第六十一話 島作りの片手間に
作中では書いてませんが一度焔君はエルフの一族を訪ねており、その時は姫さんがショックで病んでいるため代理の人と会話しました。
「と、いうわけだ。こちらに来てくれるかはそちらに任せる。来てくれなくてもそちらには何もデメリットはない」
「なるほど、しかし私達の場合はエルフたちと一緒でなければ動けそうにはありません。あちらにはもうこの話を?」
「いや、まだだ。姫さんはまだ寝込んでいるようだしな。俺にとって救いなのは代理の代表が話が分かるやつだってことだ」
「そのような一族に関わる事案は仮の族長じゃあ決めることなどできませんからな、待つしかないでしょう」
現在島に移住してこないか?という誘いを魔族連中にかけているところだ。
吸血鬼一派は一部がこっちに移住するつもりだと言った。
何やらいろいろとやっているようで大人の一部の奴らと現族長はあそこの地に残るそうだ。
女子供はこちらに来るらしい。
何やら近々危ないことをしようとしていて女子供に被害がいかないようにしているように見えなくもない。
今はドワーフたちに声を掛けに来たんだがどうやらエルフたちの判断を聞かない限りは返答が出来ないらしい。
仲が悪いと言いながらなんだかんだで長い間やってきたんだ、今さら離れるなんてことはしたくないのだろう。
勿論来てくれないというのなら俺は諦めるしかないんだよな、そうなると島で余ったスペースをどうやって埋めるかを考えないと。
「じゃあ今度話し合っておいてくれ、島のほうが出来てきたらまた声を掛けに来る」
「わかりました、それではまた」
約束を取り付けておいて一度去るとしよう。
まだ島の地形作り終わってないし。
それに後で各国のトップにでも引っ越し祝いの感想言ってやらなきゃだしな。
それと今後はクーリングオフできるように言ってみよう、あまり海を汚したくはない。
それじゃあ転移して別の相手のところに行くとしようか。
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「おっすおっす」
「またお前か……今お前のせいで忙しいのだが……」
俺はまた日本のトップのところに来ていた。
「それは爆撃機なんて引っ越し祝いの代わりに送ってきたお前らが悪い。それにきちんと島の規約をお前には教えただろうが」
「……攻撃すれば報復をする、島の上では何もしなければ安全を保障するというものか?」
「その通り、別に普通に島を利用してくれる分には危険はないんだよ。今は制作途中だがな」
いつかはあの島を中心にやることが多いだろう。
というかそのうち人間の利用も多くなるだろう。
それが人間の性ってものだ。
あくどい事をするのは悪人のもとでやるからな。
秘密を隠せる可能性が高いところでやるのが普通だし。
「それにそっちには仮だがある程度の決め事を記した紙を渡しただろうに。何故わざわざ自滅しに来たんだよ、勝てるとでも思ったのか?俺が作った殺人用の魔物を止められてすらいないというのに」
「私は反対したさ。しかし何しろ過激派の連中がうるさいものでな、私一人では止め切れなかったのだ」
苦労しているんだな、トップとは言えど一人ですべてを決めているわけではいないのだから。
てかそんなに過激派多いのか、これは俺と会っていることばれたらまずいんじゃないのか?
「君が私に会っている理由は完全に我々をなめていると取られているようだ。…私としてはこうして話す機会があるのはある意味よろこばしい事なんだ」
「どうしてだ?」
「君はある程度こちらのいう事を聞く耳とそれによってもたらされるものを自分になって得かどうかを合理的に考えられるだけの頭もある」
言いたいことはわかった。
要するにうまく交渉すればこちらの利にもなるからそういった交渉の場があるのはいいことってことだな。
さすがに強かだ。
だてにトップに立っているわけではないという事か。
「取りあえずあの島の規約をほかの国にも回しておいてくれよ、ああいった奴らがまた来るのは海の生物に悪い」
「落とすのは確定事項なのか……もっと穏便に処理は出来ないのか?」
「パーツをくず鉄レベルまで分解してから返してやろうか?」
「なるべく戦闘機は向かわせないように善処しよう、さすがにそれは生産者が泣くかもしれない」
こういうのって拒否するよりもこうやって遠まわしに脅しをする方が効果的だよね。
外道だって?
今さら何を言っている。
俺は魔王だぜ?
「それじゃあ回しといてくれよな、俺は今日はもう帰るから」
「そういえば君の両親が君に会いたいと言っていたぞ」
「無視しておいてくれ、じゃあな」
あんな奴らの顔なんて見たくもねぇ。
そそくさと逃げるようにして転移する。
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「ご主人、町の計画ってこれでいいんですか?」
「お?できたのか?どれどれ……うん、恵らしいっちゃらしいな」
帰ってきたら恵が自分の町の計画案を出してきた。
内容は普通の町と同じようなものだ。
玉依さんは大体の予想がつくし、フィーにいたってはもはや一択だし。
一番読めないのは恵だったんだ。
にしても恵の計画案が安定なこと安定なこと。
特に不自然なところもなく誰でも住みやすそうだ。
しいて言うのなら木造建築が多いな、コンクリは嫌いかね?
まあ島ですし、この島だったら火事が起きてもすぐに消化も修復も出来るし。
クリエイトは大体の事ならできる。
あくまで大体だからな、こっちじゃあクリエイトにも制限かかるし。
「それじゃあ恵は島が完成した後どこにこの町を作りたいかを考えておいてくれ、玉依さんもな。フィーはどうせ山の上の方か森の中だろ」
さらにたぶん後者。
高い方がいいとは思うがそれだとフィーは大変だと思うからだ。
山は木が生えているものもあるが大半が岩山だ。
岩山の理由はドワーフたちのため。
鉱石とかはさすがに無理だがそれはクリエイトで何とかできるだろう。
三種の魔族がすべてこの島に来るとしたら一体どれがどの眷属の町に住むんだろうな。
フィーのところにエルフが住むのはよめるが他の二種族が恵と玉依さんのどっちに行くのだろうか……
吸血鬼は何となく玉依さんを避けそうだが玉依さんとドワーフってのも考えられないんだよな。
いくら大人とは言えどあんなほぼ純正のアルコールみたいな酒は飲めないだろうし。
まあなるようになるさ。
「そういえば移動手段どうするか、島と島の外のどっちも考えなきゃいけないな」
「普通に自動車とかでいいのでは?」
「それじゃあ雰囲気が出ないじゃないか。せっかく魔王が住む島として売り出せるのにもったいないじゃないか」
なんかせっかくなんだからもっと雰囲気が欲しい。
もっと禍々しい雰囲気が欲しい。
魔王島として禍々しくしたい。
せっかくだからこだわりたい。
「ご主人はこの島を観光地にでも仕立て上げるおつもりなのですか?」
「そういわれるとそうなってるな。まあ人もそのうち来るだろうし何よりも俺がそうしたい、俺はこういうのはとことん凝る主義なんだ」
「ご主人は男の子なんですね~」
「…もう突っ込むまい」
恵は何かと俺を子供扱いしてくる。
俺の方が年上なのに……不服だ。
精神年齢は確かに恵のほうが上かもしれないが。
「それじゃあ俺はまた島の地形を作ってくる。…そういえばタマルはどうした?」
「タマルちゃんなら玉依さんがどこかに連れていきましたよ?」
「なら大丈夫だな」
作者「タマル君は島のほうが落ち着くまで出番はお預けです」
タマル「え・・・・・」




