NO,38: Ring-a-ring o' roses
視界が再び開けた。
そこに広がっていたのは多分昔のロンドンの通り。セイラの顔も、騰蛇も大陰も見えない。夢なのかな?
「薔薇の花輪を作ろうよ。ポケットには花弁がいっぱい、ハクション、ハクション! 皆一緒にしゃがもうよ」
目の前に民謡を歌いながら赤ちゃんをあやす女性が現れた。
優しい笑顔を赤ちゃんに向け、愛情をたっぷりと注ぐ。その姿は母親の鏡とも言える。
腕の中に赤ちゃんを優しく包み込み、ゆっくりと歩いて俺の前を通り過ぎた。
……俺は、何を見ているのだろう?
一つだけ思う事がある。あの女性の切り裂きジャックとこの母親とが、どこか被って見える事。
「ジェーン、お家に帰りましょっか」
優しく赤ちゃんに微笑みかけ、通りを曲がり、住宅街へと入っていく。
そこで、視界がまたもや真っ白になる。
まるで映画か何かのシーンが変わるかの様に。
再び視界が開けた先には、いかにもヨーロッパって感じのするレンガ造りの家。大きくも小さくもない、ごくごく普通の民家。
辺りは暗く、多分夜なんだろう。
中からは先程目の前を通った母親の声が聞こえる。
スーッと風景が移動する。段々と家に近付き、ぶつかりそうだ。
『えっ、ちょっと!? ぶつかる!?』
止まりそうも無い。体も動かない。
手を顔の前に交差させ、衝撃に備えるしかない。
レンガって絶対痛いよね……。多分夢だから痛さ感じないかな?
『……あれ?』
全然痛みも衝撃も来ない、恐る恐る前を見る。
さっき見ていた家の中にいた。どうやらすり抜けたらしい。……なんか幽霊みたい。
家の中もこれまた普通。
ヨーロッパの民家の中ってあんまり詳しく知らないけれど、少なくとも豪華ではない。でも貧しいって訳でもなさそうだ。
一昔前の感じだけど、家具はちゃんと揃っているし、壁や床がボロボロって訳でもない。昔のロンドンなんだ、家具は俺から見たら一昔前って感じても当たり前かな。
「ほらぁ、ぐずらない。おねんねしましょうね」
「ジェーンはまだまだ遊びたいんじゃないのか?」
リビングだろうか、テーブル等が置かれた広めの部屋。
先程の母親と、父親だろうか、こちらも優しげな顔をした男性がソファに座ってウーウーとグズっている赤ちゃんをあやしている。
母親は寝かしたいのだろうけど、赤ちゃんは寝る気がなさそうだ。
悪戦苦闘する母親と、少しからかいながらもしっかり協力している父親。
自然と頬が緩んでしまう、微笑ましい雰囲気。
将来は是非ともこんな家庭を作りたいね。
「あ! ミルクが無いんだった、ちょっと買ってくるわね」
「大丈夫か? 一人で出歩くのは危ないぞ?」
「でもミルクが無かったらジェーンが困っちゃうじゃない」
急に母親がそう言い出す。どうやらミルクが家に無いらしい。
買いに行くと言った母親に、心配そうな顔をして父親が訊く。
ロンドンの夜は遅い。
それでも女性一人は危ないのかもしれない。
それでも我が子が困るとさっさと買い出しの準備をする母親。
「でも今の時期は危ない。切り裂きジャックだって出るかもしれないだろ?」
「すぐ近くなんだから大丈夫よ」
「でもなリンダ、やっぱり危ない」
「ジャンは心配性ね、大丈夫よ」
渋る父親に向かってクスクスと笑い、赤ちゃんを預ける。そのついでに赤ちゃんと、夫の頬にキスをするのはヨーロッパの文化。
日本では基本的にはあり得ないと思う。
「すぐに戻るわよ。ちゃんとジェーンを寝かしといてね」
そう言い残し、家を出ていく母親。
ドアが閉じる時、父親は妻を心配そうな顔で見ていた。
三度目のホワイトアウト。再び場面が切り替わる。
視界が開けた時、辺りは真っ暗。
だがすぐに月明かりが頼り無く、そして妖しく、辺りを照らし出した。
『――っ!?』
そこに広がっていたのは、惨劇。
血の臭いが辺りに漂い、吐き気がする。
目の前に立っていたのはボロ着を着た痩身の男。
顔は見えない。
その足下にあるのは――
『――ぅっ!』
バラバラの物。
視線を逸らす。見たく無い、絶対に。
あの母親だとは信じたくない。夫も、まだまだ幼い娘もいるんだ。あの子には母親が絶対に必要だ。
彼女は娼婦でも無い。何故狙われた?
否定したい思いが、頭の中で駆け巡る。
さっきまで幸せの絶頂にいた彼女。
一気に奈落の底に突き落とされた絶望は、哀しみは一体どれ程の物だろう?
