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資料  作者: 神威 遙樹
27/86

NO,26: 凍てつく瞳

〜前書き用超短編集〜

 使いたかったけど使えず、結局ボツになった都市伝説及び怪談シリーズ

 第一話

『メリーさんの電話』


 イギリスの田舎にセイラという小さな女の子がいました。彼女は人形好きで、沢山の人形を持っていました。その中でも特に気に入っていた小さな女の子の人形、名前は『フィーリア』彼女はいつも寝るときにフィーリアを側に置いて、抱き締めながら寝てました。


 ある時セイラの家は親の都合でロンドンへ引っ越しをしなければなりませんでした。

勿論彼女もその為に荷物をまとめ、大事な人形達もしっかりと一つの箱に入れ、無くさない様にしました。 しかし、ロンドンの新しい家で箱を開け中を見ると人形のフィーリアだけありません。彼女は必死に探しますが、結局見つかりませんでした。

それもその筈、彼女が少し目を放した時にお母さんが少し汚れたフィーリアを見て、捨ててしまったのです。

 それを知ったセイラはとても悲しみ、謝るお母さんなんて無視して泣き続けました。セイラは最後に

「ゴメンね」と呟き、泣き疲れて寝てしまいました。

 その日の深夜、家の電話が急に鳴り出してセイラは目を覚ましました。泣き疲れてリビングで寝ていたせいで、電話の音がかなり大きく聞こえたのだ。

寝惚け眼を擦りながら電話を取る。


「もしもし?」


 こんな深夜に一体誰が電話を掛けてくるのだろう? そんな事を思いながら電話に出る。


「私、フィーリア。今パディトン通り一番地にいるの」


 そう言って一方的に切れてしまった。

受話器の向こうから聞こえてきたのは小さな女の子の声。

セイラは全身の毛が逆立つのを感じた。パディトン通りとはセイラの新しい家がある通りである。

それに、電話向こうの女の子はフィーリアと言った。一番大事にしていた人形の名前。偶然には思えない。……怒ってるんだ。

恐怖に体が震える中、そうセイラは思った。

 更に数分後、また電話が鳴り響く。


「もしもし?」

「私、フィーリア。今パディトン通り二番地にいるの」


 セイラの新しい家は四番地。

だんだん近付いている。

恐怖のあまり部屋を出て親の所へ行きたいが、足が動かない。

 更に数分後、またまた電話が鳴り響く。

セイラは電話に出たくなかったが、勝手に体が動いて電話に出てしまった。

案の定フィーリアは今は三番地と言って電話を切る。次は四番地、自分の家がある場所だ。

涙を流して

「ゴメンね」と言い続ける、自分には謝罪しか出来ないから。

 更に数分、電話が鳴り響いた。

セイラの体は彼女の意思に反して受話器を取る。

やはり、彼女は四番地にいると告げて電話を切る。

次は家の前か、中か。

 電話が鳴った。

恐る恐る、セイラ自身の意思で受話器を持ち上げた。


「……ドア、開けてくださぁい……」


 受話器の向こうから聞こえたのは、小さな女の子の寂しそうな鳴き声だった。 セイラは動く様になった体で家のドアを開ける。

ドアの前には人形のフィーリアが置かれていた。

そっとセイラが抱えると


『……寂しかったです』


 と頭の中に声が響いた気がした。


「ゴメンね」


 そう言ってセイラは抱き締める。

よく見ると、フィーリアの頬は湿っていた。




「前から思ってたんだけど、なんで寝る前にその人形抱き締めるの?」

「秘密です♪」



 ――その後、セイラは何歳になっても、結婚をしても、フィーリアを寝る前に抱き締めたという。

 ――声が聞こえた、静かで穏やかな声だった……


 一瞬視界がぼやけ、すぐに元に戻る。

だけど、さっきまでとは違う感覚。体の内側から何か不思議な物が込み上げてくる。

 気が付けば俯いてたので前を向く、『貴方達に出会えて本当に良かった』、そう言って目の前で倒れたフィーネさんが目を閉じて、やっぱり倒れている。

その向こうでは男が腕を掲げ、何かをしようとしている。セイラの叫び声も聞こえる。逃げて下さい、とかそんな意味の言葉。

 もう一度、フィーネさんを見る。いつもの無表情は目を閉じていても変わらない。でも、もうこの目は開かない。

そう思うと自分のせいだ、と激しい自己嫌悪感が心に広がる。自分がノロノロしているから、彼女は自分の盾になった、ありがとうってお礼を言われる資格なんてある筈がない。

 涙が頬をつたった気がした。

お礼を言わなければいけないのはこっちだし、謝りもしないといけない。

けど、今から言っても彼女にはもう届かない。

 男が矢を放ってきた。さっきフィーネさんを貫いた物と同じだろう。当たれば自分なんて即死、フィーネさんのいるところに逝けるだろうか?

