第二十二話 眷属を増やしましょう
意識が戻ってきてまず最初に目に入ったのはニュクスと言い合っているシルフィードの姿だった。
「冗談じゃありませんよ!こんなものと一緒にいられませんよ!」
「危害は加えんと言っておろうが!なぜ信用せん!」
「信用できるわけがないでしょう!あなたは魔神ですよ!!!しかもあの―――。」
「……何やってんだお前ら。」
おさまりが付かなさそうだったので声をかける。
「ちょうどよかった、焔からこやつにわらわはそこまで凶暴なやつではないと説明せい」
「こんな危ないものと一緒にいられません!あなたが私を連れてきたんですから何とかしてください!というか私を帰させてください!」
よくわからないが状況的にフィーがニュクスの危ない噂とかを聞いていて、その噂の真偽を言い争っていたと。
「とりあえずフィーは帰せない、それとニュクスは俺がいればおかしなことは・・・するが危険なことはしない。フィーは俺の眷属候補なんだからなおさらだ。」
これでいいだろうか。
「そうじゃそうじゃ、焔の眷属になるやつには手出しはせん。」
「……わかりました、危険ではないことは認めましょう。…ですが、その“フィー”って何ですか?」
「ああ、呼ぶときにいちいちシルフィードと呼ぶのは面倒だから略してフィー。覚えやすいだろ?」
あれ?いきなりフィーが赤面した。なんだろうか、また変なことでも言ったか?俺。
「どうした?いきなり照れ始めて。」
率直に聴いてみるとあわてて答えてきた。
「私たちは種族名でしか呼ばれないのです、精霊は自然が実体化した姿なので当然なのですが。だからフィーというのはまるで名前のような感じに聞こえてしまって・・・。」
「だったらもう名前でいいじゃないか。シルフィードのフィー、それがお前の名前で。」
フィーはよけい照れている。風の精霊なのに真っ赤だ。隣でニュクスが天然女殺しと言ってきたが何のことだろうか?さっぱりわからない。人間と魔族は違いすぎてどうすれば喜んだりするのかがつかめない。
「……わかりました。名前の恩としてあなたに仕えます。好きにしてください。」
たかが名前にそこまで喜ぶか普通。
「そこまでの覚悟はいらない。俺の眷属になるんだから死んでも俺が守る・・・って俺が死んだら眷属は死んでしまうのか。難しいなぁおい」
ニュクスは今ので笑っている。フィーは・・・照れている、とってもかわいい。
「じゃあ眷属化を済ませてやることをやってしまうか。」
眷属化は省略してステータスを見ることにする。眷属化は前口上が長いからめんどくさいんだよ!
どれどれ、フィーのステータスは・・・。
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フィー
種族:焔の魔王の眷属・シルフィード
性別:女
風の精霊であるシルフィードが魔王の眷属となり、ただでさえ高い魔力量がさらに高くなった。性格は基本的には冷静だが相手に心を開くと甘える、あと照れ屋。属性魔法としては風系列が得意。
スキル:鎌鼬・エアショット・障壁・円風刃・烈火の鎧
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風の精霊らしいスキルだな。性格は・・・・どうみてもツンデレです。本当にありがとうございました。
「いやぁぁぁぁ!見ないで!見ないでください!」
フィーが照れている、性格に書いてある通りだな。ステータスは嘘ついてない。
「……あの、あの!マスターの性格が不明になっているのはどうしてなんですか?そんなことができるのですか?」
俺のステータスを見ていたフィーから質問だ、もちろん答えは決まっている。
「できるわけがないだろう。それについては俺が一番よくわからない」
ニュクスが含みがある笑いをしている。……こいつ、何か知っているな?
「ニュクス、お前何かこれについて知ってるのか?」
「知っているわけがなかろう。ただ一つ言えるのは、ステータスは嘘をつかないというだけじゃ」
ステータスは嘘をつかない、つまり不明というのは本当ということか?そもそもステータスは誰が決めている?……これは多分自分自身だろう、おそらくだがな。ということは俺が不明と書いている?いや違うな、そんなことした覚えがない。じゃあこれはどういうことだ?不明・・・わからないということか、俺は自分の性格がわからないと?そういうことなのか?