分かった。
これは彼女の、この母親の、あの人骨の過去だ。
バラバラになった彼女はテムズ川に捨てられた。
そこで何年も絶望や哀しみを溜め込み、遂に呪力災害として溢れ出た。
切り裂きジャックが出てきたのは、彼女が怨んでいたからだ。
喉を切り裂いたのは、臓俯を取ったのも、全ては彼を怨み、怨み続けていたから起こった事だ。
『Are you happy?』
これは彼女が幸せの絶頂から絶望の、奈落の底へ落とされたからだ。
眩しかったんだ、幸せが。
天頂から底辺へ、それを味わった彼女の言葉。
自分が味わった哀しみを、他者にぶつけたかったんだ。だから、この言葉を言い続けていたんだ。
民謡は子供の、幼い娘へのあやし歌。言葉が言えるまで育てば最初に歌う歌。
彼女が娘へ最も歌った歌。
……なんて、哀しい。
自然と頬に涙が伝った。
悲劇、この言葉ですら伝えきれない深い哀しみ。
それを俺は直に見た。
……あの母親は、再び惨劇を起こしてしまっている事を悔いているのか?
助けを求めているのか?
それは分からない。
再び視界が白く染め上げられる。
……助けよう。
そんな想いが心に生まれた。
――レンガ造りの建物の、壁が穿たれ、あるいは砕かれ、あるいは凍る。
「アハハハハハ! 流石に連盟の役員は良いね! 楽しいね! ゾクゾクするね!」
「……何なんだあいつらは? 我々は六人、あいつらは二人だろ?」
一人の男が顔を歪めながら言う。
額には玉の様な汗が浮かび、服の所々が破けている。
数の差とは古来より絶対的な力として語られてきた。
無論個々の力も重要だが、数の差は絶対的だ。
いくら個々の力が圧倒的でも、大量の敵の前にはいずれ沈む。
シンプルだが強力。それこそが数の差の力だ。
なのに、なのに追い詰められているのはこちらだ。
たった二人の、しかも学生に、連盟所属の自分達が押されている。
今川で戦っている、魔神を操る『レメティア』ならば素直に頷けるが、この二人はそんな者達ではない。
圧倒的な血統ではない筈だ。
無論こちらもそんな血筋ではない。
それだからこそ数こそ力の筈だったのだが。
「ぬぉっ!?」
一人の仲間が、学生の一人、さっきから不気味に、底抜けに明るい声で笑っている女に吹っ飛ばされた。
……あの女は異常だ。
「後ろぉ!」
「――!?」
気付けば男の後ろにはもう一人の学生が迫っていた。両手に持った試験管を放ち、目の前で割れる。
その瞬間、霧の様な煙でできた豹が生まれ襲い掛かってきた。
「くそっ!」
かろうじて避ける事しか出来ない。
が、そこにはあの女が迫っていた。
「そりゃあぁ!」
「――ぉぉっ!?」
ふざけた声だが威力は抜群。肋骨を三本は今ので持っていかれたかもしれない。
口から血を吐き出し、地面に叩き付けられる。
「う〜ん、皆さんそろそろ限界の様だね」
「……元気なのはお前だけだ」
屋根の上から役員全員を見下ろす二人。
その上には月が輝き、妖しげな雰囲気が出ている。
「終わりにしよっか。あっちも面白そうだよ!」
「……まだ戦るのか」
女学生が何かを取り出す。……これでチェックメイト、誰も動けない。
手から呪符を放とうとした瞬間、二人が一斉に飛び退いた。
……数個のコインが飛んできたのだ。
「そなたは吹雪であり、氷河であり、氷である。さらば凍てつけ、『イーサー』」
コインから莫大な冷気が吹き出し、一瞬で辺りが凍り付く。
タンッとそこに一人の女性が降り立った。
青い美しいドレスを纏い、煌めく金の髪を結い上げた女性。
「……アミリア様!」
一人の役員がそう叫ぶ。
彼らにとって、彼女とは尊敬の的であり、同時に畏怖の対象である。
アミリア・ペンドラゴン、世界に五人しかいない、魔術師を裁く魔術師、『審判者』。
「……アミリア・ペンドラゴン! 『審判者』! 大物が来たね!」
「バカ野郎! 止せ! いくらお前でも無理だ! 次元が違い過ぎる!」
猛る女学生――ミラを必死にテセウスが抑える。
例え彼女でも絶対ダメだ。差があり過ぎる。
自分達など瞬殺だ。
対するアミリアは静かに二人を見つめる。
その目からは、一切考えが読めない。
「……貴女達は学院の生徒ですね?」
「そうだよ!」
ミラが元気良く答える。
テセウスが抑えていなければ、今にも飛び掛かりそうだ。
そんなミラを見ても、一切読めない目で見つめるのみのアミリア。
ふいにテムズ川を見るアミリア。
氷の大地と化したテムズ川には何人かの魔術師が激戦を繰り広げ、巨大な蛇までいる。
「……騰蛇。あの子達もいるわね」