『生きて下さい』

 そう思ったら、彼女の声が頭の中に響いた。

生きなければ、きっと彼女の無機質な声で怒られる。あの声で怒られたら本当に怒っているのか分からず、逆に怖いかもしれない。そう思うと、少しだけ気分が良くなった。

彼女が『生きて』と望むなら、言われたそばから死ぬのはダメだ。

 セイラだって守らなきゃ。確かにセイラは強いけど、やっぱり女の子なんだから、一人で戦ってほしくない。それに、男の俺が女の子のセイラに守られてばっかじゃダメだ。逆の方がいいに決まってる。

 ……前を向いて矢を見つめる、たったそれだけで矢の速度がどんどん落ちて、最後にはこっちに届く前に地面に落ちた。


「なにっ!?」


 すっと目の前にあったフィーネさんの歯車を拾い、立ち上がる。さっき吹っ飛ばされたのに、何故か体が軽い。これなら充分動ける。

 懐から札と、一枚の紙を取り出す。

取り出した紙に呪力を込めて、宙に放る。

瞬間、紙が光を放ち一つの人影が現れる。


「……なんや、意外とはよぉ喚ばれたな。どした悠輝? なんか大変な事……が起きとぉな、めっちゃ起きとぉな」


 光の中から現れたのは着物に身を包んだ少女、大陰である。彼女は最初こそ軽い感じだったが、すぐに周りを見て事の重大さを理解し、軽い感じが無くなった。


「相手は『禁忌』か。えらいもんと出会ってもうたな、悠輝」

「そうだね……」


 確かにえらいもんだけど、彼女には嫌がおうにも協力してもらう。式神なんだから。


「……悠輝、そこで倒れとんのは……」

「……俺のせいでね」

「……そうか、じゃあしっかり仇討たなな」


 そう言ってそれ以上は追及をしなかった。多分察してくれたのだろう。

 大陰が右手を地面と水平に上げ、こっちを見て止まった。


「……悠輝、その目どうしたんや?」

「え?」


 目がなんだって?

何か変なのかな?

まさか、片方潰れてたり……


黄金こがね色になっとぉぞ」

「えぇっ!?」


 自分は黒目だった筈が、いつの間にか金色になっているらしい。そういえばさっき不思議な声が聞こえたし、見つめただけで矢が落ちた。


「魔眼の類いやろな、見た事なかったけど」

「魔眼!?」


 魔眼ってあの、よく漫画とかで出てくる目でしょうか?


「でも何も起こらないよ?」


 別に360°見えるわけでも、チャクラが見えるわけでもない。


「んな事言われてもうちかて分からんわ。使い方ゆうか、なんか分からへんのか?」

「そう言われても……」


 さっき矢を落としたのは多分この目のお陰だろう。だけど、俺何したっけ?

 魔眼の使い方なんてものをのんびりと考えている暇などない、男は一気にこちらまで間合いを詰めて大木と化した腕で襲い来る。


「まぁすぐになんとなく分かるよぉになるやろ」


 物凄い速さでこっち来る男を見ながら大陰がそう決めつける。

 先程から水平に上げていた腕を男に向ける。

たったそれだけで床から大量の針が出てきて男を迎え撃つ。


「うちは惑星では土星を司んねん、憶えときぃ!」


 床から突き出した大量の針が男に向かって一斉に飛び、一瞬で男を突き刺す。なんか、小さい針山みたいになったよ。


「一丁上がりやな」


 手前約五メートルにできた針山を見て満足そうに頷く大陰。

でも、多分生きてると思う。この針よりも激しかったセイラの攻撃にも耐え抜いたんだから。


「気は抜かないで、大陰。多分生きてるよ」

「……やろうな、面倒やわぁ」


 瞬間、男に突き刺さっていた針が吹っ飛び、大量の木の枝や葉で覆われた男が現れた。


「なんとも珍しい使いアガシオンだなボーイ?」


 出てきた男の顔は、ムカつくぐらい余裕そうで。

よく見ると、さっき切り落とした片腕がある。

新しく生えたのか? 本当に植物みたいだよ。


「使い魔ちゃうわ! うちは大陰、式神で十二天将の一柱や!」


 使い魔である事を否定して、誇らしげに胸を張り言う大陰。

正直式神と使い魔の違いが分からないけど……違うのかな?


