第四十九話 山の民と森の民-5
もうちょっとしたら別の展開が始まります。
焔君がダンジョンに帰れるのはまだ先になりそうです。
==山のふもと 森との境界==
「…今日はどのようなご意向で参られたのか訊きましょうか“森の姫”どの」
「その汚い口を開くなこの薄汚い老害の獣が!」
姫様超過激、俺と話した時あんなだっけ?
それともドワーフを前にするとああなるように洗脳でスイッチを組み込まれてるのかな?
「なぁんだとぉ!長老が温厚だからと言って調子に乗りやがって森のサルどもが!変な言いがかりもつけてきおって頭でもいかれたのか!」
「調子に乗っているのはそっちだろうこの犬っころども!よくも話し合いに言った女王様を殺めたな!」
「サルどもの女王なんてこっちにはここ最近来てねぇよ!寝ぼけんな!」
「嘘をつくんじゃない!間違いなく女王様は貴様らの住処に向かっていったんだ!」
「「「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー」」」
「「「わーわーわーわーわ」」」
おお、なにか言い合ってる言い合ってる。
楽しそうだなぁ。
飛び交ってる言葉の割にはお互いから殺気が感じられないし。
姫さん以外はな。
「今一度確認いたしますがどうしても戦争止める気はないのですか?」
「もちろんだ、母上を殺した罪は貴様ら一族の死を持って償わせてもらう」
「ならば致し方ありません、こちらも無き罪で殺されるなどまっぴらごめんですので抵抗させてもらいますよ」
「勝つのは我々だ、今日こそ決着の時ぞ」
姫さんが腰につけていた剣を引き抜いた。
細長さ的にレイピアと呼ばれる類だろう。
「ふぉふぉふぉ、まだまだ若い者には負けませぬぞ?」
長老と呼ばれていたドワーフも剣を引き抜く。
あれはブロードソードかな?実は剣にはあまり詳しくない俺。
このまま見てても面白いがそろそろ止めに入った方がいいか、じゃないと駆けつけてきた意味ないし。
というわけでスキル発動!今回は弱めで広範囲攻撃タイプな奴で分断することにする。
「ちょっと今日はここまでだ、【フレイムウォール】」
スキル名を唱えて炎の壁を創り出し、ドワーフサイドとエルフサイドに分ける。
突然炎の壁が目の前に現れたものだからどっちサイドも軽く混乱し始めた。
さて、早速話し合い(半分は脅迫)と行こうじゃないか。
「やあ姫さんよ、また会ったな」
まずはエルフ側の姫さんと話すことにする。
「魔王殿!なぜ母上の弔いのための戦をじゃまするのですか!」
「お前俺の話を何も聞いちゃあいなかったのか?一人の弔いなんかのためにうん十人の死人が出たら意味がねぇ。未来永劫同じことの繰り返しで一歩も前に進めりゃあしねぇ」
「しかし――」
「ああ!もう洗脳されてるやつと話そうなんて俺が馬鹿だった!」
そういえば洗脳ってのはそういうものだった!
洗脳そのものを何とかしないと誰がどんなこと言っても聞く耳なんてないんだ!
畜生!真面目な話して説得して大恥こいたぜ!
なんて心の中で叫んでたって意味はない、さっさとやることやってしまおう。
「はぁ、取りあえず少しの間おとなしくしていてくれ、お前の相手はそのあとに存分にしてやるから」
そう言って前に作ったアイテムの一つをだす。
そしてそれを姫の首に嵌める。
一瞬で目の前まで移動してひるんでる隙につけたのであっさりとつけられた。
「え?ちょ、いきなり首輪などつけてどうするつもりなのですか!私をおちょくるのもいい加減になさい!」
…まあ怒るよな。
俺が出したのは“共有の輪”と言って二つ一組で効果を発揮するアイテムだ。
見た目は普通の革製のベルトみたいなものだが中は蒸れないようになってる、おしゃれとしても使えるぞ。
詳しい効果についてはもう一つの方を使ってから説明するとしよう。
こういう時にしか使えないアイテムだがめんどくさ―
……すごく使えるので重宝します。
「それをつけたら残念ながら俺に攻撃はできないぞ?その輪は“共有の輪”と言ってな、それをつけたものはもう一つの“共有の輪”の持ち主と痛み、傷を“共有”する。その名の通りに、な」
「…どういうこと?さっぱりあなたが言ってていることの意味が分かりません」
ちょっと理解しずらい説明だったかな?
でも別に理解してもらわなくても俺のこれからの行動に支障はないから無視するか。
「詳しくはまたあとでな、俺はまだ用があるんで。それじゃ、失礼するぜ」
「あ!ちょっとま――」
姫さんの制止などは全く聞かず俺は炎の壁の向こう側。
つまりドワーフサイドに転移する。
姫さんはまたあとでな、きっとすぐに登場するから。
投稿ペースはなるべく早くできるように頑張ります。
早く週二ぐらいで投稿できるようになりたい……
5/10 改行ミスを修正




