とりあえずアバンから始めてみよう 弍乃伍
は~い! 直ぐ行きま~す
「は~い! 直ぐ行きま~す!」
ピッ!
「よし! ちょっと行ってくるね! ワクワクがたまんねえぜ!」
「ワクワクが止まんないとかじゃないの?」
「止まんないじゃないよ! もうもうもう、たまんないんだから、ワクワクがたまんねえ! なんだもん! へへへ! ちょっくら行ってくるぜい!」
「あっ! ちょっと待ってよ。わたしも行くよ!」
「いいよ? いいよ? わたしだけで大丈夫だっばさ!」
「届いた物も分かってなくて、量がどれくらいとかだってさ? あるんだし。いつものことで確認とかしてないんでしょ……? 前にもさ、こんな感じの似たような事あったのって、忘却の彼方へ追いやって、忘れてやしないのかなあ……?」
「ああ! あのくっそ重たい硯が届いたときね! トラウマ級だよ! しっかりはっきりくっきり覚えてるってばさ! 毎回毎回くる度にさ届くんだよね! 今だって、あっちの倉庫にくっそ重たい硯が大きな顔して幅きかせてるっつーの! あはははは……」
「その経験値から導きだしたら、今回はもその可能性って? 捨てられないって思わないの? あれ押してくるの大変だからわたしも行くよ!」
「いいからいいからいいから! どうどうどうだよ! 大丈夫大丈夫! 大丈夫だってばさ! わたしのお腹グーグーちゃんたちが感じてるんだよ! 上物だっさ! 副艦は艦長の留守を守るんでしょ? お仕事ガンバだよ!」
「はい、はい……わかりました」
「それでは行ってまいります! 副艦殿!」
敬礼!
「はーい! 残念なことにならないことを祈るわ」
ウイィーン!
タッタッタッタッタッタッ……。
「もういっちゃったよ……行ってらっしゃい! はあ……どうせ食べ物じゃなくてさ、硯かなんかだよってわたしの中のなにかがそう囁くんだけどな……。張り切っていっちゃったけど、シュンとして戻って来るの目に見え見えだよ。まったくさ……」