「なんでもいいでしょ……」

「よくないわ! 結構重要なとこなんや!」


 十二天将である事を誇りにでも思ってるのかな?

今は置いといて欲しいけど、そんな事。

 式神だの十二天将だのとギャーギャー騒ぐ大陰に向けて、男が巨大な木と化した腕を振り下ろす。

間はまだ少しあったが、一瞬で詰めたらしい。


「……全く騒がしい使い魔だな」


 物凄い音がして、古城全体が揺れた。

それ程までの高威力なんだろう。


「――!? 大陰!」


 全然自分は反応出来なかった。急いで大陰を呼ぶが、勿論反応なんて無い。

 しかし男は大陰に振り下ろした大木を今度は横薙ぎにしてこちらを襲う。

避けられるような速さでは無い。

 先程の矢の事を思いだし、じっと見つめるがへんか無し。こっちに迫ってくる。


「なんでっ!?」


 目を閉じて体の前に腕を交差させ、後ろに跳ぶ。少しでも威力を減らす為に。

 が、一向に吹っ飛ばされた気がしない。

恐る恐る目を開けると、巨大な土の壁が現れて防いでいる。


「何ボーッとしとってん!? 結界の一つでも張りゃあうちが防御に回らんで、悠輝が防いでる間に攻撃出来たっちゅうのに……」


 大陰がいつの間にか隣にいて、愚痴る。

さっきの攻撃は避けたのかな?


「なんやその目は? あんなヘボい攻撃でうちがくたばるかと思ったんか? あんなもん威力以前に当たらんわ!」


 ドドンッ、とそんな事を言って鼻を鳴らす。

流石は十二天将、無駄に誇っている訳ではない。

……大陰も見た目は少女だから、女の子に守られてると思うといい気はしないけど。


「んで、なんでボーッとしとってん? 反応があり得へんくらい遅かったで」

「さっき矢を見つめただけで落とせたから、今度も出来るかな〜って……」


 嘘は言って無い、だからそんなアホを見る様な目で見ないでほしい。


「……そんな不確定要素盛りだくさんな事考えとったんか?」

「はい……」


 不確定要素って……

確かにそうだけど、せっかくの魔眼、使わないと損でしょう?


