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資料  作者: 神威 遙樹
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NO,3: Copine

入学儀礼イニシエーションって何?」


 いきなりそんな事言われても解らない。素人だし。


「まぁ所謂、入試って言うのか? 日本では」

「入試!? 今からテストするの!? 冗談じゃない! 確実に不合格だね! いや、もういっそ不合格になって帰ってやる!」


 自分は無理矢理ここに来さされたんだ。いきなり魔術だの学院だのと混乱する事ばかりなのに、テストときた、帰るしかない。全てはあの変人が悪い!


「いや、あの門くぐったからには受けなきゃ駄目だぜ?」

「やだね! どうせ不合格だし、魔術なんてさっきの説明で初めて知ったのに!」

「いや、知識じゃなくて実技かも知れねぇだろ! 俺も詳しくは知らねぇけど」

「余計無理! 今知ったのに実技!? ふざけるなー!」

「ちょっ! 声でかい!」


 アレンが必死で悠輝をなだめる。今のやり取りでかなり注目を浴びいて、流石に恥ずかしい。肩を上下させ、荒い息をしている悠輝に問いかける。


「……落ち着いたか?」

「少しね……」

「絶対ユウキは昔オンミョードー習ってる。すぐに思い出すさ」

「記憶に無い」

「忘れてるだけだ。それに……」

「それに?」

「せっかくここに来て最初にできた『男』友達だ。なのにいきなり、さようならってのはなしだろ?」


 その言葉にちょっと感動、うん、持つべきものは友達だ……あれ?


「『男』? まるで『女』なら既にいるみたいだね?」

「まぁ……幼馴染がいるからな」

「やっぱり帰る!」


 やっぱり帰ろう、友達もいないし。


「えぇっ!? 何でだよ!?」

「どうせどっかのゲームみたいに、その子可愛いいんでしょ!」

「どっかのゲームって……まぁ、見た目は悪くない」

「ほら! もう俺なんてほっといて、その子と仲良くしとけばいいんだ!」


 惨めだ。大体、何でその子がいるのに絡んできた?


「ちょっと!? おい! 引き返すな!」

「放せ! 日本に俺は帰るんだ! 和食が呼んでる!」

「呼んでないから! 誤解だ!」

「何が誤解なんだよ!?」

「それはえっと……ごめん、何て言えば良いか解らなかった」

「さようなら」

「待て待て待てぇっ! ほら、そうこうしてる内に着いたぜ!」

「……!」


 確かに、いつの間にかさっきとはまた違う城の前にいた。

城といってもさっきのよりも一回りは小さい、尚且つボロい。

「諦めろ、ユウキ」

「恥かいて不合格だよ……」

「まだ決まった訳じゃねぇだろ?」

「いいや、決まってる!何も知らないからね」

「……」


 アレンは何か言いたげな顔をしたけど、宙に浮いてる人が 「静かに話を聞け!」、と叫んでいる為、指示に従っている。


「今から『入学儀礼』を始める。まず、四人組になってもらおう」


 いきなりの命令。しかも、入試なのに班分け。


「勿論、ユウキはまず俺とだろ♪」

「遠慮する……」

「何故に!?」

「アレンって名が通ってるんでしょ? そんな人と組んだら合格じゃないか!」

「何で合格したら困るんだよ!」

「そりゃ、俺、魔術師じゃないし……」

「魔術師だ!」


 結局、無理矢理組まされてしまった。

押しに弱いなぁ……俺。


「でも、後二人はどうするの?」

「あぁ……それは心配するな!」


 何故か自信たっぷりに遠くを見つめるアレン。口笛まで吹いてる、殴ろうかな?


「あっ! やっと見付けた! アレーン!」


 いきなりアレンが向いてる方とは全く逆の方向から声が聞こえてきた。

しかも……女の子の声。


「ほらな?」


 ニヤッと笑って向こうを見る。

つられて見ると、女の子が二人、走ってくる。


「まったく……どこいたの? 探したんだから!」


 到着して開口一番、アレンに文句を言った、赤みがかった茶髪の女の子が幼馴染の子だろうね。確かに見た目は悪くない、っていうよりも、かなり良い。完全に目の保養。


「わりぃな、でも、見つかったんだし良いだろ?」


 対するアレンはニヤッと笑う。

アレンは顔が整っているから、そんな顔も様になっている。


「大体、何で私達が探したのよ! 普通そっちでしょ」

「いや、まぁ色々あってな……なぁ?」


 同意を求められても困る。取り敢えず肩をすかしておく。

「へぇ、アレンが見付けた子ってアジアの人?」

「おぉ、良い奴だぜ?」


 ……疑問系にして欲しくないね。


「日本人のユウキだ!」

「えっと、北藤悠輝です。よろしく」


地味に緊張する。

綺麗な人と面と向かって話すのは慣れてないから仕方ない。

肝心の幼馴染さんは品定めするみたいに見てますよ、熱いです、視線が熱いです。


「へぇ〜、中々面白そうじゃん。あっ、私は、ミュウ・ヴィント、ミュウでいいわ!」


 そう言って軽く握手をしてくる。因みに、日本語。その後はアレンと何か話しをし始め、自分の場所がなくなった……


 ふと、視線を感じ振り返る。

そこにはミュウさんと一緒に来た女の子。

こちらも容姿はかなり良い。短髪で活発そうなミュウさんと違い、長髪でおとなしそう。

自分と同じで、完全に居場所を無くしている。


「えっと、さっきも言ったけど、北藤悠輝です。よろしく」


 間違いなくチームになる人だろう。

取り敢えず自己紹介。


「ふぅえ? あっ! えっと……セイラです……」


 予想外だったのか、物凄くびっくりしたが、一応日本語で挨拶はしてくれた。


「セイラね。オッケー、覚えた。よろしくね」


 そう言って、さっきのミュウさんの真似で右手を差し出す。


「よ、よろしくお願いします……」


 しっかり握手はしてくれた。

いつになったら魔術が出てくるんでしょうかね… 神威です。 勉強不足、実力不足、頑張ります。 取り敢えずイニシエーション始めないと…

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