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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
四話:正義と復讐と
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046

(AOSAKURA‘S EYES)

広場のソノラの処刑は、大混乱だ。

すでに多くの人間が、騒ぎながら入り乱れていた。

ソノラを処刑するレックスと、ソノラを助ける『裏七英雄』とサラマンドルメンバー。


群衆は逃げ惑う者もいれば、味方をする者もいた。

だが、レックス軍の味方は思ったより少ない。

なぜか、広場にはさっきまでいたロブ・ロイがいなくなっていた。


「アオサクラ様、こちら側が空いているでござるよ」

「ええ、任せたわ!」

白い胴着に刀を持ったカミカゼが、戦いながら声をかけた。

水色の着物を着た私は、目の前の冒険者を一振りで倒していた。

切れ味鋭い朧月光の一撃で、次々とレックス冒険者を切り捨ていた。

広場との距離は、確実に迫っていた。


「やるべき事は、決まっている」

「ええ、拙者達のやるべき事はただ一つ」

ソノラを助ける、みんなの意志が繋がっていた。

だからこそ、怖い……強いレックスとも一丸となって戦っていけた。

それにしても、レックスの不満を持つ者は想像以上に多かったようだ。

カレドニアは、よくもまあこれだけ人数を集めた者だ。


「デオドアの客に……『火之鳥』の東国人、それからニコラシカの『自警団』も!」

「ええ、味方は多くて心強い出ござる」

「気を抜くなよ、このままここを押し切ったら……」

「ロブ・ロイの拠点、帝国の元領事館だ」

遥か先に見えるのは、大きな屋敷。

かつてマスタング家が、領主として住んでいた家だ。


それに、他のギルドの人間も加入した反乱軍。

レックスが実行支配を、嫌う者達の反乱はレックスを混乱させた。

さらに群衆の逃げる足と重なって、レックスの防衛を次々と乱していた。


だけど、それはあくまで弱い連中だ。

私は刀を握りながら、先を進む。

広場に近づくほどに、敵の強い人間が周りを固めていた。


「やはりお前か」

「ここを、行かせたりはしない」

周囲に周りが、冷たい空気に支配された。

そこにいたのは、水色のショートボブの中性的な男だ。魔剣士『スノーボール』。


青い長袖のシャツに、青いズボンを履いた男は水色の大きな剣を持っていた。

それは、彼が持つ氷の魔剣(スノーブラウンド)だ。


「氷の魔剣士、私はお前に負けてから戦い方を考えてきた。

お前と戦うその日を夢見て……」

「君達は、また氷漬けにされたいようだね」

スノーボールは、いつも通りの冷めた目だ。同時に隙も無い佇まい。

私は、朧月光を両手で握った。

何者も近づけない冷たい空気が、私と彼の間に流れた。


「今度は、お前に勝つ!」

「よかろう、また相手になろう。今度は完全に氷づけにしてやるけどな」

スノーボールも、私との戦いに覚悟を決めた。

だが、私は構えを変えた。懐を広げて、刀を引いて構えた。


「なんだ、その構えは?」

「これが、私の秘策だ」

私は、そのまま走り出した。スノーボールに向かって。

だけど、スノーボールはいつも通り氷の大剣を振るう。


「氷の柱よ、カノ者を貫け!『アイスピラー』」

氷の柱が出来上がり、私に向かってきた。

出てきた氷の柱は、容赦なく私に迫ってきた。

だけど、私はこの攻撃は一度見ていて慣れていた。


(横から飛んできて……下から)

私が走っていると、予想通りに足元から柱が出てきた。

だけど、それさえも横に飛んでかわしていた。

スノーボールの動きを見て、氷の柱の出現位置を見抜いた。


「なるほど、少しは出来るか。これはどうだ」

スノーボールの剣の振りが、逆手持ちに変わった。

だけど、剣の振りをみて私はすぐに気づいた。


(横から二つ、高い位置)

しゃがんで、二本現れた氷の柱を避けていく。

首を狙ったような柱の位置、やはり正確にこちらの位置を狙えるようだ。


だけど、私は前に踏み出した。

踏み出した瞬間、私の刀の間合いにようやく入った。


「この一撃を、喰らえっ!」

私の刀は、とても振りが早い。

スノーボールは、私の動きを見えた瞬間私の攻撃は終わっていた。

三日月のような曲がった刀を横に握ったまま、私はスノーボールの前に立っていた。


「何をした……んだ」

最初は何も変化がないスノーボールだけど、次の瞬間膝を突いて崩れていた。

崩れた瞬間、持っていた氷の大剣を落として私を見上げた。


「私の『月光斬』は、どうだ?」

「そうか、これが『裏七英雄』の実力か……」

呼吸を乱したスノーボールは、そのまま倒れていた。

リベンジに成功した私は、それでも広場を見ていた。


広場には、二人の女がいた。

一人は、ソノラだ。

もう一人は、銃を持ったカレドニアだった。




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