そう呟き、再び二人に視線を戻す。
その目は先程と違う雰囲気があった。
「貴女達は今ここで戦闘を止めなさい。そうすれば処罰も何も無し、学院には呪力災害に巻き込まれたと報告しましょう」
「――!?」
「アミリア様!?」
後ろから連盟の役員が叫ぶ。が、彼女は無視。
二人をただ見つめる。
やはり視線からは何の意図も読めない。
「……分かりました」
「え〜」
「黙れミラ、死にたいのか?」
テセウスが承諾した。
ミラが文句を言うが、テセウスが一蹴。
よく見ると、テセウスは冷や汗を掻いている。
「賢明な判断で結構。流石は三年最優秀班ね」
フッと不敵に笑う。
何故か二人の事を知っていた。
静かに二人の前を通り過ぎ、テムズ川を見つめる。
「そこでじっとしときなさい。何かしたら、消すわよ?」
クルッと振り向き、そう二人に言い放つ。
その瞬間、二人に圧倒的な威圧感が掛かる。どこまでも鋭く、どこまでも冷たい、王の放つ威圧感。
テセウスはそれだけで膝をつき、荒い息を上げた。
ミラでさえ固まる。
指の一本でも動かせば首が飛ぶ、そんな感覚だ。
そんな二人を見て、静かに威圧感を解くアミリア。
再びテムズ川を見て、呟いた。
「……吉か凶か、見極めようじゃないの。ねぇ、魔眼の少年?」
誰にも届かないその呟き。その真意はどこにある?
それは、ここにいる誰も知らない。
「雛と秋夜、ボロ出さないでよ……」
再び視界が戻ると、目の前には涙目のセイラの顔がドアップであった。
物凄く近い。
シャンプーか何かの匂いが鼻を擽る《くすぐる》。
「悠輝さんっ! 起きましたか!」
「まぁね……って、のわぁ!?」
バンッと抱きつかれた。
……一言で言おう、柔らかい。変態って言わないで欲しい、実際そうなんだもん。
セイラはセイラで余程心配したのか、抱きつきながら嗚咽を漏らしている。
……なんか色々とごめんなさい。
「やっと起きたか悠輝! 何があったか知らんけど、ちゃっちゃっと浄化してくれへんか!?」
「うむ……キリが無い」
大陰がそうやって叫び、騰蛇が頷く。
そんなに長いことあの幻想を見てたのかな?
セイラをなんとか外し、頬に手をやる。
涙がまだ伝っていた。
核を、人骨を、あの母親を見る。
まだ女性の切り裂きジャックは立っている。
こちらを見つめるその目は、何を伝えようとしているのかは分からない。
ただ、あれを見た後だからか、助けを求めている気がしなくもない。
「……セイラ、浄化しよう」
「……ぇぐっ、だぁぃじょぅぶなんですか?」
なんか嗚咽のせいでよく分からないけど、心配をしてくれているっぽい。
大丈夫だと笑って答える。
ふいに、そっと頬を触られた。
「……悠輝さん、泣いていました。……何を見たんですか?」
「……後でね」
言ってもいいが、後にしよう。
先に浄化して、彼女を助けようじゃないか。
『死を想え』
再び頭に響く声。
今思うと、この声もあの母親の声に似ている。
それに、響く度にした頭痛も消えた。
「セイラ、行く――」
『哀しみを止めたいのなら、視るといい』
「――!?」
「悠輝さんっ!? どうかしましたか!?」
再び頭に響く声。
さっきの母親ではない。
これは……禁忌の時、あの目が出たときに聞こえた声かな?
ズキンッと目が痛む。
思わず目を固く閉じ、膝を折る。
波の様に痛みが来ては引いてを繰り返す。
セイラが何か言っているが、何を言っているのか分からない。
『視るといい。そして決して逸らすんじゃないよ、それでは誰も救えやしないから』
穏やかな声が頭に響く。
でも目の痛みは全く引かない。ズキズキと痛み、奥からジリジリと炙られている気さえする。
血の涙とか出てそうだ。
『この目の前では全ての事象が真実を語る。虚偽など不可能。視るといい、それから裁けばいい、救えばいい。それは自分で決めるんだ』
「――――ぅっ!?」
「悠輝さんっ!」
最後に一回、声が響き、最大級の痛みが走る。
その後はスーッと、まるで先程の痛みが嘘の様楽になる。
思わず目を押さえていた手を外し、ゆっくりと目を開ける。
『救えばいい』、頭に響いた声はそう言った。
……言われなくてもそうするよ、余計なお世話だね。
「……悠……輝さん」
「どうしたの?」
せっかく泣き止んでいたセイラ。またもや心配を掛けてしまった。
目に涙が浮かんでる。
……もうちょっとだけでもいいから心配を掛けさせない様になりたいね。
セイラは目を大きく開いて、固まっている。
本当に血の涙でも流してるのかな?
