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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
四話:正義と復讐と
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最強の矛、魔銃イフリート。

最強の盾、無敵の服(カヴァーチャ)

この二つを持ったロブ・ロイは、圧倒的で最強だ。

最悪の組み合わせのロブ・ロイと、私は戦わないといけない。


周りには、赤い赤ん坊のブリギットが浮いていた。

浮いていたブリギットは、私とロブ・ロイの戦いを呆然と眺めていた。

これが、本当に最強の兵器なのだろうか。

帝国屈指の錬金術師テールレスが作った、最強のゴーレムなのだろうか。


そんなことを、私に考える暇は一切ない。

私は、目の前のロブ・ロイに集中していた。


(炎が、ダメならば……)

銃弾を避けながら、私は攻撃のタイミングを伺う。

相手の魔銃イフリートは、射程距離が圧倒的に長い。


それでも一度魔銃イフリートと戦っていた私は、相手の攻撃間合いは分かっていた。

銃弾を放たれ、下に屈んだ私は一気に距離を詰めた。

鎖が、直接届く間合いに入った。


「ここから……」

ロブ・ロイの頭を目がけて、鎖を投げ飛ばした。

銃を構えたロブ・ロイは、反応が遅れた。

いや、反応しても全く動かなかった。


そのまま私の鎖が、ロブ・ロイの頭に当たった。

当たったが、ガンと鈍い音で弾かれた。


「無駄だよ、この服を着ている以上、私は無敵だ。

お前の攻撃は、全く効かない」

ロブ・ロイに、全くダメージが与えられない。

傷一つ、つけることさえできない。


(あの無敵の服を、何とかしないといけない)

だけど、私にはどうすることもできない。

鎖の炎も、鎖による攻撃も一切効かない。まさに無敵の服だ。


(ダメよ、これは無理)

倒す方法が、何一つ無い。

それでも、私は笑っていた。


「何がおかしい?」ロブ・ロイは不機嫌な顔を見せた。

「これだけ絶望的だと、とても殺しがいがある。

お前はまさに、私が十年もの間追い求めていた仇だ。敵だ」

「諦めないのか?」

「諦めるものか。私は地獄の底から、ここまで必死に這い上がって来たんだ。

お前のことを、殺すことだけを夢見て」

勝算は何も無い、だけど自分を奮い立たせるハッタリだ。

鎖を振り回して、とにかく傷一つでもつけるしかない。


(そうだ、私はこの日を待っていた。

ロブ・ロイを殺すことだけを、ひたすらに待ち望んでいた)

間合いに入った私は、何発も鎖でロブ・ロイをぶつけた。

だけど、見えない壁がロブ・ロイに攻撃を一切通さない。

当たっても、ガツッと鈍い音が聞こえていた。


「無駄だ、諦めよ」銃口を構えて、私に放つ。

距離を詰めたので、魔銃の一撃が飛んできた。

距離が短いので、放たれる三発が私の服をかすめた。


「ちっ」舌打ちの私。

魔銃(イフリート)は、発射までが早い。

ロブ・ロイと近いこの距離では、避けるのがかなり難しい。


「しかし残念だ、この戦いを多くの群衆に見てもらいたいモノだ。

私が、一方的にスプリッツアを虐殺するこの戦いを」

「なぜ、処刑にこだわる?」

「帝国を潰す為。ガルムは帝国に変わり、新たな世界の支配者になる。

その歴史を、多くの人に知ってもらうためだよ」

「馬鹿なことを言うな!」

「腐敗の進んだバレンシア帝国では、これ以上国を維持できない」

話ながらもロブ・ロイは、再び三発の銃弾が放たれた。

不意打ちのように放たれた銃弾を見て、私は避ける動作が遅れた。


だが、そんな私の前に一人の人間がいきなり現れた。

それは、全身金属鎧を着ていた丸い体の男だ。

大きな盾を持ったパラライカが、私を庇うように白い盾を構えて立っていた。



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