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第十七話 宣戦布告

 トイレから帰ってくるとちょうどアルマがテレビに出てくるところだった。

「ちょうどだな、よかったよかった。しかしこれは・・・・。」

 テレビの生放送に出るように指示したが・・・まさかほぼ全局のテレビにでるとはな。

「よいではないか。この方がよい宣伝になるであろう?」

「確かにそうだな。いまさら何人だろうとあまり変わらないか。」

「そうじゃ。それでは楽しいショーを見物しようぞ。」

 ちなみにテレビの見出しは、本物か?噂のダンジョンについての真実、だそうだ。




 私はアルマです。今からマスターに与えられた使命を果たすべく生放送とやらに出ます。きっと楽しいショーになるでしょう。では行きます。

「「「「「ざわざわざわざわ」」」」」

 私が会場に入った瞬間ざわめきが始まります。まあ私のやることは変わらないので関係ありませんが。

「みなさんおはようございます。私は最近噂になっている“ダンジョン”の管理人の代理としてここに来ました。」

「ではその証拠を見せることはできますか?」

 記者とやらの一人が聞いてきます。

「いいですよ。あなたの命か前に持って行ったお土産、どっちを見せましょうか?」

「い、いえ、すいませんでした。」

 顔を真っ青にして怯えています。そうなるくらいなら最初からやめておけばいいのに、馬鹿な人です。

「許してあげますので今すぐにここから立ち去りなさい。不愉快です。」

 逃げ出しました、情けないですね。

「邪魔者も消えたところで皆さんに我がマスターより伝言を預かっています。心して聞くように。」

「それでは読みます、というか呼びます。」

 記者どもが首を傾げています。そんなのは無視して私はマスターを呼びます・・・・。

「おはよう諸君、俺が魔王だ。と言ってもこの体は今は借りているだけだがな、本体はダンジョンの最深部にいる。」

 記者どもは鳩が豆鉄砲くらったような顔をしている。

「俺の目的は・・目的は・・・なんだっていいかそんなこと。諸君が知りたいのはそんなことではないだろうし、とりあえずダンジョンについて説明してやろう。ダンジョンはまあゲームとかとだいたいは同じだ。魔物がいて罠があって宝箱があって魔王が居て、一つだけ違うのは一度死んだらそこでゲームオーバーってところだな。ちなみに宝箱の中にはお前らがあと百年かけても作れないようなものもあ

る。探したいものは来てみるといい、噂通りあの洋館の中に入り口はあるからな。ただし一度入ったら簡単には出られないからそこんところは注意。わざわざ情報をくれてやるなんて親切だろう?これからお前らはダンジョンに否が応でも来ることになるのだから。それについてはまた後でな。」

「え・・・と、なぜそのようなことを教えてくれるのですか?」

「そうしないとつまらないだろう?むりげーにする気はないんだ、だからクリアできるようにヒントをくれてやっているのさ。それでは話しを元に戻すぞ。魔物から素材を取ることもできる、それもお前らの科学では解明できないような凄いものがな。これだけでもダンジョンに来るやつは山盛りだろうがもう一つだけ言っておく。俺はダンジョンの外に魔物を出すことができる。それもすごいのをだ、最近有名な“夜の使い”は全員俺の魔物だ。俺を放っておけば俺はどんどん強くなり外に出せる魔物の量も増える。つまり・・・・これは言わなくてもわかるな?人間が助かるためには俺を殺すしかない。かかってこい、どんな奴でも相手してやる。これはその宣戦布告だ。アルマ、やれ。」

 ここで体が私に戻ります。そして・・・。

「「「「「ぎゃーーーーーー。」」」」」「「「「「きゃーーーーー。」」」」」

 一瞬で前の方にいた奴の首を落としました。だいたい全体の三分の一ぐらいですね、残りもすぐに殺します。全員殺したらカメラがまだ動いているのを確認してからそのカメラを片手に、もう片方の手に記者たちの生首を持ってテレポーテーションします。




「アルマめ、内容は任せるとは言ったがまさか俺を使うとは・・・・いい度胸だな。」

「あっはっはっはっはっはっは。」

 ニュクスは大爆笑している。こっちは大変だったんだぞ!見てるだけでいいと思っていたらいきなりしゃべらせられるやつの気持ちになってみやがれ!!!

「そう怒るでない、おかげで良いショーになったではないか。目的は達成したのじゃから文句は言えまい?なにせあやつを命令第一に作ったのは焔なのじゃからな。」

「それを言われると困るな、反論ができないじゃないか・・・・ところでアルマはどこに飛んだんだ?俺は何も指示していないが。」

 俺がした命令は、テレビの生放送に出て、適度にダンジョンの事を教えてやり、終わったら記者を皆殺しでその惨劇を人間に見せつける。それだけだったはずだ。殺した後どうするかまでは言っていない。

「アルマならば今どこかの港にいるみたいじゃぞ。持って行ったカメラでまだ何かを映し続けておる。」

 港?いったい何をする気だ?・・・・・・げ。

「これは・・本当に良いショーになったの。これで完全にこの国を敵に回したわけじゃな。」

 テレビ画面には火の海とその前に山積みになっている生首が映っていた。



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