みちるとサイサリス
学校に着いた俺とさっちゃん。教室の前で別れる。
「じゃあ、さっちゃん。またお昼に。」
「うん…。お昼にみっちに会えるのを楽しみに、4限まで頑張るよ!」
さっちゃんは、元気に隣の教室へと入って行った…。
教室に入り、席に着く。
「みっち…。」
洸が俺の席にやって来た。なんか、深刻そうな顔をしている…。洸は、俺とさっちゃんに変な気を遣って、朝は俺とさっちゃんより遅れて家を出ている…。
「洸、どうした…?」
「俺…二人がどんな関係になっても。…二人は、俺にとって大事な友達だから!」
「はあ…?」
「俺、二人のこと応援してるから…。」
「洸…。もしかして、俺とさっちゃんのこと?…あのさ、俺とさっちゃんは、ただの友達だから。」
「ただの友達が、あんなキスする!?」
ああー。見られてたのか…!
「洸、声が大きいよ!」
「…ごめん。今朝のあれは…俺には、衝撃が大きすぎて…。俺、二人のことが…なんだか、遠くに感じられて…。さみしくて…!!」
洸が泣きそうだ…!!
「洸だって、俺とさっちゃんの大事な友達だよ!」
「でも、俺…。二人みたいに…あんなことできないよ!」
「しなくていいよ!!…それに、あれは…さっちゃんが勝手にやったことだし。洸も変な気を遣うなよ…朝も、明日から3人一緒に行こうぜ。」
「みっち…!」
洸が俺に抱き着いてきた…!!
「うわああー!?洸、離れろよっ!!」
そうだよ。俺とさっちゃんは、ただの友達なんだよ…!!
そして、昼休み。外は寒いから、教室の机でお昼を食べる俺たち。
「洸、今日の玉子焼きも神がかってるね!今日は、たらこ入りだね。」
「ほぼ毎日、食べても飽きないもんな!」
「二人とも、ありがとう!!」
平和だ…。これが俺たちのあるべき姿だよ…!!
「さっちゃん、あのさ…。」
「何、みっち?」
「今度、キスしたら…絶交するから!」
「ええええー!?」
椅子から立ち上がる、さっちゃん…!!
「俺とさっちゃんは、ただの友達だから!…ただの友達は、キスなんてしないだろ?」
「…僕は、みっちと恋人になりたいんだよ!」
「俺は、さっちゃんとずっと友達でいたい。」
「みっちは、僕の王子様だよ…!」
「ごめん…。さっちゃん、俺は…さっちゃんの王子様じゃないんだ。」
「ううん。みっちは、僕の王子様だよ!今は、忘れてるだけで…だから、毎日キスしてれば、きっといつか思い出せるよ!」
「さっちゃん。俺、幼稚園児の時、他県に住んでたんだ…。この町に越してきたのは、小学2年の時なんだよ…。」
「嘘だよね…みっち?」
「嘘ついてどうするんだよ…。」
「…みっちは、本当に僕の王子様じゃないの?」
「ああ。さっちゃん、ずっと黙っててごめん…!!」
俺も椅子から立ちあがり、さっちゃんに頭を下げる…。
「…そうだったんだ。みっち、顔をあげて…僕の方こそごめんね…。勝手に勘違いして…。」
「さっちゃんは、悪くないよ!!俺が、もっと早く言わないのが悪いんだよ…。」
「…どうして、もっと早く言わなかったの?」
「俺にも、分かんないや…。多分、本当のことを言ってさっちゃんを傷つけたくなかったのかな…。」
「ねえ、顔を上げて…。みっちは、僕のこと好き?」
俺が、ゆっくりと顔を上げてさっちゃんの方を向くと…あの綺麗な瞳が俺の瞳をまっすぐに見つめる。
「好きだよ。友達としてだけど…。」
「…それは、嘘だよ。」
さっちゃんが、おもむろにメガネを外した…。さっちゃんの瞳と俺の瞳がぶつかる…!!
もう、あの瞳を見ても大丈夫になったはずなのに…どうして…俺は、こんなに…ドキドキしてるんだ!?
「さっちゃん…!メガネしないと…!!」
教室いるみんなが、さっちゃんに目線が釘づけになる…!!みんな、目がハートマークになってるよ…さっちゃんに心を奪取されちゃったよ(洸以外)…!!
さっちゃんが、俺に近づく…!そして、右手の…さっちゃんの白くて、細長い綺麗な指が俺の顎を掴み…!?
「ちょっと、さっちゃん…!!」
俺の唇が…さっちゃんの唇で塞がれる…!!
ちょっと、ヤダー!…みんな見てるし!!…さっちゃんを突き放したいけど、もう片方の腕で身体を抱きしめられて…!!さっちゃん、力強すぎィー!!
アーッ!!また…さっちゃんの舌が…舌があぁ…!!
…てか、長い!!…もう、苦しい!!
ようやく、さっちゃんの唇が離れる…。さっちゃんの身体を突き放す俺。ああー苦しかった…。呼吸を整え周りを見回すと…。うわあ…クラスのみんなが呆然として俺たちを見てる…。俺は、さっちゃんの胸倉に掴みかかる!!
「おい!…サイサリス!!…てめぇ、よくも…こんな所で!!」
「…僕は、みちるが好きだよ。」
え?…今、みちるって言った?まあ、俺も呼び捨てで、呼んだけど…。
「だから…俺は、お前の王子様じゃないって言っただろ…!!」
「みちるが僕の王子様じゃないなら…僕が、みちるの王子様になるよ!」
「…はあ!?」
「だから…みちる、僕と付き合ってください!!」
俺は、サイサリスの胸倉から手を離す…。
「…もう、俺に話しかけんな。」
「みちる…。」
「お前とは、もう絶交だ…!!」




