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資料  作者: 神威 遙樹
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NO,17: Wriggle shadow

長編への序章、所謂プロローグです。短いです。

 深夜、満月の光しかない暗い森の開けた場所。ここだけ木が全く生えていない。

 そこに黒い影が森の中からが現れ、次いでいくつもの影が現れた。


「フルカス!」


 黒い影の後から出てきた影の一つ、豪奢な金の髪を揺らし、つり目気味の碧眼の少女。高らかに叫ぶと、途端に馬に乗った騎士が現れ、黒い影に襲い掛かる。


「――!?」


 咄嗟に後ろに跳び、攻撃を避ける影。月明かりが影を照らし、その姿を露にする。

 月明かりで浮かび上がった物は、体からいくつもの木の枝の様なものが突き出た男。


「……何者かは知りませんが、私達の儀式の邪魔とはどの様な用件で?」


 先程の騎士を後ろに従えて、金髪の少女が男に訊く。


「……」

「無視ですか? 仕方ありませんね、拘束して連盟につき出しましょう。未完とはいえあなたは『禁忌』を犯しています」


 静かに男に言い放ち、高らかに、誇り高く少女は叫んだ。


「喰らいなさい! フルカス! マルバス! フォルネウス! ポーディス!」


 瞬間、後ろにいた騎士を乗せた馬が高く跳び、続き、どこからともなく金の獅子、銀ザメ、大蛇が現れ男に向かう。


「……」


 男はその光景を見ても顔色一つ変えず、静かに腕をふった。

 するとどうだろうか、その腕からいくつもの枝が生えて襲い掛かる騎士達を逆に吹き飛ばす。


「マリア!」

「御意に!」


 しかし少女は焦らずに名前を呼ぶ。

 すると男の真後ろからメイド服を着た女性が現れ、口から呪文を紡ぎ出す。


「顕れなさい、エリゴール!」


 突如風が巻き、蛇と槍を持った騎士が現れた。

 その騎士が手に持った槍を男に突き出すが、その槍も木々に塞がれる。

 更に木々は女性に殺到する。が、女性は信じられないくらい高く跳ぶ。


「フォルネウス!」


 金髪の少女が叫ぶと、銀ザメが女性に下に移動し、その背中に乗せる。

 更に金髪の少女も高く跳び、同じく背中に乗る。


「……『レメティア』首領、レイラ・ソロモーネ、その懐刀、マリア・メイザース」

「あら、私達の名前は知っているのね。なら何故儀式の妨害を? 自殺でもする気かしら?」


 男が少女と女性の名前を呟く。

その声は、どこか普通の人間のそれとは違う声質。


「……噂通りの気高い姫様だな」

「あら、お褒めに頂き光栄ね」


 男の皮肉を一笑、少女、レイラは全く動じない。


「それよりも、いいのかしら? そんな所でのんびりしていて」

「――!?」


 男が足下を見ると、いつの間にか巨大な魔方陣が描かれている。

よく周りを見ると、スーツを着た人が複数森の中に潜んでいた。


「殺しはしないわ、連盟に連れていく。そこで裁かれなさいな」

「……」

「あら? 『禁忌』を犯した事を悔いているの? それとも私達に喧嘩を売った事かしら?」

「……ククッ」

「何が可笑しくて?」

「甘いな、姫よ。ではまた会おう」

「――!? 待ちなさい! 貴方は何故私達の儀式を妨害したの!? 狙いは……! っ、逃げられた……」


 レイラが叫ぶが男は不気味に笑い、まるで氷が水になる様に溶けて消えた。


「マスター、霊脈に溶けて逃げたかと」

「分かっているわ、セフィロス!」

「はっ!」


 レイラが名前を呼ぶと、スーツを着た男が一人前に出る。


「この霊脈を辿った場所、次はどこに奴が現れるか予想できる?」

「しばしお待ちを」


 セフィロスは懐から地図を取り出し、地図に書かれた赤い線を辿る。


「!?」

「どうかした?」

「……ロンドン郊外、おそらくは、学院の森かと」

「……マリア、至急連盟に連絡を。セフィロス、儀式の妨害により傷付いた徒弟の治療を無事な者と共に行いなさい」

「はっ!」

「マスターはいかがされます?」

「私は、学院に赴き事実、奴が現れるかどうか見てきます」

「了解しました」

「詳しい事はまた後で連絡するわ、全員、今すぐ指示した通りに動きなさい」


『はっ!』


 各々が指示を受けた通りに動き出す。

一人、レイラは月を見上げて呟いた。


「……セイラ」

こんにちは、いや、こんばんは、神威です。    今回はプロローグ的なもの、長編は次から本格的に始まります。いや、やっと物語が動きます。何話目で動き始めるんだ、って突っ込まれそうですが、ごめんなさい。          『禁忌』、この言葉はこれから重要になりますよ!アンダーライン引いて下さいね! ……はい、ごめんなさい。         ではまた次回!!    次からはきっと一話が長いです。

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