第一章 級長・・・・
次の日
「・・・よーしみんな今日は二日目ということでクラスでの役割を決めてもらおう」
HRで突然宮下が言い始めた
「ついにこの時が来たな恭介?」
涼介が言った
「あ?何の話だ?」
「馬鹿野郎!このクラスの級長になることこそ生徒会入りの第一歩ではないか!」
涼介が熱く語る
「じゃあ勝手に入れよ少年。俺は楽な仕事を選ぶことにするから」
恭介はそう言うと楽な仕事を探し始めた
「まったくヤル気も根性もないヤローだなぁ。なぁ隼人?」
涼介は隼人の方を見る
「先生、俺はプリント配布係がいいです」
涼介の期待を見事に裏切り隼人はプリント配布係となった
「オイオイ、マジデスカ?」
涼介はしょぼくれる
「さて誰か級長になりたい者はいるか?できれば立候補してくれるとありがたいんだが・・・」
宮下先生はそう言ってみんなの方を見る
「ハイハーイ、この俺がやってのけましょう!」
と勢いよく涼介は手を挙げた
どうせ級長という役職は俺が生きてきた人生の中で誰一人自らやる奴がいなかったので
「ふっ、決まったな・・・」
涼介がそう呟いた瞬間
「先生、私も級長に立候補でヤンス!」
誰かが立ち上がった
「なっなんですと!?」
三人が声を合わせて振り返ると一人の丸メガネをかけた痩せ顔の男が立っていた
「私、鈴木英太郎は小学校の時からずっと級長という業務をやって来たでヤンス!こんなところで私の中の伝統を壊すわけにはいかないでヤンス!」
と言って涼介を睨みつけてきた
「まっまさか、眼鏡をかけて語尾にヤンスを付ける漫画の世界でしか見たことのない希少種がいようとは・・・」
涼介は絶句した。
どうやらこの男、他の学校じゃ有名ながり勉野郎らしい。
「というわけで級長はこの私に譲ってもらうでヤンス」
「ふざけるなよ、この級長オタク野郎!この学園に革命起こす第一歩として級長の座は譲れねぇんだよ!」涼介は睨み返しながら言った
そうやって言い争っている間女子の級長は美奈に決まっていた
「え〜、決まりそうにないから皆に多数決を取ってもらおうかな?」
とこの争いを見ていた宮下が提案した
「上等だ!その案のってやるぜ」
涼介がそう言うと
「ふっふっふ初心者め、キャリアの違いを思い知るがいいでヤンス!」
鈴木も納得したようだった
「じゃあとりあえず皆に納得してもらえるような方針みたいなものを述べてください」
宮下がそう言うと
「まずは私から行くでヤンス」
といって教卓へ向かった
「頑張れよ涼介」
とニヤニヤしながら二人が野次を飛ばしてきた
「・・・強敵だな」
涼介は呟いた
続く




