第四十三話 ダンジョン攻略隊-3
「結局新鳥さんから話は訊けなかったし不確定要素は残ったままか、困ったな……」
「不確定要素とはいったいなんのことを示しているのじゃろうな?気になるのう」
管理人室で一人ぼやいていると背中に重みを感じる。
ニュクスが後ろからのしかかってきているのだがそれが案外きつい、首に手が回っているしな。
そんなことよりもニュクスが見た目に反して結構重い、ずっしりくる。
「お前の目的、お前が何者なのか……まあ大半はニュクス関係だよ」
「焔はミステリアスな女性は嫌いか?」
「お前は女性というか女の子だろう?それと俺は意味の分からない奴は嫌いだ」
「焔は女性は嫌いのほうなのじゃな………もしや不―」
「違う、絶対に違う」
「ならば同――」
「お前もその発想かよ、どっちにしろ違う。それと昨日の出来事で疲れてるんだから少しは休ませろ」
ニュクスの危ない発言を俺の言葉でかぶせてもみ消す。
こいつらは俺をどうしても同性愛者に仕立て上げたいのか?明確な悪意を感じるんだが
話を戻す、昨日は新鳥さんと再び会い、魔力をだいたい半分ほど使ったため結構疲れたということだ。
今日もまだ倦怠感が残っている。だからゆっくりしていたいのだが……
「ゆっくりするのはよいがだったらダンジョンを開けてはくれぬか?久しぶりにあやつらが見たい」
俺が休むと暇になるからだろうか、ニュクスが提案してくる。
そういえば気付いてなかったが最近ダンジョンを開放してないな、ニュクスの提案を断る必要性もないしちょうどいい機会とみるとしよう。
「あー、まあいいか。第二階層からだっけ?ちょっと招くか、俺も久しぶりに見たい」
というわけで招いてみました。
『……本当に管理人とやらは俺たちを使って遊んでるようにしか思えない』
『隊長、それが本当のことでもなんでも俺たちにできることは魔王を倒すためにここに潜る。それだけですよ』
『…そうだな、それじゃあ行くか!』
副隊長が隊長になったのか、元隊長は第三階層にいるけどそこまでたどり着けるのかな?
第二階層に行くのは入り口からいけるようにしてある。
もちろん入り口から直接第一階層以外に行く場合はその階層に言ったことがあるやつしか行くことはできないようにしてある。
当然大人数で来る場合は全員行ったことがないと入れない。
ダンジョン入り口前に立てた看板にも書いといた。
『久しぶりにここに来たな、今回も必ず生きて帰るぞみんな!』
『当然ですよ』
『ちょっとフラグ立てないでくださいよ』
『俺、このダンジョンから帰ったら――』
『おいやめろ』
フラグのセールだな、フラグ乱立お疲れ様です。
さて、フラグを回収するのかブレイクするのか楽しみだ。
第二階層のどのエリアに入るのかで回収できる可能性が違うからこの選択が重要だぞ攻略者諸君。
『なるほど……管理人は難易度すら我らに委ねたみたいだな、みなはどこに行ったほうがいいと思うか?』
前にも話した通り第二階層にはボス:弱 雑魚:強、ボス:やや弱 雑魚:やや強、ボス:やや強 雑魚:やや弱、ボス:強 雑魚:弱の四つのエリアがある。
攻略者諸君はどこを選ぶのだろうなぁ?楽しみだなぁ(ゲス顔
『単純に考えたらバランスとれているほうがいいですね、ボスは少々強くても直前で引き返してそこからというのもできるようなので雑魚:やや弱 ボス:やや強のところがいいと思います』
『いいんじゃないのかそれで、一応理に適ってるし』
『ううむ、じゃあそこにするか。ついて来い、みんな』
自分らの運命を決める選択だというのにあっさり決まったな、この楽観者どもめ。
それは置いといて、どうやらボス:やや強 雑魚:やや弱のところを選択したみたいだな。
一応このエリアのボスはフィーの次に強いということを忘れてはいけない、当然それなりに強いぞ?雑魚は焼き払われても仕方がないレベルの雑魚だが。
というわけで深い魔の森へレッツゴー!
『学校の次は森か、下も土のようだしまるで本当の森のようだ。……にしても視界が悪いな、みんな周りには注意しろよ。どこから来るのが予測できないからな』
『隊長は前の安全を確保してください。俺らは右を、お前らは左、残りは後ろを注意しろ。後ろはいざという時のために常にクリアにしておけよ』
『『『いえっさー!!!』』』
森という場所の条件上前後左右に加えて上下からも襲われる可能性がある。地面の下から攻撃してくる魔物は雑魚が最強のところでしか出てこない……はず。
いや確かにそう設定した……深夜にだが、正直自信はない。
そんなこんなしている間に早速エンカウントしたみたいだ、どんな反応をしてくれるのかな?
