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第六十五話 魔王への依頼

「うーん、この中だとどうするかだな……取りあえず二枚交換で」

「俺は一枚で」

「わ、私は四枚でお願いします」

「うー、全てとっかえで」

「はいはい、ちょっと待ってくださいねー」


「お、なかなかだな。勝負するぞ」

「乗った!」

「ええ!降ります降ります!」

「私は……勝負します」

「え?降りたの私だけですか?」


「俺はフルハウスだ」

「はぁ!イカサマだろそれ」

「降りといてよかったぁ」

「あー私はスリーカードです、惜しかったですね」

「うお!おっそろしい」



 今白川と恵とフィーと一緒にポーカーをやっている。

 今のところ俺がうまく回避できているがフィーと恵の引きが尋常じゃないほどいい、白川に比べて。

 この二人は何回もスリーカードやフルハウスを出してきている。

 さらに恵に至っては一度ストレートフラッシュなんてものをやってきやがった、やばいやばい。


 え?白川?

 白川はいいとこでツーペアかな、運がなさすぎる。

 因みに俺は本当にピンキリだ、ノーペアからさっきのようなフルハウスまで。


 というかカード切っているのが玉依さんだからきっとカードの中身弄ってるんだろうな。

 玉依さんならできそうだ、てかやってるだろう。




「マスター、手紙が何通か届いていました。読み上げますか?」

「おう、アルマか。手紙?誰からだ?」

「名前を見る限り各国の代表の人たちからですね」

「ん?何だろうな。取りあえず読み上げてくれ」


「わかりましたそれでは。『前略、魔王様へ。あなたが相手であるため堅苦しい挨拶は抜きにしまして要件を申させてもらいます。近頃異常なまでの勢いで勢力を伸ばしている軍団がいるのはそちら方もご存知でしょう、今回はその方の撃退をしてもらいたいのです』」


 簡単に言うとあの天候を操る軍団が調子乗ってきやがったから粛清してくれとのこと。

 報酬は後払いだそうで、先にそのことを言った事は評価してやろう。

 しかしこれで報酬がしょぼかったらどうなるかは予測してあるんだろうな?

 魔王に依頼するということは悪魔と契約することとほぼ同意だからな。

 命を投げ出す覚悟を持つといい。



「なるほどな、なら仕事として請け負おうじゃないか。しかし俺だけだったらいつも通りすぎてつまらないな、誰か一緒に来るか?」

「あ、じゃあ私が行きます」

「え?」


 ここで手を挙げたのはまさかのフィー。

 あれか、最近出番が少なかったのを軽く気にしていたのか?

 さらに登場してからも大体の場合は影が薄いし……

 これと言って見せ場なんてものもなかったしな、ボスになってもスルーされたし。


 あれ?フィーって不憫枠だったのか?

 その割に記憶から消えないんだが……不思議なこともあるものだ。



「それじゃあすぐに準備をしてくれ、なるべく早めに出たいからな。それと恵、タマルは今学校か?」

「え?あ、はい。時間的には学校にいるはずです」

「よし、タマルも連れていくぞ」


 影が薄い二人に見せ場を作る。

 展開を巻きに入ってるとか言わないの。


 それにタマルも実戦の経験を積む必要があるだろ。

 学校の授業だけじゃ学びきれないことなんてたくさんあるんだからな。

 それにタマルのスキルの正体を詳しく知るためには実戦で観察する必要もあるだろう。

 何事も知識だけじゃあだめなんだ。



================================



「おーい、タマルはいるかー?」

「ま、魔王様!タマル君でしたらあそこの席に……」

「いたいた。タマル、ちょっと出かけるから一緒に来い。勿論拒否権はないぞ」

「え?……あ、ちょ――」

「ほら、出発するぞ」


 教師や他の生徒がぽかんと口を大きく開けたまま固まっているのは無視してタマルの腕を引っ張って教室の外にでる。

 当然タマルも何が何だかと言った表情をしている。

 フィーを待たせているんだ、長い間待たせておくわけにも行かないだろう。

 それに今日のうちに片を付けておきたいしな。



「あ、マスター。タマル君は見つかりましたか?」

「おう、連れてきたぞ。それじゃあ早速飛ぼうか」

「あの、何か用で―」

「あ、説明は後でな。それじゃあ転移するぞー」


 二人を連れて目的地まで転移する。

 え?タマルの扱いがぞんざいすぎないかって?

 俺と関わったのが運のつきだと思ってくれ。

 そして死ぬがよい。


 あ、死にはしないぜ?

 ノリで言ってみただけだ。


 んじゃ転移。

 レッツゴー!

 しれっと白川君登場。

 個人的には好きなキャラですが本編ではネタ用の超サブキャラです。


 あとフィーが影が薄かったのは仕事してたり新しいスキルの開発をしてたりで忙しかったからです。

 決して自分が忘れていたからではありません、決して自分が忘れていたわけではありません。

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