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資料  作者: 神威 遙樹
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NO,15: Hallo olders

 フィーリアが悠輝達の友達になった日の翌日。

今日は週一回の休みである。

 昨日は大変だった、フィーリアの事を誰に言うかという問題は、ケルトの教授で女子に人気なジュエリー教授とフィーネさんという事で落ち着いた。

が、フィーネさんはフィーリアを見ての第一声が 「敵ですか?」である。

大陰の時のようにいきなり殴りかからなかったが、何かありそうで結構怖かった。

 ジュエリー教授は意外と可愛い物好きだという事が発覚。

秘密を守る事と色々とアドバイスをくれる事は約束してくれたが、自分の部屋にフィーリアを持ち帰ろうとしたのは驚いた。

あの時の顔は、普段と全然違っていた……


「……眠いね」


 現在、朝の10時すぎ。

悠輝は昨日フィーネさんとジュエリー教授のせいで色々と面倒事に巻き込まれ、見事に寝不足。

さっきフィーネさんが淹れてくれた珈琲を飲んだが、まだまだ覚めない。

 部屋の奥、キッチンと思われる所でフィーネさんが何かの料理を作っている。何の為にあるのか謎だったが、休日は大広間での食事は無いらしい。

非常にややこしいが仕方ない。


「何してるんだろ?」

「昼飯だろ?」


 疑問に思ったので口に出すと、アレンから答えが帰ってくる。

ちなみにアレンも寝不足、理由は一緒。

この班は男よりも女の子の方が権力が高い。不憫である。

その女の子の二人は、今はフィーネさんの隣で調理を見ている。フィーリアも一緒、一番楽しそう。


『トントントン……ガァン! バァン! ドカァン!』


「「……」」


 最初は穏やかにノックをした訪問者さん。

しかし、すぐに物凄い音でドアを叩く、否殴る。


「ちょっと〜ミラ先輩だよ〜開けて〜」


 正体はミラ先輩のようだ。っていうかあんな音したのに、ドアは開かなかったのか……


「ユウキ、ミラ先輩が来た。俺が出るからフィーリア隠して」

「了解だね」


 アレンが扉に向かい、俺はフィーリアを隠す為、キッチンへ行く。


「フィーリア、ちょっと隠れてくれないかな? 人が来てね」

「ほぇ……?」


 セイラの頭の上が定位置となっているフィーリア。そうそう動きはしないだろうが、今回ばかりは隠れてもらう。


「誰が来たのよ?」

「……ミラ先輩」


 ミュウさんの質問に答える。

途端に渋い顔をするミュウさんとセイラ。フィーネさんは無表情だが、どことなく雰囲気が変わったか?


「えっと……その方はどんな方なんでしょう?」


 不穏な空気が漂う中、一人ピンとこないフィーリアが訊く。


「貴女の天敵になるであろう人よ」

「少し騒がしい人かな?」

「厄介な方」


 セイラは少しフォローしているが、残り二人は手厳しい。

凄い言われようだね、ミラ先輩、天敵ってねぇ……


「それは大変ですね、私、食べられちゃうのですか?」

「ちょっと違う気がするね」


 天敵といっても、鳥と虫みたいな関係ではない。

森の中でいう天敵とは、捕食者と獲物の関係。妖精なのに、何気にリアルな生態系の事言うね。


「取り敢えず、セイラのローブのポケットにでも入った方がいいわ」


 掌サイズのフィーリアは、比較的あっさりとポケットに入る。

スッとポケットに入り、ヒョコッと顔だけ覗かせる。なんか、可愛い。


「ミラ先輩がそっちへ行ったぞ!」

「フィーネ〜ミラ先輩だよ〜♪ 」

「……刃物を使っているので危険です。お止め下さい」


 物凄い音をたてて走って来るミラ先輩に、無機質な声で言うフィーネさん。

 構わず飛んでくるミラ先輩を、仕方無く抱き止め、体を回す。飛んで来たその力を流し、逆方向へ向ける。


「はにゃ〜!?」


 結果、広間の絨毯にダイビング。非常に痛そう。


「痛いよ〜フィーネ〜」


 ……以外と効いていないみたいだ。ミラ先輩は元気だった。


「何しに来たのです」

「むぅ〜無視ですか〜?」

「要件は何かしら? ミラ先輩?」

「ミュウちゃんまでも〜酷い〜」

「大丈夫ですか?」

「うぅ〜ありがとう〜……って、え?」

「「「「……」」」」

「あれ? どうしてこんな空気に……あ」


 やってしまった。

わざと痛がるミラ先輩が心配になったのか、フィーリアが出てきてしまった。

 元々丸くて大きい目を、更に丸く、大きくするミラ先輩。


「なに〜この子〜可愛い〜!」

「はわぁ!?」


 ガシッとフィーリアを掴み、頬擦りするミラ先輩。掴むといっても優しく包み込んでいるあたり、気はきいている。


「仕方無いね、話そうか?」

「そうですね」

「まったく……」









 ――それからアレンを加え、フィーリアの事を話し、秘密にする様に約束した。

その時に 「大丈夫〜あたしは約束守るよ〜!」って言っていたが、心配だ。


「で、何しに来たんです?」

「あぁ〜それね〜、今から1〜3年の最優秀班の人が集まって挨拶するの〜だから呼びに来たんだよ〜」


 さらっと言ったが、先輩が来て結構時間は経っている。大丈夫なのかな?


