かッッ!!!」


「あぐぅううううううううう!!!?」


“弱者は甚振られ!! 明日を夢見る事すら奪われ!! 今、失意の底に死する!!”


『ッ~~~~~!!!!?』


(止すんじゃ!? 殺されるぞい!? 此処は抑えるんじゃ!?)


「くくくく、あはははは!! 分かったか!! この奴隷共がぁ!! 逆らったらテメェらもこうだぁ!! 脚の次は腕だ。腕の次は耳だ!! 耳の次は……腹だ」


「や、やめてぇぇ……っ」


“もはや、救いは無かった”


「泣いて謝ってんじゃねぇカス!! 最初からッ、こんなッ、事をッ、させんじゃッ、ねぇよ!? このカス種族が!? はぁはぁ……」


「テメェらみてぇな薄汚ねぇゼノ・アニマルはなぁ!! さっさとこの世から消えちまえばいいのさぁ!!」


「オイ。そろそろその辺にして早く愉しもうぜ?」


「おう。そうだったな。やっぱ、お手付きは要らねぇわ。ほら、さっさと死ね』


「あ―――」


“誰も助けてはくれない!! 同胞すらも!! 何故ならば、荒野の掟は無常だと人は言う!!”


『ッッッ』


「くくくく、あはははははは!! 家族共々、あの世で仲良くなぁ!! さ、見繕い直さねぇと♪ 薄汚たねぇクソみてぇな種族にも人間様の役に立てるって事を教えてやらなきゃなぁ♪」


「あん? 雨……? オイ、おめぇのせいで時間無くなっちまったじゃねぇか」


「は? 土砂降りにはならねぇだろ。あん? 何だ? この雨……温い。ん?」


“だが、人の心にはまだ抗う意志が残っていた……”


『うわぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!?』


「こ、コイツゥうううぅううう!? 逆らうつもりか!?」


『銃を取り上げ―――』


「死ね!? 死ね!!」


『きゃぁあああああああああああああ!!!?』


“それもまた悪党達の下卑た嗤い声の中に朽ちるのか……”


「クソが、逆らってるんじゃ……ッ、何だ!? 何でコイツの体!? 血が止まって!!?」


「オイ!? 何か音が聞えねぇか?」


“……そこに一筋の光が差す時”


「は? 何だ? この……音楽? この不穏な、何、何だ!? 何処から何か、声も、っ、聞こえてやがる!? 銃を構えろぉおおおお!! おかしらに連―――」


『誰か、誰でもいい!! 誰でもいいから、だから、誰か助けてぇえええええ!!』


“人―――それを希望と言う!!!”


「クソガキぃ!? 死んでねぇなら、頭をブチ抜いてやんよぉ!!?」


“君達は知っているか?”


「何だ!? ハッキリ聞こえるぞ!? 希望!? 何だ!? この声は!? 出て来い!? ぶっ殺してやる!!? クソ、雨で視界が!?」


“辺境に降り立った新たな伝説を……”


「何処からだ!? 何で頭に響くんだ!? クソ!? 出て来い!? このガキを殺すぞぉ!!」


“徒党を組んだ悪党は死んだ。何故だ?”


「クッ!? うるせぇえええ!? 殺―――」


“山の如き化け物は死んだ? 何故だ?”


「アガァアアアアアアアア?!!!? オ、オレの腕がぁあああああああ!!?」


「じゅ、銃声もしてねぇのに何だ!? どうして!!? 何処からだぁ!! 何が!!? ち、血が止まって?!」


“それは1人の男が倒したからだ……人はその男を反逆の英雄と呼んだ!!!”


「(何で空中から放り出されて人間砲弾にされてるんだろうオレ(´・ω・`))」


パァンと二人の男の頭部が首とさよならして上空に弾け飛ぶ。


オーバーシャットの矢で飛ばした腕と同様。


死んだ事に気付かない肉体の首から下が治った。


しばらくは動き続けるだろう。


【グッドラック。ブースト・オーバードライブ。目標地点に突撃開始】


“今、大いなる意志を携え―――真なる力が舞い降りる!!”