「ステータスは自分の深層心理、嘘偽りがない自分自身の心が反映されているそうじゃぞ。」
「俺は嘘偽りがなく自分の性格がわからないと・・・。」
やばい、混乱してきた。つまり、どういう、そんなことが、なん・・だと・・・――――。
「焔!しっかりせい!考えすぎじゃ!!!」
ニュクスの呼びかけで我に返る。危ないところだ、もう少しで発狂するところだった。
「マスター?大丈夫ですか?」
フィーが心配して近寄ってきてくれる。さっきまでのあの嫌がりようはなんだったのか。そういえば眷属についての説明が今までなかったので説明する。
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・眷属には主と眷属になるもの両方の同意が必要である。
・眷属になると主の魔力の一部が常に供給される。しかし主が意図的に供給させないことができる。
・眷属は主の特殊スキルの弱体化バージョンのスキルが使えるようになる。
・眷属は主が死なない限り何度でも再生することができる。しかし主が殺そうとした場合死ぬ。
・眷属は主の居場所を常に知ることができる。しかし主が意図的に知らせないことができる。
・眷属は常に自分の状態、位置、残り魔力量を主に知られる。
・眷属は主が死ぬと死んでしまう。
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だいたいはこんな感じだったと思う。基本的に眷属の命は主のものになるということだな、それの代償に眷属は主の力の一部を得るわけだ。…まんま悪魔の契約じゃないか、魔王だから否定はできないが。に、してもまさか最初の眷属ができてからその倍の話でようやく説明が出るとはな。すいません、すっかり忘れてました。
<ビーーーーーー>
「「!?」」
「きゃ!なんですか今の!」
「今のはダンジョンクリスタルからしたな、だったら・・・確かボス部屋に誰かが入った音だ。」
うろ覚えだが、こないだそんな風に設定した気がする。
「ということはあの鬼畜部屋を突破したということかの!一体どうやって突破したというのじゃ。」
「ちょっと待て今モニターを出す。………右の部屋が突破されているな。」
うーん、こういう方法で突破したのか。まあ軍人だったし当然と言えば当然か。
「一人で納得しとらんで早くわらわたちにも説明してくれ!」
「えーと、簡単に説明するとだな。扉に擬態していたスライムがやられた。あそこの部屋は扉スライムがカギとなっている部屋だからな。それを壊されるともろいんだ。床のスライムは床と少しだけ色が違うし、落とし穴は急いでたりしなければ簡単に気付けるし、矢は壁に穴が開いているからまるわかりだしな。すべて扉スライムに気を取られているからかかるように設定したんだ。」
「ならばどうやって扉がスライムだと気づいたというのじゃ?」
「それは簡単だ、ブリーチクリアされた。」
「え?」
「ブリーチという爆薬で扉を吹き飛ばして部屋の中に入るんだ。スライムは爆発のダメージはくらうからな、それでやられたみたいだ」
この破られ方は予想外だった。第一階層はそこの部屋以外に罠と言える罠は仕掛けていないし、中間ポイントは第二階層に行く門と一体化させたからほかの階層に比べて短くなっているしで簡単にボス部屋には行けてしまう。
「まあこのショーを見物しようじゃないか」
ボスとのガチバトルだ中々見ごたえのあるショーになるだろう。ちなみにボスはスライムの強化版だ。ミミックとはまた別のだぞ。
「おぬしの事じゃから一方的な虐殺になるのじゃあるまいな」
「大丈夫、俺はド○クエよりもモ○ハンのほうが好きだからな。きちんとモンスターの攻撃はパターン化してあるし回避方法も用意してある。」
と言っても第一階層は練習用フロアだから簡単なのは当然なのだが。むしろこれができなきゃ第五階層なんて絶望的だぞ。第五階層のボスはアルマの次に強いからな、現時点ではだが。
え?なぜアルマはボスじゃないのかって?アルマがボスじゃ普通のやつじゃ勝てないし、アルマは“あいつ”用といざという時のために作ったからな。恵救出の時は確実に恵を取り戻すために動いてもらったが。
「それ、ボスが出てきたぞ」
ダンジョンクリスタルのモニターには大量の人とその目の前に出てきている大きな影が映されている。
文章が見にくいのどの改善点があったら教えてください、なるべく早く修正しますので。




