第十二話 警戒されるダンジョン
『次は、最近有名になっている先日肝試しに向かったと思われる男女の学生4人組が行方不明になってしまった事件についてです。この学生4人組は家の人に肝試しに行くといったきり帰ってこないとのことです。このニュースが有名になっている理由として謎の“ダンジョン”というところに来てしまったと当人たちの携帯電話から某ネット掲示板に書き込まれており・・・・。』
「・・だいぶ騒がれれているなぁ。」
朝の歯磨きをしながら日課の朝のニュースを見てつぶやいた。
「それはそうじゃろうて。ただでさえ最近ニュースのネタがないというのにあの中の若村とかいう餓鬼はなかなか名が知れていた不良だったとかいっておるからの。それはまさしく目の前につられた極上のえさになったじゃろう。」
あの初めての侵入者が来た日から早くも一週間が経過している。
あの後の経過を簡単に説明するとだな。
まずは恵は俺に屈服した。ああ言った後5分後にまた行ったらあっさり認められて逆に驚いた。
労力がかからないのはいいことなんだが・・・ねぇ?男としてはもっと抵抗してくれたほうが楽しいじゃん?・・・・・今のでいかがわしいことを想像したやつは変態確定です、ご愁傷様。
ちなみに恵はまだ自分の部屋で寝ている。
昨日は激しかったから疲れているんだろう、しょうがないね。
何が激しかったのかって?当然スキルの練習ですが?他に何かありますか?
その練習のおかげでスキルについては結新しくわかったことがある。
ニュクスに教えてもらっただけなのだが気にしたら負けだ。新しくわかったことをまとめるとこうなる。
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スキルは使い手の想像によって強さが変わるが消費魔力も変わる。
新しいスキルは当人の魔力量や経験、想像力によって増える。
特定の敵や特別な方法で敵を倒すと手に入れられることがある。
ステータスオープンは一般人でも使える。
一般人は最初スキルをつかえないが、何らかの方法で魔力を浴びるとスキルが使えるようになる。
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・・・最初から3つははっきり言ってどうでもいい。
いや、どうでもよくないが今はどうでもいい、今問題は一番最後とその一個上のやつだ。
まず言っておくがニュクスによると“入口”を作る時のように大量に魔力を使ったときには結構な量の魔力が周囲に飛び散るらしい。
ちなみに精神力がどうやって空気中にとどまるのか気になってニュクスに聞いてみたがさっぱり俺にはわからなかった。
専門用語とかまじ勘弁。
話を元に戻す、つまり魔力がどうにかなって使った魔力の一部が空気中のに残る。
そして誰かがその場所に来ると自然に魔力に触れてスキルを習得してしまうとのことだ。
しかしスキルを習得しただけでは習得したことに気付かないのだがここでステータスオープンの能力がかかってくる。
誰でも使えるのだから面白半分にみな自分のステータスを見ようとするだろう。
そしてその中にスキルを習得しているものがいたら・・・・あとの想像は簡単だろう。
追加で説明すると一般人は周りのステータスは勝手に覗けないらしい。
俺たちが相手のステータスをのぞけるのは互いの同意があるからだ。
だから一般人も互いの同意があればステータスをのぞける。この一週間でわかったことはそのぐらいだ。
「おはようございます。」
「おう、おはよう。」
「うむ、今は昼じゃがな。しかし挨拶をきちんとするその心構えは良いものじゃ。」
ちょうど恵も起きてきた。少し思いついたことを試してみるか・・・。
ニュクスの言動にはいちいち突っ込まないことにしている。
「恵、ちょっと話がある。朝食(時間的には昼だが)食べたら俺の部屋に来てくれ。話したいことがあるからな。」
わかりましたという返事を聞きながら俺は自分の部屋に入っていく。
「何の御用事でしょうか。」
「とりあえず敬語はいい加減にやめてくれ。なんだかむずむずする。」
恵はこの一週間俺とニュクスには敬語しか使っていない。敬語使われるような関係ではないようにしたはずなんだな。
「かしこまりました。それでは御用をなんなりとお申し付けください。」
絶対わかってないだろ。この一週間でこのやり取りはもう50回はゆうに超えるほどやっている。
ニュクスは定番のネタ扱いしているが当事者にとってはたまったものではない。
恵はこの一週間でもとよりきれいだった容姿がさらに美しくなった。なんでも魔力量が増えたおかげだとか。
むろん近寄る男は全員叩き潰すが。
恵はこの事について『私はご主人様に一生ついていきます』と言ってくれている。
…絶対に俺が守って見せると決めたぜ。
・・・こんな話ではなく恵はユニークスキル持ちだった。
ユニークスキルとはそのものがうまれつき持っているスキルの事だ、非常に珍しいとのこと。
さらにユニークスキルは鍛錬次第ではどんどん増えていくそうだ。強力な効果の場合が多いからほとんどが優秀なしもべになるらしい、すべてニュクスからの受け売りだがな。
にしてもニュクスはいろんな事知っているな。やはり亀の甲より年の功というからか・・・。
隣の部屋から殺気を感じたのでやめておく。
「実は恵には元の世界に帰ってもらいたくてな。」
あれ?恵の目がみるみる潤ってきたぞ?
「なぜですか!?恵はやっぱりいらない子ということなのですか?せっかく心より信じられる人を見つけたのにその人から離れて元の一人ぼっちの生活にまた戻れとおっしゃるのですか!?」
それを聞いて俺はとても慌てた。言い方がまずかったかな・・・。
「い、今のは俺の言い方が悪かったな。詳しく説明すると外にも内通者がほしいんだ。」
「内通者・・・ですか?」
恵はまだ肩を揺らしている。
「ああ、そうだ。この廃墟はマークされちまったからな。あっちからこないならこっちから外に出ていこうと思う。もちろん恵の安全は確保する。目的は眷属を増やすことだ。」
「それはどういう――。」
泣き止んできた。
「眷属はいるに越したことはない。なにせ飯は食わなくても生きていけるし(眷属は俺が生きていれば他に生きるのに必要なことはない)普通よりも圧倒的に知能、筋力は高いしな。それに恵のような大事なやつを守るための盾も何人か必要
だろう。」
あっ恵が少し嬉しそうな顔になった。
ご機嫌取り成功だな、よしよし。
「ちっ!」
隣の部屋から舌打ちが聞こえてきたが気にしない。
「それでその眷属にする人間を恵に選抜してほしくてな。だから一度外の世界に戻ってほしいんだ。」
「そういうことでしたら喜んでやらせていただきます。」
恵はどうやら“存在理由”がほしいんだな。
誰かに必要とされてる、その感覚がほしくてたまらないのだろう。
・・大変だったんだな。
「それではどのようにして外に――。」
「それについては俺に考えがある。よく聞いてくれ・・・。」
6/14 改行しました。