(あ、前奏終わった。ホント、盛り上げ上手だなぁ。ナレーション=サンは……)


ラリアット気味に手刀で後ろから飛ばした首が二つクルクル回って落ちていく。


その瞳には驚愕が映り込んでいる。


が、傷口が再生しているのでショック死する事なく。


ゆっくりと十数秒は時間を掛けて自分の唐突な死を実感する人生最後の瞬間を味わうという地獄を消えていく意識に刻まれるだろう。


『あ、あ……っ……ああ……』


管弦楽の嵐が降り落ちる治癒剤の小雨の最中にも響き渡っていく。


ほぼ4km半径にも及ぶBGMはマジで迷惑極まりないのだが、盛り上がりはするので仕方なく許容するしかないだろう。


恰好は付くから戦闘中は切れに切れないというのが本音だ。


首を飛ばした刹那、男から手業でひったくった襤褸を着込んだ灰色の肌に尻尾、紅の瞳に小さな額の角を持つどう考えてもアレな亜人種族の子供を泥濘む地面に滑るように着地しながら立たせてお仕事を遂行する事にする。


“反逆の大英雄此処に見参!!!”


「(う、あまりにも普通に『あ、すんません。ちょっと此処のリーダーの人出して貰えますか?(^◇^)』とか聞けない空気が(´;ω;`))」


“我こそは~~~っ、我こそは~~~っ”


「(遂にきょ、曲まで流れ出すのかよ!?(;つД`) うッ、益々『あ、仕事なんでちょっと聞きたい事があるんですけど、いいすか?(;・∀・)』とか聞けない空気に!!?)」


“今~こそッ!! 立ち上~がる!! 宿命の~拳士よッ!! 護るべき人の為ッ、愛にッ、殉ぜよ~!!”


『英雄だ……英雄様だ!? 星踏みの方が助けに来て下さったんだ!!?』


何か目をキラキラァ~っとさせた鋼染みた竜っぽい尻尾と小さな翼を持つ少年がこちらを見ていた。


(しょ、少年!? 気持ちは分かるけど、オレ独身30代の底辺ロウドウシャーなんだ……AUとか言うアレな感じの人じゃなくてごめんよ)


『た、助けてくれてありがとうございました!!』


(後、そんなキラキラした目で見ないでぇ……滅茶苦茶悪い事した気分になるからぁ?!(´Д⊂ヽ))


物凄く期待された瞳であった。


それに釣られてか。


すぐに周囲の大人達も何か目を煌めかせ始める。


「オレの名はガラーク。ただの傭兵だ」


『カ、カッコイイ!!?』


その言葉とほぼ同時に周辺への知覚能力が拡大し、猛烈な勢いで周辺で悪事働きまくりな勢力の情報が脳裏に雪崩れ込んで来る。


そうだ。


カッコイイのステータスが上昇する限り、MODの能力で自分の力は限界無くブーストされる。


それが現在の自分だ。


通常のプレイヤー個人のカッコイイはAIが算定するが、他者からの相対評価によるカッコイイは更に倍率ドンッ、なのだ。


誰かからカッコイイとか、感情や言葉を向けられる程に強化されるせいで無垢な少年のキラキラオメメこそが最大のバフであった。


「悪いが、すぐに仲間が来る。このまま連中を叩かないとならない。此処にいる者は来た連中に付いていけ。坊主。立派だったぞ?」


『ッッ、うん!!?』


“巻き上~がるっ、嵐よ!! 天よ!! 地よ!! オレを喚べ!!”


(うッ、MODのせいでカッコウ付けないと能力ダダ下がるから、押し通すしかないじゃないですかヤダぁ~~~後、天地に呼ばれても来れねぇよ!!?(´Д⊂ヽ)


“明~日と力~無~き、弱き者の盾となれ!!”


「また、会おう!!」


“ガラクシオンッ・ガラァアアアアアアアアアアアアク!!!”


(オレの主題歌だったんかぁあああああああああい(*´Д`)!!!!)


内心のツッコミもそこそこに確率操作HERO‐MOD【Dynamite Fever】の力を借りて、全自動クロスボウ【オーバーシャット】を片手に最も近場の略奪者の群れに跳躍して突撃する事にしたのだった。


(あの邪神に治癒剤の雨降らせて貰ってるしなぁ……後で酷い暴利を貪られそうな予感……人質救出だけは今も昔も難しいんだよなぁ(´-ω-`))


どうしてこんな事になったのか?


話は数日前に遡る。


その日、個人的にお世話になってる辺境の街には特大の“異物”……“新たな迷宮”が降って来た。


その日から物語は再び動き出したのだ。


そう……万能型宇宙戦艦【ジグラット】―――直径500kmの外宇宙探索用のソレの一部が街に落下して来た時の事であった。

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