「目が……」
「目?」
下にある氷を見る。
鏡や磨き上げられた金属なんかよりは遥かに見えにくいが、それでも分かった。
あまりにも目の色が現実離れした物だから。
「……やっぱり」
前にあの声を聞いた時は、『あの目』が発眼した。
ならば、今回もそうなるだろうと簡単に予測がつく。
氷にはセイラの髪にも負けない程鮮やかな金の目が映っていた。
「……それはあまり使わないで下さい。私が浄化しますから……お願いです」
「……それはダメだよ。セイラが危ないじゃん」
涙目で必死に頼んでくるセイラには悪いけど、これは俺に与えられたあれだ、使命? うん、そんなところ。
「私はこれでも十組織の副首領です。ご心配は掛けません、お願いですから……」
「ゴメンね。多分これは俺にしか出来ないんだよ。面倒だけどね」
涙目のセイラに苦笑いして答える。
これはあの幻想を見た俺しか出来ない事。
たんに浄化をするならセイラだって出来る。
むしろ俺よりもずっと上手く、ずっと速く。
それでも今から俺がしようとしている事はセイラには出来ない。
否、俺しか出来ない。
「……あまり無茶しないで下さい。危なくなったら逃げて下さい。死なないで下さい……お願いですから……」
「分かってるよ。俺もこんなとこで死にたくないしね」
セイラは賢い。
俺の雰囲気を的確に読み取って、止めるのは自分がいくら言っても止まらないと理解したのだろう。
それでも言うのはきっと、仲間想いで優しいからだね。ちょっと母親みたいな感じになってるけど。
あまり無茶しないで下さい。前にも言われた気がする。本当に心配掛けてばっかだ……
申し訳ないよ、どうにかしないとね。
でも今はそんな事を考えてる暇も無い。
……救おうじゃないか、あの母親を。
「……大陰、騰蛇、サポートよろしくね。今から浄化するよ」
「……悠輝、その目……」
「うむ? 主よ、そんな目の色だったかの?」
「まぁ……ちょっとね」
札を取り出す。
浄化は核を破壊する事を指す。でも、今から俺がするのは浄化というのかな?
取り敢えず浄化って言ったけど。
女性の切り裂きジャックが、あの母親がこちらを見上げた。
その目に宿っているのは何なのだろう?
「大陰は俺のサポート、騰蛇は何か出てきたら全部焼いて」
「うちに命令とはな。言うようになったなぁ」
「……大陰、主に何て事を言う」
「うっさいな、騰蛇こそボロ出すなや」
「……小生は問題無い」
「いくよ!」
女性の切り裂きジャックが跳んだ、物凄く早い。
一気に間を詰めて来て、銀色のメスを振り下ろそうとする。が、止まる。
「――!?」
「……残念だね、俺には効かないよ」
『精霊ノ御眼』これがこの金の目の名前だそうだ。
セイラが教えてくれた。
呪力を込めて見つめるだけで、全ての呪力の流れが停止する。
魔術も、幽霊も、呪力災害で現れたこの母親も、全て呪力が込められ動いていたり、呪力でできている。
それが止まれば、勿論動けなくなる。
今この女性切り裂きジャックが止まったのはそういう事だ。
「……金行を以て刃を禁ず」
陰陽道にも言霊はある。
神道の祝詞だって言霊の一種だと思うし。
神道や修験道や密教とかがごっちゃになって生まれた陰陽道にも勿論ある。
ミュウさんのそれの様な破壊力は無い。
けど、これで十分だ。
俺が唱えた瞬間、持っていたメスが砕け散った。
「――!?」
「……騰蛇、後ろにまた湧いてきたから頼むよ」
「容易い」
騰蛇にそう言って、あの母親の成れ果ての切り裂きジャックの腕を掴み、思いっきり引いて体勢を崩す。
更に体を反転、片方の手で襟首を掴み、もう片方の手で相手の腰を持ち、ぶん投げる。大腰という。
「うわぁっ!?」
しかし母親もやり手、投げられてる途中にあり得ない程の腕力で振りほどき、俺の脇腹を蹴って跳躍。
一瞬の早業、受身も取れずに吹っ飛ばされた。
やはり片腕だけ封じてもまだダメか。
「大陰!」
「任しときぃ!」
すぐに起き上がり、大陰の名前を呼ぶ。すかさず大陰が切り裂きジャックを追って跳躍、右手から竜巻が発生し、切り裂きジャックに放つ。
ここからじゃ当たったかは分からないけど、すぐに大陰が土の槍をどこからともなく発生させて放ったあたり、避けられたのだろう。
大陰が切り裂きジャックと激しい戦闘をしているうちに、騰蛇が空けた穴の中に飛び降りる。
理由は簡単、あの人骨を浄化する為。
「悠輝ぃ!」
「――ぅおっ!?」
大陰の声を聞いて振り向くと、切り裂きジャックが物凄い速さで疾走してくる。大陰を振り切ったとは恐れ入る。
