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再会は突然に

1日2回更新予定。


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真紘が卒業するまでの1年、見つけられたら嬉しくて、図書室で勉強する姿を本を読むふりをしてずっと見ていた。


彼が卒業してから会うことはなかったけれど、どこかでずっとあのときの恋心は燻ったままだった。




◇◆◇




野球部のマヒロこと、杉下真紘と就職先で再会したのは本当に偶然だった。


「え…」


経理に来た紺のスーツの男性に目を奪われた。

シュレッダーのゴミ袋を替えようとして手が滑った。


「きゃ」


ブワッと広がったシュレッダーのゴミに現実に引き戻される。


「わーやっちゃったねぇ。ここ、押さえててくれる?」

「ハ…ハイ…」


隣の席の若菜は箒とちりとりを両手に持って、怒りも呆れもせず手伝ってくれた。


「手伝いましょうか?」


ワタワタしていたら、用事が終わったらしい真紘がこちらにやってきて、言うが早いか手伝い始めた。

心臓がバクバクと暴れ出す。


「真紘くん、ありがとうねー」


マヒロ。マヒロってやっぱり。


見間違えるはずがなかった。


「あっ、わ…」


言葉らしい言葉を発せずにいると、若菜が紹介してくれた。


「真紘くん初めましてかな?総務の新人の荻原すみれちゃんよ」

「オギハラさん?営業部の杉下真紘です。よろしくね」


初めて、名前を呼ばれた。


笑いかけてくれた。


心臓が口から出てきそう。


「…ヨロシクオネガイシマス…」


大人っぽくなって、爽やかになって、肌も今は小麦色。

背はやっぱり見上げたら首が痛いくらいで。


筋肉質な体つきは今も鍛えているんだろうか。


ネイビーのスーツが似合っている。


大人っぽくなったのに、笑った顔はちょっとあどけない。


真紘が高校生だった頃みたいに四六時中考えていたわけではなかった。


ふと、元気かなと思い出すくらいの、甘酸っぱい思い出だったはずだった。


なのに、見つけたら一喜一憂してしまう。


穏やかだったすみれの心をまた、いとも容易く攫って行った。





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