「目に呪力込めて見てみぃ、多分それでいけるわ」

「ほんとに!?」


 意外なアドバイス。

やっぱり大陰はいい人、もとい、いい十二天将だ。

 目に呪力をもっていくのは手に集めて大陰を喚び出すのとは変わらない、それこそ慣れれば呼吸と同じ様にそこまで意識しなくてもいい。便利だね。

 目に呪力を集める様に集中しながら、男を見る。

たったそれだけ。それなのに、男は慌てて跳び退いた。


「おぉ! 何があったか分からないけど効いてるよ!」

「そりゃ結構なこった、んじゃあ本格的に行こか!」


 大陰がそう言い残して一気に駆け出す。

着物の袖が後ろへなびき、見た目だけなら祭ではしゃぐ小さな女の子みたいで微笑ましいんだけど……実際はね。




 ――男に向かって駆け出し大陰をセイラはフラウロスに寄り掛かりながら見つめる。先程吹っ飛ばされたダメージが意外と大きく、まだ動けないでいる。


「どうしてあの男の人は見つめられただけで跳び退いたのでしょう?」

「おそらくあの目のせいでしょうな」


 セイラの疑問に答えたのはカイム。彼は理解を司り、喚起した者に理解力を与え、自分もまた理解力に優れる。


「あの目……魔眼、ですよね」


 セイラがそっと呟く。

魔眼を持つ魔術師など遥か昔にいなくなったと聞いていたし、事実、見た事もいると聞いた事も無い。

それこそ神話の様な話。

神代の時代の物だと思っていた。


「金の瞳……あれはもしかして……」

「マスターが考えた通り、『精霊ノ御眼スピリットビジョン』でしょうな」


 精霊ノ御眼、それは神代の時代の魔術師が持っていた魔眼の一つ。

呪力を込めて物を見つめるだけで、そこにある呪力の流れを停止させる目。

人を見ればその体に流れる精気アトスの流れを見た部分のみ停止させ、魔術ならその術に込められた呪力を停止させる。先程矢が落ちたのはその為だ。

更にあの目は自然の中にある呪力、魔気マギをも止める。その気になれば地下に流れる霊脈の流れさえも止めるのだ。

 故に魔術師にとってはまさに天敵、自分の秘術が全て無効化にされてしまうから。


「まさかこの時代にあの目を持つ者がいたとは……マスターはご存じで?」

「いいえ……初めて見ました。普段の悠輝さんの目は黒目です。魔眼の所持者は常に魔眼が発眼した状態なのでしょう?」

「……確かにそうですが、では何故今になって出てくるのです?」


 セイラとてそんな事は分からない。思い当たるのは、悠輝が記憶を封印されていた事、絶対に何かがある筈だ。

では記憶を戻した時に何故発眼しなかったのか? また別の封印でも施されていたのか。

フィーネが倒れた事によるショックで封印が外れたのか? 謎である。


「今はそれよりも、悠輝さんのサポートをしなくてはいけないです……」


 寄り掛かっていたフラウロスから立ち上がろうとすると、カイムが手でそれを制する。


「あの目がある場合、我らが言っても足手まといになるだけです。彼にも使い魔がついてますし」

「でも……!」

「マスター、無理は止めて下さい。貴女は先程の攻撃で肋骨が一本か二本は折れているでしょう?」

「それは全然大丈夫です。肋骨なんて折れてません」

「……マスター、彼はあの目が発眼してまだ数分です。仮にあの目で見られたら我らは使い物になりなくなります。マスターがあの目で見られたらそれこそ重症になってしまいます、彼を傷付けたくなければ今は我慢を」

「……分かりました」


 しぶしぶといった感じでセイラが引き下がる。

カイムはそれに満足したのか制していた手を下ろし、更に続ける。


「魔眼の所持者の特徴は三つ、一つ目は絶対的な力である血をも覆す能力を持っていること。二つ目は魔眼のせいで精気の流れが異常に早くなり、なんの術も無しで身体能力が非常高いこと。三つ目……その強力過ぎる能力故に体が長くはもたないこと、即ち短命」

「……知っています」

「……マスター、貴女はそれでも彼と……」

「カイム……少し黙っていて」

「……御意に」


 カイムは今までセイラに向けていた目線を外し、戦っている悠輝を見る。

後ろから自分の無力さに涙するセイラを守る様に一歩、前に出た。

今の彼女はとても戦えない、何がなんでもこちらへの攻撃を防ぐつもりで。







 ――セイラとカイムの会話など聞こえている筈もなく、悠輝は魔眼と自分の術をフルに活用して男と戦っている。


「大陰! 右を崩すから一撃頼むよ!」

「任しときぃ!」


 何故か体が軽く、今までよりもずっと早く走れるし、高く跳べる。不思議だ。大量の枝や、放たれる矢を魔眼で止める。更に陰陽道の術を相手の右腕に向かって放つ。


「黒天水行!」


 放たれた札が大瀑布を放ち、相手の右腕どころか体の半分を呑み込んだ。

ちょっと狙ってたのとは違うけど、まぁいいや。

 圧倒的な水の勢いで右腕は引きちぎられ、体は容易に体勢を崩す。

そこに大陰が現れて、巨大な土の槍を突き刺す。

一本ではなく、何本も。

見てるだけで痛い。


「ぐぉっ……!」


 低い唸り声を上げて吹っ飛ばされた男は、さっきまでと違って顔に余裕は無い。自分の術を無効化にされ、体さえもまるで凍らされた様になる。

それでも未完ながらも『禁忌』を犯した者。呪力さえあればすぐに元に戻る。

流れを止められても、全てを一気に止めれはしない。それだけが唯一の救い。


「くそがぁ! なめるなよ!」


 体から、部屋の床から、大量の樹木や蔦を出して襲ってくるが、こっちに向かってきた物は全て止める。 軽く舌打ちをして、向かってきた大陰の相手をする男を見て自分も男の方へ行こうとしたら、急に足の力が抜けて倒れた。

何故か全く力が入らない。……これはヤバい。


「なんで……っ!?」


 限界なのか、だったらタイミングが悪すぎる。

もうちょっと空気を読め俺の体。

 男がそんな自分に気付いて矢を放ってくる。それはなんとか魔眼の力で落とすが、今度は目に激痛が走った。

目に手をやって必死に痛みに堪える。

マジで限界か……?