跳躍、神速の回し蹴りが襲い来る。
何も間に合わない、完全に予想外だった。
「……私だっています」
蹴りが当たる瞬間、そんな声と同時にセイラが到来。火星の護符で強化された足で見事に踵落としを決める。
上からの強襲にガード不可、文字通り切り裂きジャックは地面に突き刺さった。
……なんて威力してるんだ、女の子のするべき事じゃない。
「今のうちに!」
セイラの声に押され、再び人骨に向かって走る。
近付く程形がはっきりして見える。
一部だと思っていたが、実際は本当に一部も一部。
頭蓋骨と腕の骨一本だけしかない。
……あの遺体を思い出して、少し吐き気がする。
血溜まりとかいうものじゃない、あれは血の池だった。
俺が走ってきたのが分かるのだろうか、人骨から黒い、穢れた呪力が溢れ出してくる。
それも、ただ穢れてるだけじゃない。深い哀愁を漂わせている。
目で『視る』。
その瞬間に溢れ出てくるどす黒い呪力が停止する。
まるで何かの絵の様に、それはもうピタッと、その場で止まる。
「――よしっ!」
札を放つのではなく、自分の腕に貼り付け、思いっきり殴り込む。
そしてそっと人骨の、頭蓋骨に触れた。
「悠輝さんっ!?」
悠輝の突然の行動に驚愕するセイラ。
当たり前である。普通浄化は核を破壊するだけで基本は完了だ。
悠輝の目を以て呪力を停止させれば核なんて丸腰である。そこに呪符を放てばチェックメイト、わざわざ突っ込まなくてもいい。
それくらい悠輝だって分かっている筈だ。
「邪魔です!」
悠輝が気になる。
既に今回の呪力災害では訳が分からない事が悠輝に起こっている。
何か考えがあったとしても、やっぱり心配だ。
仕方がない、好きだから。
女の子とは例え魔術師でもそうなのである。
目の前に立ちはだかる女性の切り裂きジャックは早いし中々に強い。
いくら悠輝が気になってもこいつを倒さなければ悠輝の元へは行けない。
ナイフを体の一部の様に操り、様々な角度から切りつけるが決まらない。
……仕方ない。ちょっと無理をしよう、幸い過保護な姉はいない。
「……太陽の三の護符」
右手に金でできた指輪をはめ、ソロモンの五芒星に円を重ねて描き、唱える。
瞬間、セイラの姿が消えた。
「――!」
「終わりです」
姿が見えなくともセイラの声が響き、斬撃が放たれようとした時、変化が起きた。
「キリがねぇ! ユウキ達はまだか!?」
「煩いわね、あっちはあっちで頑張ってるのよ! こっちはこっちでやるべき事をしなさい!」
アレンが迫り来る切り裂きジャックの群れを投げ矢で串刺しにしながら叫ぶ。
ミュウは空中に浮き上がり、呪歌を歌う。
「流石にキツイです」
「もう少しの辛抱也! 我慢せい!」
雛と秋夜もそろそろ限界が近付いているが、拳を、あるいは玉串を振るう。
「練習よりはまだまだマシやわ!」
唯一の一般人、大宮由佳。規格外の薙刀捌きで切り裂きジャックを沈めていく。あろうことかカイムと共同戦線まで張っている。
「小娘! 全員浮かせぇ! 騰蛇ぁ! 今すぐ焼き払うで!」
「承知した」
大陰が叫ぶ。
その瞬間に圧倒的な呪力が渦を巻き、辺りを圧迫する。
ミュウは慌てて全員に身体浮遊をかける。
全員が浮き上がり、カイムとシャックス、フォルネウスも飛ぶ。
「うちの風をなめんなや! 荒れ狂えや『青嵐』!」
大陰が天に手を翳す《かざす》。瞬間、大陰の周りに巨大な竜巻が発生し、テムズ川の上にあったいくつかの雲を吹き飛ばし、天候すら変える勢いだ。
「……気合いを入れとるな、大陰。では小生もいこうかの」
バサリ、騰蛇が羽で巨体を浮かし、仰け反る。
「……『灼撃』」
大陰が巻き起こした竜巻に、巨大な火炎が衝突する。
風は火を助けるのが世の常、一気に竜巻は巨大な炎の柱と化した。
「おぉぉぉっ!?」
「ユーキの使い魔、凄いわね」
目の前で起こる大魔術、人間が起こせるものではない。アレンは驚きのあまり変な声を上げ、ミュウは悠輝を関心する。
「……流石です」
「うむ」
「ひゃぁぁぁぁぁぁ!」
雛と秋夜は意外と冷静であるが、由佳は違う。
当たり前だ、こんな光景、世界の終わりにも見えなくもない。
一般人だったら普通は気絶する。
「……しつこいなぁ」
「まだおるか」
炎の柱でテムズ川を覆っていた氷の殆どは融解したが、再び凍りつき、水が蒸発して立ち上る水蒸気から切り裂きジャック達が現れる。
「……もう一撃、更に強力なやついっとくかの?」
