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第二十六話 騒がしい休日-2

 扉の先には猛獣を閉じ込めるような檻が設置されていた。だいたい一辺二十五mぐらいの立方体だ。


「この中に入れ。」

「はいはい。で何をやるんだ?」

「もうすぐそのゴミ虫の声を聴けなくなると思うといい気分だよ。」


 こっちの問いは完全無視かこのやろう


「入ったぞ。」

「そうだな、よし!扉を閉め猛獣を放て!」


 号令の瞬間俺が入ってきた檻の扉が閉まり、床から熊が五頭出てきた。


「そいつらに勝てたら出してやろう。」

「こいつらだけでいいのか?こんな奴ら二秒もあれば終わるが。」

「ずいぶんと余裕だな、そいつらが終わったら別のやつを出してやるから黙っていろ。」

「あっそ」


 熊を一頭一頭睨みつける。と熊は気絶してぶっ倒れてしまう。


「じゃあ早く次を出せよ。」

「………ふん!早く次を出せ!」


 そのあともライオンやら象やらゴリラやらなぜかサーベルタイガーやらが出ていたが全て一瞬で終わらせてやった。魔王に動物で立ち向かおうなんて無理な話だ。


「もう終わりか?なら早いところあいつらのところに行ってやりたいのだが。」


 執事もどきは顔を真っ赤にしている。おそらく自分の思い通りにならないことがイラつくのだろう、人間のゴミみたいな性格だな。


「……いいだろう、お嬢様のところには行かせてやろう。私に勝ったらな!」


 そういって檻の中に入ってきた。やれやれ、人間を殺さないように手加減するのはきついんだがな。


「私はお嬢様を幼い時から見てきた。それがこの社会のゴミ虫に奪われようとしている、そんなの許せるわけがないでしょう!!」

「……気が変わった。お前は殺す、恵につく悪い虫はお前だ。」

「黙れゴミ虫がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「【業炎】」


 スキルを発動する。業炎は非常に高温の炎を出すスキルだ。あっという間に部屋の温度が上がり、俺が汗を搔き始める。執事は炎に包まれて地面を転がっている、虫のようにだ。


「熱い!熱くはないが熱いぃぃぃぃぃぃぃ」

 どうやら熱すぎて感覚が壊れたみたいだな。今回は俺が少しでも長くこいつを苦しませるためにかなり弱くしたのだが、それほどの温度は有していたみたいだな。


「…………」


 あれは黒炭になって床に落ちている。だが興味もないのでいまだに開かない檻を溶かして、恵たちのところに行くことにしようか。





「あ!ご主人、どうでしたか?怪我とかはありませんか?」

「俺があの程度のやつの攻撃をくらうとでも思ったのか?」


 もちろんそんなことは無かったけどな。こんなことを仕掛けてきた向こう側は全員消し炭にしてやりたい!


「ならなんでそんなに怒っているのです?」

「当然俺の眷属や魔神や側近とのふれあいの時間を減らす羽目になったからだ。そんな事をしたあいつには消し炭になってもらったがな。」


 みんな少し嬉しそうな顔になった。単純どもめ、そのうち悪い男にでも捕まるんじゃないか?って俺がそうだったな。に、しても消し炭発言にはスルーか、魔族としては当然な反応なのだろうが恵はあれと昔からの知り合いらしいのだが、どうなんだろうか。


「恵はあいつが死んでよかったのか?だいぶ昔から知っていたみたいだったが。」

「あいつはどうでもいいのです、ご主人を侮辱したのですから当然の罰です。」

 だ、そうだ。恵はもはや宗教の狂信者みたいになっているな。

「そんな汚いものの話はやめて遊びに行きましょう!まずはこっちですよ!早く!」

 そういいながらどこかに走って行ってしまった。やれやれ、また機嫌を損ねるとめんどくさいので急いで後を追う。



「まずはジェットコースターに乗りましょう!」

 いきなり飛ばして来るなおい!しかし特にやめる理由もないので乗ることにする。俺たちは恵の顔パスで列の先頭に案内される。結構並んでいたのだが・・・いいのだろか。


「マスターこれはなんですか?」

 アルマが聞いてくる、と必ず俺が答える前に恵が教えている。恵はまるでアルマの保護者だな。

「―――というものです。ほら、そろそろ動き出しますよ。」

 と言い終わる瞬間にジェットコースターが動き出す。


「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――」

 縦に大きく揺れたり回転したりほぼ直角に落ちたりした。五分ぐらいの時間だったが俺を酔わせるには十分すぎる時間だ、吐きそう・・・・・。



「次はコーヒーカップに乗りましょう!」

 あのジェットコースターで酔っていないのは恵、アルマ、ニュクスの三人。俺とフィーは軽くグロッキーだ、しかし恵はそんな俺らを無理やりコーヒーカップに乗せる。俺と一緒に乗っているのは恵とフィー、ニュクスとアルマは向こうの方で何かを話し込んでいる。


「それじゃあ回しますよ?」

 そこからは地獄だった、恵がいきなり急速回転させたり反対方向に回し始めたり。とにかくそれから降りるころには俺とフィーはダウンしていた。恵は元気である。恵って実は俺よりも実は強いんゃ・・・。そのまま吐いてしまう。


「ご主人大丈夫ですか!!!」

「うう、ぎりぎり大丈夫だ、問題ない。」

「問題大有りです!乗り物系が苦手なら言ってくださいよ。」

「・・・・・次からは気を付けます。」


 魔王だからかすぐに回復はする、さっきのは休みなしで行ったのが祟ったのだ。ちなみにフィーは風の精霊らしく風を浴びていれば勝手に回復するらしい、便利だな。

 ふと思ったが白川はなんでフィーが見えたんだ?シルフィードは普通の人間の目には見えないはずなんだけどなぁ。今は見えないと困るので俺が魔力を使って周りに姿を見せているが・・・。


「あー!今仕事の事考えていましたね?」


 ぎくり


「駄目ですよ!せっかく遊園地に来たのに仕事の事なんか考えては!」

「マスター、考えすぎはだめですよ。」

「そうですよマスター、何も考えずに今は楽しみましょう!」

 恵にアルマとフィーが続く。フィー・・・お前回復早すぎないか?これが眷属になった効果なのか?

「じゃあ気分直しに観覧車にでも乗りましょうか!」




「うわー、高いですね、高い所にいると気分が良いです!」

 シルフィードは高所に現れる精霊だからな。

「マスター、まるで人がゴミのようです。」

 アルマ、そのセリフはいろいろとまずいな!確かにここから見ると小さく見えるが・・。

「ご主人、楽しいですか?」

「はしゃいでいるみんなを見るのは楽しいよ。」


 恵は今のをどうとらえたのか顔を真っ赤にしている、微笑ましい光景だ。……あれ?ニュクスはどうした?

 少し探してみると観覧車の座席の下に蹲っているのを発見した。…まさか


「ニュクスは高いところが苦手なのか?」

「け、けけけけっしてそんなことは無いぞ!こんなもの少し地に足がついていないぐらいで怖いなど―」

 

 <ぎぃぃ>

 観覧車が揺れた。

「ひゃあ!」


 ニュクスは飛び上がって再び座席の下に隠れた。当然みんなで笑ってやったよ、大声でな。このネタでしばらくはニュクスをいじれるな、楽しみだ。


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