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見習い錬金術師ミミーのノスタルジック冒険標  作者: シノト
1プロローグ
1/14

1-1 日常の朝

「おはようございます!!」

とある田舎の、とある錬金術師の店の2階の端……。10歳前後に見える少女は、カーテンを勢いよく開くと、まだ日の昇りきらない庭に向かって一人叫んだ。

特に意味はなく、本人の気合を入れるために”幼少期”から続けていることらしい。春真っただ中の朝の風は、少女ミミーに優しかった。


ミミーの朝は早い。錬金術師見習いの資格を得て、住み込みでこの店に働かせてもらってもうすぐ3か月になる。

ピンクの髪をツインテールにまとめ、そそくさとメイド服に着替えを済ませると、1階に降りてまず裏庭に井戸水を汲みに行く。

錬金術師の店の裏庭ともあって、魔力石を使った水道でワンタッチで水を出せるが、いかんせん身長があまりないので専用の台はここ3か月でしっかり用意されていた。


「わっせ、わっせ……。」


本人の倍以上にある水ツボを満タンにして裏口を通りキッチンへ運んでいく。これも本人が”幼少期”からやっている訓練だった。

錬金術を使用するため、魔力の才能は必須である。その魔力を鍛える意味でも、体に魔力の根源であるマナをまとわせ身体強化を図るのは基礎訓練としては非常に正しかった。

ただ、本人はそう言う理由で長年やってきたのかは甚だ疑問ではあった。


キッチンに水ツボをセットすると朝食は何にしようか魔力石式冷蔵庫を開けながら悩む。


「じゃあ、野菜は菜園からとってきますか~」


庭に出たミミーは、ここ3か月で新しくできた菜園に大きな籠を持っていき、朝食べる分の野菜を刈り取り、ついでに菜園の世話もしていく……。

そう、この菜園は元々あったものではなく彼女の”幼少期”からの趣味である。

ただ、菜園の横にあった薬草園は、彼女が来た3か月前とは見違えるほど立派になっているのは、既にここの主人のあずかり知らぬことである。

ちなみにこの薬草園、奥に温室まであり、その温室は実は隣の療養所の建物とつながっていたりもする。


ほどなく収穫を済ませたミミーは、大きな籠を持ったまま、ニワトリ小屋に移動し餌をやって卵を回収していく。

ある程度大きな小屋に放し飼いにしていても巣箱に戻って卵を産むので、安心して小さい彼女でも回収することができる。

まぁ、これもまた彼女の”幼少期”からの知識と経験によるものなのだけれども……。

実際問題、3か月前まではただの廃屋だったのは言うまでもない。


大きな籠をもってキッチンに帰ってきたミミーは、もう固定に近い状態の台に乗り、朝ご飯を作り始めた。

魔法石を使った動力コンロは便利なもので、火をわざわざつける必要がない。

一般家庭にもかなり普及した動力コンロは、魔力石さえセットしてあれば操作が容易ではある。しかしここは錬金術師の店、この辺りも商品の一つなので最新式ではある。

50年ほど前に終結した戦争後、魔法戦具や錬金薬を作る必要が減った錬金術師と、武器の制作量が減った鍛冶屋のキャパシティーを利用して、生活雑貨を大量に生み出した。

結果、貴族くらいしか持てなかった魔法石という動力が必要な生活雑貨や、マナがある程度使える人間しか使えなかった生活雑貨などが一般家庭に普及し、この王国も文明レベルが進み、人々が裕福になった。


カランカラン……。

「シモンズブレッドで~す♪ おはようございます~♪」

勢いよくまだ開店していない玄関を開いたのは、ポニーテールのなんとも活発で元気印の女の娘。


「おはようございます、ペニーちゃん今日も、パンの配達ありがとうございます。」

「いえいえ、こちらも商売ですので♪ 」


近所のパン屋さん兼雑貨屋さんのシモンズブレッドの娘さんのペニーだ。今年で10歳になる少女は、ここにきて3か月のミミーとはすっかり仲良しになっていた。


「ミミーさんも朝から大変だねぇ~。ピリーさんはぐっすり??」

「たぶん、まだ起きないんじゃないかなぁ~。昨日は遅くまで調合してたみたいだし……。」


そういいながら、店内の端っこから見える散らかったままの錬金工房を横目で見ながら、ミミーは軽くため息をついた。


「でも、パンも配達してもらったし、朝ごはん出来たらしっかり起きて先生にも食べてもらいます♪」

「もうすっかりピリーさんの胃袋掴んじゃってるね。最近、ピリーさんも顔色が良いみたいだし。」

「まぁ、先生もしっかり食べて寝てくれると助かるんですけど、たまに調合時間がかかり過ぎて寝れないこともあるから倒れないようにしっかり管理させていただいてます♪」

「ミミーさん、弟子じゃなくて、もうお母さんみたい。」

「ははは……」


どことなくぎこちない笑いをミミーは浮かべながら、次の配達へと向かうペニーを見送る。


「お母さんか……。せめて妹に見えるように頑張らないと……。」


意味不明な決意を胸にキッチンに戻ると、再びせっせと朝ごはんの準備をしだした。

料理をすることもミミーの”幼少期”からの趣味であった。

初めまして、同人で音響音声技師しておりますシノトと申し上げます。

なんで書こうと思ったんだろ……。なんでだろうなぁ……。

気が向いたら投稿しますんで、もしよろしければ読んでいただけたら幸いです。

元々文章を書く能力は皆無ですので皆様の御目汚しをお許しいただけますよう。よろしくお願いいたします。

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