「アホ、そんなんしたらこの川が川じゃなくなるやろ。んなアホな事言うんは勾陳だけで十分や」
再び凍りつく川を見て言う騰蛇に大陰が突っ込む。
この二柱にかかるとテムズ川はやろうと思えば吹っ飛ぶ。神とはそんなものなのだ。
「埃みたいに出てくるやっちゃ、もう一回同じのでいくで」
「承知」
大陰が腕を掲げ、騰蛇が仰け反った時に、こちらも変化が起きたのだった。
「……何をしたのかしらね、あの少年?」
一人見守るアミリアも、眼前に広がる光景を見てそう呟く。
テムズ川の真ん中、騰蛇が最初に穴を空けた場所から、膨大な光が溢れ出ているのだった。
――真っ暗な闇の中。
一言で言うならそんな感じ。
人骨を手で掴んだら、そんな場所に立っていた。
誰もいないし、物音一つしない。寂しくて、哀しくて、冷たい世界。
『死を想え』
あの声が、今度は頭ではなくこの世界に響く。
世界が揺れて、まるで泣いている様に。
金の目が煌めく、自分でも分かるくらいに。
すると今までは闇だった世界に一つだけ、薄暗い感じだけど周りより少し明るい場所が現れた。
何かあるかもしれない、そう思ってそこへ向かう。
『来るな』
声が世界に響く。
さっきの声よりも声自体が震え、深い哀愁が滲んでいる。
それでも進む。
歩く度に世界が揺れて声が響くがお構い無し。
ちょっとあれだが仕方ない。
「……貴女が核ですね?」
『……』
薄明かるい場所にいたのはやはり、幻想で見た母親だった。
瞳は泣き過ぎたのか真っ赤にはれ、髪はボサボサになっているが、確かにあの母親だった。
『……君は、私の過去を見たわね?』
先程まで拒絶の言葉しか言ってこなかった母親がそう言う。
幻想で聞いた声。掠れているが、穏やかで、優しい声。
「……はい」
頷く。事実だから、あの悲劇を見たから。
静かにこっちを見る母親は、何を思っているのだろう? 感情が一切読めない。
『……感想は?』
「……はい?」
『あれを見た感想は如何なものかしら?』
「……」
最初にボソッと呟いたから聞き取れず、思わず聞き返してしまった。
感想は? そんな質問をされるとは思ってもみなかった。
可哀想です、そんな言葉は言ってはいけない。
悲劇を知らない者が無責任に言う言葉だから……
可哀想や、悲しいなんて言葉は無責任だ。
彼女はそんな言葉を求めていない。
それは分かっている。
分かっているけど、それでもそれ以外に何を言えるのかも分からない。
押し黙る俺を見て、母親が悲しそうに笑った。
『……貴方はいい子ね。感想を訊かれて何て答えられる物じゃないわ。可哀想とか言ってたら今すぐ殺してたわ』
「……貴女が今している事は同じ悲劇を繰り返しているだけです」
切なく笑う彼女に向かってそう言った。
ピタリと笑い声が止まる。
瞳に冷たい光が宿り、射抜く様な目でこっちを見てくる。
『……それがどうしたというの? あの惨劇を忘れてノウノウと過ごしている人達にはちょうどいいわ』
「……貴女の家族も、貴女自身もそんな事は思っていない」
『何を言うの? 私が悲劇を起こしているのに私自身がそんな事を思っていないなんて、矛盾よ』
「貴女は彼女の負の感情の残留思念だ、彼女の『魂』じゃない」
この目の前では全ての嘘偽りが暴かれ、幻は凍りつき真実を晒す。
彼女が『彼女自身』で無いことぐらいパッと見ただけで分かる。
死に際の怨みが独り歩きしているだけだ。
この目は真実を晒し出す。だけどあの幻想はこの目が視た物ではない。
この目が発眼する前に視たんだから当たり前だけど。
あれは彼女の魂の欠片が暴走する思いを止めて欲しくて俺に見せた物……だと思う。
『詭弁よ、私が望んでいるのだから!』
「……貴女は貴女であって貴女自身じゃない」
ややこしいけどね。
自分の思いは思いであって自分自身じゃない。
彼女の周りに黒い霧の様な物が渦を巻いて集まっていく。
穢れた呪力、この呪力災害の原因。
『ここまで来たのは褒めてあげる。でも貴方は私を理解していないわ!』
「……理解は出来ません。俺は貴女が味わった絶望も悲哀も経験した事はありませんから」
真に理解出来るのは同じ苦しみを経験した人だけだ。彼女が経験した苦しみを知る人なんて、きっと全員死んでいる。
『ならば教えてあげましょう!』
「……でも手を差し伸べて、助ける事は出来ると思います。俺は、貴女の『心』を助けます」
『それは詭弁よ!』
彼女の体が渦を巻く呪力に包まれる。
まるで闇の塊、絶望とか哀しみとか憎しみとかが全部ごちゃごちゃに混ざった様な物。
