序章 はじまり
「やってられねー」
そう叫んだのはいつもの学校の帰り道。今日中学を卒業した八神涼介、城嶋恭介、斉藤隼人の三人はふらふらと帰路を歩いていた。
「何がやってられないんだよ涼介?」
恭介が呟いた。
「ははは・・・確かにこの三年間本当に何の問題も起こらず平和だったからなぁ、物足りないと言えば物足りないな」
隼人が乗ってきた。
「・・・まったく俺はこんなつまらん日常を望んだわけじゃないってのに」
はぁ・・・とため息をつく。
「ため息なんかついてると老化が進むぜ?」
笑いながら恭介は言った。
「ムッほっとけ」
そうやっていつもの感じで会話を続けていると
「なぁ、高校行ったら何する?」
いきなり隼人が切り出した。
「んぁ?やっぱあれだろ?いつもみたいに三人でバカやって・・・」
涼介は言いかけてやめた。
それじゃ変わらないじゃねぇか。俺の望みはこの平凡な日常をぶっ壊して、最高にスリリングでエキサイティングな日々を満喫することだ。それには何か行動を・・・
「どうかしたか?涼介?」
隼人が顔を覗き込む
「また馬鹿なこと考えてるんじゃねぇの?」
恭介が茶化す。
そうだ。涼介は閃いた。
「生徒会にでも入るか?」
「はぁ!?」
二人は顔を見合わせたあと涼介のほうに振り向く
「これから始まろうとする平凡な学園生活をぶっ壊す、そのためにまずは生徒の代表になって同じ不満を持つ人間を仲間にし、マニュアルどおりに仕事をして責任から逃げることだけに必死になっていて俺達のことを形だけ考えるふりをして結局自分のことしか考えていないクソ教師共をブッ潰して俺らが住みやすい世界を築き上げようぜ」
熱く語る涼介を見て
「・・・まぁしょうがない。言いだすと止まらないからな涼介は・・・よし昔からのよしみだ、付き合ってやるよ」
といって恭介は隼人をチラリと見る
隼人は無言で頷いた
「そう!俺たちは学園の革命者だぁぁ」
そう叫んで涼介は歩き始めた
二人も後に続く
これから始まる学園生活に胸を膨らまして・・・・
続く