『……森というだけあってそれにふさわしい魔物だな。【ステータスオープン】』
彼らの目の前には巨大な芋虫としか言いようがない魔物がいた。
口からは細い触手が何本も出ていてそれぞれ勝手に動き回る。
その口の上には目と思われるオレンジ色の半球が四つあり、その中ではぎょろぎょろ人間でいう黒目の部分が動いている。きめぇ
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“ジャイアントキャタピラー”
一言でいうと巨大な芋虫。口の触手は俊敏に動き獲物を捕らえたら放さない、が触手は素手でも引きちぎれるレベルの柔らかさなので心配はいらない。体液には毒性があり、その体液は触れるだけなら無害だが人間の体内に入ると副作用がない強力な神経毒となる
モンスターレベル☆☆☆☆
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『うむ、そこまで強そうでもないな。単純に銃でも殺せそうだ』
『……そうですね、単体ならそこまででもないのでしょうが………』
隊長は一瞬動作を止めたあと目の前の魔物に銃を構える。
そして声を張り上げて周りの連中に命令を下す。
『…そうだな。数人単位で一体一体を確実に潰せ!目の前のこいつは俺が潰す!』
現隊長は気付いたのか、ステータスには記していなかったがジャイアントキャタピラーは群れで行動する魔物。つまり彼らはすでに囲まれていると。
第二階層では基本的に群れで活動する魔物を配置している、もちろんこれには意味がある。
第一階層ではスキルを使わなくては勝てない敵でスキルの重要性を、第二階層は群れで行動しているため正しい判断をしないとこんな弱い魔物でもやられてしまうため、瞬時の判断力を。
『しゅるるるるるるるるるる』
『全く、スライムといい巨大な芋虫といい魔物ってのは気持ち悪いやつしかいないのか?』
失礼な、現第五階層にはかわいらしい魔物もいるぞ?そこまで生きていられるかどうかはわからんがな。
現隊長はジャイアントキャタピラーじゃら距離を取ってなるべく触手には近づかないようにして銃でジャイアントキャタピラーに風穴を開けていく。
他のやつらと比べて現隊長は要領良くジャイアントキャタピラーを攻撃している。
ただこの程度じゃあまだこのエリアのボスは倒せないだろうな。
『キシャァァァァァァァァ!!!』
『……よし、死んだか』
あっと言う間に一体が沈む。
こいつはある条件下に陥るとかなり厄介になるためレベル四の判定なのだが今回はその条件にはなりそうにないな。
つまりただの雑魚ということだ。
『でしたらひと段落してないで他のところも手伝ってくださいよ!』
ごもっともな意見ありがとう。
周りはまだ交戦中だというのに一息入れてんじゃねぇぞ現隊長!
『待ってろ、今加勢する』
そうして現隊長が加勢したらあっと言う間に殲滅された。
今回の襲撃では犠牲者はないようだな。
『全員生きているかー!』
『全員生きています!』
『よし!……そういえばだが魔物の死体が消えないな、どういうことだ?』
気付いたか。
スライムは倒されると地面に溶け込むようにして消えていったがジャイアントキャタピラーはそのまま死体が残る。
もちろん死体は外の世界に持ち帰ることができるし、そこで解析することもできる。解析しても無駄だろけどな。
『そういえば魔物の素材がうんたらとか管理人が言ってませんでしたっけ?』
アルマで記者会見した時の話か、そんなこと言ったけ?俺。
『そういえばそうだったな。ううむ、ならばこいつの皮膚の一部と特殊な効果が書いてあったこいつの体液でも瓶に入れて持ち帰るとしよう』
そういって隊長は何やらバックパックからサバイバルナイフ一つと密封できる小瓶二つを取り出した。
そして一つの小瓶には撃った傷から漏れ出している体液を入れ、もう一つの小瓶にはサバイバルナイフで剥ぎ取ったジャイアントキャタピラーの皮膚をぶち込んでバックパックにまたしまった。
『一応解析はしてもらうが結果はあの“スライムの鞭”とかいうものと同じだろうな』
『どうせまた≪解析不能≫でしょうね。こっちは命かけてダンジョンに潜っているのに呑気なものですよ科学者どもは』
『インテリに現場を理解するなど不可能なのですよ』
『ちがいねぇ』
<わははははは>
魔物がいるのに大声で笑いやがって、大量に押し寄せてきても俺は知らないぞ?ジャイアントキャタピラーは音に反応する魔物じゃないからその心配はないが。
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