……今だ。
この目で『視る』。
その動作とも言わない程単純な行動で、全てが変わる。
渦を巻く穢れた呪力が全て停止する。
呪力災害で生まれた物は呪力でできているのが普通だ。流れば止まるという事は、動きが止まるという事。
『――!? 何を!?』
「負の感情を『浄化』します」
人骨の中にある負の感情こそが真の核。
人骨は感情を溜めているだけの器にすぎない。
人骨を破壊しても浄化は出来るが、敢えて感情だけという難しい方を選んだ。
邪を制するは九字の印。
一つ一つ確実に引き、格子模様を描く。
「白帝針山」
放った札は土行の札。
大量の白い針が札から放たれ、穢れた呪力の塊に突き刺さる。
声無き声で塊が叫び、どんどんと崩れ落ちる。
すると崩れ落ちる塊の中から光が溢れ出てきた。
それは太陽の様に力強くて暖かく、月の様に優しい光。
気になって近付いてみると、光っていたのはあの頭蓋骨だった。
『……ありがとう』
ふいに頭の中に声が響く。とても優しくて、ホッとするような声。
……あの母親の声だった。
幻想の中で娘に掛けていた声の様に、穏やかで優しくて、母親の鏡の様な声。 光を失った頭蓋骨と、側に落ちていた片腕の骨をそっと持ち上げる。
闇が崩れ、周りの風景がテムズ川にできた穴に変わる。
「終わったんだ……」
無意識にそっと、そんな言葉が口をついて出てきた。
大陰が風を荒立たせ、騰蛇が炎を口から吐こうとした時に、それは起きた。
騰蛇が最初に空けた大穴から光が溢れ出し、その周辺から氷が崩れ、融けていく。
それに伴い切り裂きジャックの群れも霧散していった。
「……しまいやな」
「我が主は中々に愉快な者だ」
突然の変化に驚き、声を上げている由佳や、歓声を上げているアレン達を見て大陰が呟く。
騰蛇は悠輝がやったと悟り、面白そうに少しだけ笑う。
何はともあれ浄化は完了したのだった。
セイラが渾身の一撃を放つ前に変化が起きた。
女性の不気味な程に吊り上がっていた朱唇の端が元の位置へと戻り、体がどんどん消えていく。
「――!?」
あまりにも突然の事に、流石のセイラも動作が止まる。
女性はもう殆ど消えかかっており、体の向こうが透けて見える。
「悠輝さんが……?」
悠輝が突っ込んで行った核を見る。
その瞬間、核から光が溢れ出る。
『……ありがとう』
女性がそう呟き、消えた。
それと同時に氷の壁が崩れ、大量の水へと変化し始めた。
「――! フォルネウス!」
急いでギンザメを呼び寄せ、離脱を図ろうとするが、悠輝がいない。
核があった位置へと視線を走らせ、いるかどうかも確認しないままフォルネウスに向かうよう命じる。
「――フォルネウス!」
辺りの風景が元の場所に戻ったのはよかったけど、いきなり氷の壁が崩れて水が出てきたのは困る。
「ちょっと!?」
俺は生憎ミュウさんの様に言霊で飛べないし、エリー先輩みたいに箒に乗っても飛べない。
セイラやミラ先輩みたいに物凄いジャンプ力を発揮する術もない。
……テムズ川って、深いよね。壁の高さから考えると、結構深いよね。いや、今は崩れてるけどさ。
大陰を呼んでも間に合うかな? 騰蛇なら飛べるか、羽あるし。……熱いか。
人間って本当にヤバい時はどうでもいい事を考えるものなのか、全然打開策が出てこない。
「フォルネウス!」
セイラの声が聞こえた気がした。
幻聴かもしれないけど、溺れた人は藁をも掴む。まだ溺れてはないけど。
すがる思いで聞こえた方向を見てみた。
「――ぐほぁっ!?」
見た瞬間、巨体なギンザメの頭が見えた。
助かった、そう思ったけど早計だった。
フォルネウスは俺がいる事を気付いてないのか、思いっきり衝突。
今回の呪力災害での一番の衝撃だ。すっごく痛い。
車に轢かれた気がする。
「――悠輝さんっ!?」
フォルネウスにぶっ飛ばされて、見事に上へ飛んでいく俺を見て、やっとセイラが俺の存在に気付いた。
慌ててフォルネウスを俺の落下地点(推測)まで移動させ、フォルネウスの背中に着地、もとい、不時着。
肺の中の空気が全部出た。
「……ぉぉぉ!?」
声が出ない。
車に轢かれるのはきっとこんな感じなんだろう。
絶対に轢かれたくない。
フォルネウスの背中でもがく俺に、更なる追い討ちがやって来た。
「悠輝さんっ!」
「ぁぅっ!?」
セイラであります。
余程心配掛けたのだろう、涙目で抱きついてくる。
心配掛けたのは自覚があるから申し訳ないけど、今このタイミングでのこれは攻撃でしかない。
骨が……軋む《きしむ》!
