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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
一話: 氷の魔剣士と焔の鎖と
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006

(SONORA‘S EYES)

――コスモポリタン西地区・露店街――

コスモポリタンの夜は、昼のように明るい。

街の至る所にある街灯が、いくつもついていた。

エネルギー源の『フレイムタイト』が、あるおかげだ。


私が歩いているのは、西地区。

夜の明るい露店街を、私は歩いていた。

明るく、賑やかな町並み。人の出入りが盛んな地域だ。


赤く長い髪を縛って、黒のノールスリーブジャケットと白いシャツ。

黒いスカートを履いて、ベルト代わりに太い鎖を巻いた私が、群衆をかき分けて歩いていた。

周囲を見回しながら、歩いていた。


(全くアイツは、どこに行ったのだ?

『デオドア』に行けと言い残して、どっかに行ってしまった)

群衆をかき分けて、不機嫌な顔の私が歩く。


コスモポリタンは、世界有数の大都市だ。

繁栄した大都市は、どこも賑やかだ。


(ゴミゴミした街だな)

感想を私は漏らしつつも、周囲を見ながら街を歩く。

活気はあるし、人の動きも多い。

そんな私は、ある露店に立ち止まった。


「いらっしゃい、ここにはいいモノが揃っているよ」

「ほう、何があるのだ?」

ここはアクセサリーを売っている店だ。

店の店主は、ターバンを巻いた若い男。

だけど、売っているアクセサリーを険しい顔で私は見ていた。


「これ、エメラルドか?」

「ええ、お目が高い。このエメラルドは、ポリタン山にある原石を」

「偽物だ」私は一瞬で見破った。

「な、な、なにをお客様!」店主が驚いた。

「宝石の艶がない、透明度も低い。

さながら、他の原石と合成をしたのだろう。

まがい物だ、値段は……20000タイトは高いな。ぼったくりだ」

「お客さん、営業妨害ですよ」

「それが、ホンモノのエメラルドである証明が出来るのか?

私は、今すぐ出来るぞ」そういいながら、自分が持っているエメラルドの宝石を取り出した。

取り出したエメラルドと、商品のエメラルド。明らかに色味が違う。

それを見て、みるみるうちに店主の顔が赤くなった。


「おい、お前。営業妨害だって、言ってるだろ!」

店主が、近くにある棍棒を握っていた。

そのまま、私の方に向かって棍棒を振り下ろす。


「客に向かって、そういう接客をするのか?」

「黙れ!」店主の男は、棍棒を振り下ろした。

私に向かって振り下ろされた棍棒を、私は後ろに飛んで避けた。

同時に、周囲に人が集まりだした。


「おめえ、いい加減なことを言っているんじゃねえ!」店主は叫んだ。

だけど、私は冷静だ。


腰に巻き付けた鎖を握った。

握った瞬間、煙のようなモノが一瞬だけ見えた。

手には革の長い手袋をした私が、鎖を両手で握った。


「真実を伝えたままだ」

「お前、俺が『レックス』の人間だって言うことを知っているのかよ?」

「『レックス』だと、ならばちょうどいい」私は冷めた顔で、店主を見ていた。

店主は、私の反応を見て驚いた様子だ。


「お前、分かっているのか?『レックス』だぞ、『レックス』」

「ああ、『レックス』だろ。知っている」

「お前、バカじゃないのか?この町で『レックス』と言ったら……」

「お前に、聞きたいことがある」

「お前に話すことは無いっ!」棍棒で、そのまま私に向かって襲いかかってきた店主。

男の腕は、筋肉質だ。かなり体を鍛えているのが窺えた。


それでも、私は冷たい目で向かってくる男を見ていた。

同時に、鎖を男に向けて投げつけた。

投げた瞬間、重く太い鎖の周りに赤い火花のようなモノが見えた。

そのまま、鎖は棍棒に絡みついた。


「鎖だと」

だけど、次の瞬間鎖に絡まれた棍棒が簡単に折れた。

折れた棍棒を、店主の男は驚いていた。

その後、一気に鎖が店主の体を縛り上げた。


「熱い……」苦しむ店主の男。

「少し、話を聞いてくれる?」

「お前、『レックス』の人間である俺に逆らうと……どうなるか知っているのか?」

「ロブ・ロイを知らない?」

「え?」店主は、顔を震わせていた。

恐怖に、顔が一気に引きつっていた。


「お前、今なんて……」

「ロブ・ロイに会いたいの、どこにいるの?」

「バカか、お前は……正気か?」

「正気よ」鎖で店主は、両手が縛られていた。

私は鎖を持ったまま、ゆっくりと店主を引きずった。

そのまま、私の近くで店主をじっと見ていた。


「教えて、ロブ・ロイはどこにいるの?」

「なんで、そんなことを聞くんだよ」店主は怯えていた。

周りの群衆もざわざわとしていたが、一人の人間が空気を変えた。


「こら、そこで何をしている?」

群衆の中から、奥から一人の人間が姿を見せた。

聞こえた声は女の声で、凜とした声だ。


出てきたのは、薄緑の鎧を着た一人の騎士だ。

大きな槍を背負い、盾も持っていた女の騎士。

喧嘩を見つけた騎士は、こちらに向かって機敏に走っていた。

私はそれを見た瞬間に、店主の鎖の縛りを解除した。


(自警団が来たか、一旦引く。

まだ、この町でやらないといけない事があるし)

私は背中を向けて、走り出していた。

鎖に掴まれた店主は、力なくその場にしゃがみ込んでいた。



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