「悠輝!」


 なんとか痛みが引いて、大陰の声に反応して顔を上げれば矢がこっちに向かって飛んできている。


「うわっ!?」


 咄嗟に横へ身を投げて回避するが、さっきより明らかに体が重い。

絶対に限界がきている、どうしよう?

 大陰が今は食い止めているが、またすぐに矢が飛んでくるだろう。

何度も回避できる力はもう無い。

 それでも札を出そうと懐に手を入れると、何か硬い物が手に当たった。

なんだろうと見ると、フィーネさんの歯車。自分を庇って倒れた人の体の一部。そっと後ろを見ると、少し離れたところに彼女は倒れている。

自分のせいでああなってしまったのだ。なのに、最後にお礼なんて言ってきて……

不思議と力がまた出てきた。さっきみたいに体は軽くないし、あんまり早く走れないと思うけど、それでも何かの力が湧いてきた。


「悠輝!」


 また大陰の声が聞こえた。見ると、さっきと同じく矢が飛んできている。

 避けるのではなく、駆け出す。目の激痛を堪え、矢を落とし、札を手に持ち、男に向かって走る。


「あぁぁぁぁぁ!」


 叫びながら空中に五芒星を描き、札を放つ。


「破邪煉火!」


 札から出てきた業火が、一気に男を包み込んだ。

作者 「前書きのあれはネタであり、本編には一切関係ありません。皆さんこんにちは、神威です!」

フィ 「皆さんこんにちは、フィーネです。なんで今更後書きの仕方を変えるのですか」

作 「前書きが超短編のときのみこうなります」

フィ 「ややこしい」

作 「一言で片付けるのか……」

フィ 「大体、なんで私がここに呼ばれるのです」

作 「え? ……いや、だってお前……」

フィ 「本編では死んだ、とでも言いたいのですか」作 「……はい」

フィ 「……」

作 「き、気を取り直して! この『禁忌』編までのオープニング(イメージ)はEXILEの『The next door』で勝手にいきたいと思います」

フィ 「本当に勝手ですね。でもなんでこれなんですか。一体いつ最初のドア開けました、まだネクストドアではなくファーストドアでしょう」

作 「この裏舞台を知ったのがファーストドアって事でいこう。完全に私の趣味だが気にするな」

フィ 「……合ってない気がします」

作 「言っただろ? 私の趣味だ。ちなみにエンディング(あくまでもイメージ)はボーカロイド、初音ミクの『サイハテ』」

フィ 「……やっぱり合ってない気がします」

作 「……気にするな」

フィ 「一体いつ誰が『たおやかな恋』をしたのです。なんでこの作品のエンディングに恋の歌なんです。オープニングとの差はなんです」

作 「言っただろ、私の気分でこれは決定する。『たおやかな恋』は、まぁセイラだろう? オープニングがあんな感じだからあえて穏やかな曲にしたんだよ。ちなみにこの歌、恋の歌ではなく最近は、なんとかレクイエムって呼ばれているらしい」

フィ 「鎮魂歌レクイエム……それは私に対する何かの当て付けですか」

作 「断じて違う、偶然だ!」

フィ 「古典の補習に引っ掛かった事に対する八つ当たりですか。周りが『夏休みだ彼女と遊ぶぜ!』とか言ってるのに自分にはそういう存在がいないのでその事での八つ当たりですか」

作 「……嫌な事ばかりカミングアウトしてくれるな、お前」

フィ 「どうせバレンタインもゼロなんでしょう」

作 「……この時期にする話題か? ちなみに義理だが毎年三つは貰う」

フィ 「あ、そうですか」

作 「清々しい程あっさり流すな……」

フィ 「ではまた次回」

作 「うそぉっ!? 勝手に終わらせやがった!?」

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