「悠輝さん……!」
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」
痛い、物凄く痛い。激しく痛い、痛烈に痛い。
こっちも泣きそうだよ。主に痛さで。
華奢な体で中々に強力な技を持ってるね。
「……悠輝さん!?」
「……ぁぃ?」
最早変な声しか出ない。
やっと気が付いてくれたセイラは慌てて体を外し、ごめんなさいと謝ってくる。
心配掛けた自覚はあるので文句は言えない。
弱々しく大丈夫だと答える。どんなに頑張っても弱々しくしか声が出なかった。
「……浄化はしたよ」
暫くして、といっても数分だけど、やっと喋れる様になったところでそう言う。
……役割は果たせた筈だ、色々あったけど。
「見たら分かりますよ。それよりあの……怪我とかありませんか?」
ある、本当は。
ついさっき全身打撲をした。でも心配掛けない為にも強がって無いと答える。
絶対に打撲って聞いたらセイラは自分を責めるだろうしね。
「……これは?」
「あぁ……ちゃんと埋葬してあげようと思って」
セイラが見ているのはあの頭蓋骨と片腕の骨。
元呪力災害の核。
フォルネウスの体当たりからも守り抜いた一品。
「浄化をしたなら、これは破壊される筈です。一体どうやって浄化を?」
「本当の原因をこの目で固めて、破壊したんだ」
ピッと目を指差して言ったら、睨まれた。
……なんでさ?
「……その目を使ったんですか?」
「え? まぁ……一応」
途端に放つ雰囲気が変わった。
まるで南極で吹き荒れる吹雪の様に冷たい雰囲気。
南極には行ったことないからあくまでもイメージだけど。
「……なんで使ったんですか?」
「……え? あ、いや……その……」
雰囲気に呑まれ、言葉が出てこない。
蛇に睨まれた蛙、まな板の上の鯉。……ちょっと違うかな?
「……あれ程無茶しないで下さいって言ったのに!」
「いや……あの、その、えっと……ごめんなさい」
涙を浮かべて怒るセイラに縮こまる。
全面的に俺が悪い。
セイラの言い分を押し払って浄化しに言った訳だし、寿命を使うらしいこの目を使ったんだし。
遂には俺に再び抱きついて背中を叩くという行動に出た。
……全然痛くないけど。
「……なぁ、俺らはいつ話し掛けるべきなんだ?」
「黙りなさい、せっかくの雰囲気ぶち壊しよ!」
「せやせや、セイラちゃんのターンなんや、今は」
後ろからなんか声が聞こえる。ターンがなんだって?
セイラが抱きついたまま固まる。
よく分からないけど、耳まで真っ赤だ。
「ひぃやぁ!?」
「――? どうしたのセイラ?」
奇声を上げて飛び退くセイラ。顔が真っ赤だ。
後ろを振り向いて、俺も絶句する。
そこにはニヤニヤしている大宮さんと、ミュウさんに殴られているアレン。
大陰に騰蛇など、全員がいた。
……成程、これは恥ずかしい。
「ほら、アレンのせいで雰囲気ぶち壊しよ。このムードブレイカー」
「俺のせいなのか?」
ミュウさんがため息一つ、アレンに注意する。
……何の雰囲気をアレンがぶち壊したのだろう?
ガヤガヤとミュウさん達がフォルネウスの背中に乗り始め、本当に呪力災害が終わったのだと理解した。
隣ある頭蓋骨を眺める。
……これが彼女には、彼女の負の感情には眩しかったのかもしれない。
……今作品史上最多文字数なのに全てが終わらなかった……
次話のエピローグにて『切り裂きジャック編』が終了します。
こんにちは、神威です。
終わらなかった……ちくしょう、何故だ!?
激しく自分のダラダラとした分を憎みながらも、結局こうなってしまった事を受け入れるしかありません。
……今編のサブタイのネタが尽きている……
作中にてアミリアが使用したのはルーン魔術です。
ルイスや学長などと唱える呪文の体系が違いますが、魔術は宗教や派閥、血統などにより同じ魔術系統でも呪文も起きる事象も様々なので、そこら辺はよろしくお願いします。
錬金術はある程度似ていますがね。使う薬品とかが違うんですよ。
有名なやつ、例えば『賢者の石』なんかはどこでも造ろうとしますが、普通作れませんし。
また、アミリアの名前と容姿はfateのセイバーをイメージして下さい。
まるっきり容姿はパチリました。彼女、好きなんですよね。
ペンドラゴンは彼女の元でもある『アーサー王物語』のアーサー王から。
セイバーはアーサー王ですから、結局はあれなんですが。
次回でやっと終結です。
やっとコメディ重視ののほほんとした話が書ける!
ではまた次回!
感想、ご評価、その他諸々の意見などをいただけたら幸いです。