第五十話 山の民と森の民-6
ドワーフサイドに到着、使用時間は約0,3秒。
突然現れた俺にドワーフ達はビックリ!
…してるのに一人だけ平然としてる族長マジ威厳の塊。
「これはこれは“焔の魔王”どの、こんなところで何をなさっておるのですかね?」
「ちょっと人生の先輩に訊きたいことがあってね、いろいろと可能性が次から次へと出てきてしまって困っているんだ」
「それは大変ですね。どれ、ちょっとこの老いぼれめが相談相手になって差し上げましょう。こう見えて里のみんなには良い相談役と呼ばれているのですよ?」
「それはありがたい、それじゃあまず状況を少しでもわかりやすくするためにいくつか質問するから偽りなく答えてくれ」
当然俺が訊くのは事件についてだ。
「じゃあ一つ目な、まずエルフたちが騒いでたエルフたちの女王を殺したというのは本当にお前たちなのか?」
いきなり飛ばしていくぜ、今は時間が惜しい
「ふむ……あなたが森の姫から何を聞いたのかはわかりませんが私たちは少なくても理由なくして魔族を殺めたりしません」
「…間違いなく?」
「嘘偽りなくとおっしゃたのはそちらでしょうに、何を言っておられるので?」
…ここまであっさりと言われてしまうと何も言えない。
やれやれ、人生(?)経験の差には勝てないな。
「えー、じゃあ森を燃やした時に何人かドワーフがいなかったようだが……何人だか憶えているか?」
「ふむ…確かに何人かいなかったような気がしますね。私が知っている限りだとその日は七人ほどいなかった気がしますね」
知ってる限りってそれでもう全員な気がするんだが。
少なくとも俺が知りたい人数とぴったり一致するんだ。
だって森を燃やした奴らと数が一緒なんだもん。
「それは誰だっか憶えているか?」
「それまではさすがに…私が憶えているのはそのうち六人までです」
ほぼ憶えてるんじゃねぇか。
何が老いぼれだ、そこらの常人よりも記憶力いいし。
高性能すぎるだろ長老。
「あー、今もその六人はここにいるか?」
「いませんね、ここに皆で来る前にまるでこのタイミングで彼女らが来ることを知ってたかのように用意があると言って出かけていったのですよ。世の中不思議なこともあるものですね、長生きしても知らないことなどたくさんあるのですよ」
……絶対この長老全て見抜いてる。
そいつらが何をやってるのかも多分知ってるしわかってる。
だったらなぜそいつらをほっといてるんだ?
始末するのなら簡単だしこの長老ならエルフサイドに真実を話して誤解を解くのも可能だろうに。
ここでちょっと閃く。
通電しました、ピカッときました、降りてきました。
何が降りてきたかまでは言わないけれども。
何を閃いたってのは考えてみれば簡単なこと。
今はそいつらを処分できない理由があるということだ。
今処分すればわからなくなることか………そいつらしか知らない情報があるとか?
もしかしたらこいつらを扇動した奴らがいるのかもな。
俺はてっきりエルフとドワーフの一部の奴らが共謀して始めたものだと思ってたが違うのかも。
なんにせよこの長老マジすごすぎる。
「…それを訊いてきたということはすでにこの事態の原因をお知りになっているのでしょうが今は何もしないでいただけますか?」
「その理由を教えてくれたらな、実はそれらしき奴らをここに来る前に伸してきちまったもんで今はそいつらがどうなっているのかは……」
「死んでいるのだけは困りますよ、まだ彼らにはやってもらわねばいけないことがあるのです」
ん?今の発言は長老黒幕のように聞こえたが気のせいか?
もしそうならばドワーフを吸血鬼のように対応してやらなきゃいけないな。
端的にいうならば長老殺して見せしめして恐怖で縛る。
「んー、今のだとあんたがこの事態を起こしたみたいに聞こえたんだが…気のせいか?」
口に出してみる。
これで敵対してくれば簡単。
逆に冷静な対応してきた時が困る。
「ふぉふぉふぉ、これはまた面白い冗談を。この老いぼれに戦争など望んで起こすような野心がおありとお考えなのですか?」
デスヨネー
じゃあ一体どういう意味なんだ?
俺にはさっぱりわからん。
エラー、エラー、理解不能、理解不能だよ。
「ふむ……そこまで知っておられるのなら話してもよいかもしれませんね。あなたが倒したという者たちを連れてきてくださいませんか?そのあとにお話いたしましょう」
あれ?なんか違和感
俺何か見落としてる?
でも話してくれるというのならそれでいいか。
俺はとっととあいつらを連れてきて真相を聞いて解決しておしまい。
簡単だな。
でもちょっとその前にやってしまおう。
「長老、これを首につけてくれないか?」
そういって“共有の輪”を長老に差し出す。
「これはいったい何ですかな?私にはちっと理解できませぬな」
要約すると説明しろってことか。
この長老だったらちゃんと説明すれば納得してくれるか
そう思ってこれの名前、効果、どうしてつけてほしいかなどなどを話す。
長老はそういうことならばと快くつけてくれた。
「つけてくれたな?じゃあこの壁を消すが……俺が二人にその“共有の輪”を付けた意味は分かるよな?」
「私と森の姫を殺さないようにため、でしょうな?」
「正解、じゃあちょっと俺が帰ってくるまでゆっくり話し合って(言い争いして)くれよ」
「わかりました。ちょっと説得(精神攻撃)をしてみることにいたしましょうかね」
なかなかわかってるじゃないかこの長老。
今度俺も相談に乗ってもらうとしよう。
それじゃあ壁を消し、ここは長老に任せて俺は草原に転がったままになっているはずの実行犯を拾いに行く。
帰ってきた時がちょっと楽しみだ。