「いつからですか?」

「うんとね〜……あ! ヤバい、遅刻だよ〜!」


 そう言って立ち上がり、あたふたするミラ先輩。


「みんな急いで〜!」

「場所はどこなのかしら?」

「修練場だよ〜」


 何故に修練場?

決闘でもするの? 挨拶と言う名の決闘なの?


「何をするんですか?」

「最優秀班はね〜その学年の代表なの〜、だから〜何か学院に問題が起きたら最優秀班が学年を纏めるの〜。それで〜その時は各学年協力が必要でしょ〜だから、挨拶がいるの〜」

「成程……」


 いざという時の為か……でもなんで修練場?


「後は〜あたし達の実力を見せるの〜! あ、でもみんなは闘わなくていいからね〜」


 ……怖いよ。

そこでテンションが上がったミラ先輩が怖いよ。

っていうかミラ先輩も最優秀班だったんだね。

流石は学院最強の人がいる班。

 説明を受けて、修練場へ皆走る。


「はぁ……はぁ……やっと着いた」


 修練場にやっと着いた。すでに他の人達は全員いるっぽい。


「遅かったな、ミラ。またフィーネさんに抱き付いてたのか?」


 真っ先に話さかけてくれたのは、テセウス先輩。

この人もだったのか。


「ご名答〜! 抱き付いてたよ〜」

「まったく……」


 ため息をする先輩。心中お察しします。


「はぁ……もういい。全員自己紹介といこう。俺とミラはもう良いよな?」


 そう言って、後ろにいた人達を促す。


「僕はシン・ケーラー、三年。よろしく!」


 最初に自己紹介したのはシン先輩という左耳にピアスをした金髪翠眼の人。笑顔が眩しい。ピアスしてるのに一人称は僕。


「あたしはディアナ・シエロ、同じく三年。相談とかはのるから、仲良くしてね?」


 前髪が左目を隠す程長い先輩、真っ赤な髪と眼が情熱的で、何故か姉御って感じがする。


「私はアーニャ・ニーゲ。二年よ」


 眼鏡を掛けた知的な女性。テストの点が高そうな気がする。


「あたしはラル、ラル・レミリア。二年です」


 どこかおどおどした感じの先輩。でも強いかな?


「ボクはルナ・ケーラー、三年のシンは兄さんなの」


 兄妹揃って最優秀班とは恐れ入る。金髪のシン先輩とは違い、青みがっかた髪をしている。っていうか、何故に一人称がボク?


「俺はぁルイス・ライオンハート。よろしく頼むぜ?」


 あれは、カウボーイハットというやつなのかな?

取り敢えずそんな感じの帽子を被った先輩。

二年で唯一の男の人。

……なんでそんな班になったの?


「あぁ、お前等自己紹介はいいぜ。名前は既に聞いてるからな」


 ルイス先輩がそう言って笑う。見た目は厳ついがいい人だと思う。


「自己紹介も終わったし、俺達の実力を見せるとしようか」


 テセウス先輩がそう言って、周りを見渡す。


「さて、誰が行く?」

「「「ルイス!!」」」

「なんで俺なんだ!?」



 二年の人達は素早く決める。なんか、ルイス先輩が可哀想。


「こちらはどうする?」

「テセウス、任した!」

「テッちゃんでしょ」

「でしょ〜」

「……分かっていた、分かっていたが、残念だ」


 なんか、こっちも似たような決め方。

この二人はきっと仲が良いだろうね。


「んじゃ〜始めよ〜!」


 ミラ先輩が元気よく宣言、二人は仕方無く修練場の中心に歩いていく。

その背中の雰囲気は、少し似ていた。

 なんだかんだ言いつつも、ここに、『決戦フェーデ』が開始された。

 どうもこんにちは、神威です。          何故か次話に続きます、予想外に長くなったんです。まったく不思議……   さて、なんとなく余談です。私の部活ではポケモンが非常に人気です。ハートゴールドとソウルシルバー、どっち買えば良いと思いますか? 両方にすべきなのかな?        迷える子羊、神威にアドバイスをお願いします。   ではまた次回!!

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