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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
四話:正義と復讐と
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(KAMIKAZE‘S EYES)

拙者は、何も成長していない。

また、負けそうになったら仲間を置いて逃げてしまった。


なぜ、拙者はいつも弱いのだろうか。

なぜ、拙者はいつまでも逃げ続けなければならないのだろうか。


拙者は、バー『デオドア』に戻っていた。

薄暗い酒場には、拙者の師でもあるアオサクラがカウンターにいた。

いつも通りの水色の着物を着て、焼酎を飲んでいた。


「おお、カミカゼか」アオサクラが声をかけてきた。

「アオサクラ殿」

拙者は、困った顔でカウンターに近づいた。

マスター、カレドニアはじっと拙者を見ていた。


「ニコラシカもいるわよ、カミカゼ」

「あっ」拙者の隣には、ニコラシカ。

アオサクラとニコラシカは、隣に座っていた。

白いスーツ姿の銀髪の女性は、優雅にワインを飲んでいた。


「カミカゼ、どうでしたの?」

「通り魔事件のアルゴンキンは、倒しました」

「まあ、そうでしたの」

「ですが……」

「ソノラの事でしょ」

ニコラシカは、ストレートに言い放ってきた。

銀髪のニコラシカの顔は、とても険しい。


「ソノラの処刑が、急に決まった。明日だそうだ」

「えっ、そんな」拙者はソノラの処刑を、初めて聞かされた。

アオサクラの口から、処刑の話まで出てきた。


「処刑は、どこで行なうでござるか?」

「広場だ」

「レックス主導なので、ござるか?」

「コスモポリタンの街は、レックスが実際に権力を握っている。

だから、彼らのやりたい放題で処刑も何でも出来る」

「そんな……」

「諦めるな」拙者の挫けそうな声を、アオサクラは凜として受け止めた。

前を向いたアオサクラは、拙者を席に誘導した。


「そうですわ、そのために集まって話をしておりましたの。

名付けて、『ソノラ奪還大作戦』ですわ!」

「そのままでござるな」

拙者はツッコミを入れると、なぜか不機嫌になるニコラシカ。


「ま、まあいいですわ。

それよりも、明日の奪還作戦に関してはあなたも参加するのですわね」

「ああ、でも……ニコラシカ殿が参加するとは……」

「わたくしは、まあその……友の幻術を……治してくださいましたし」

カウンターに座っているニコラシカは、照れていた。


「ああ、私もソノラ殿には助けられた。

彼女を助けるために、何とかしないとな」

「ですが、レックスの冒険者も広場にいるのではないでござるか?」

「それは、百も承知。

だから、作戦を練って注意を逸らして……ソノラを救い出して撤退することを……」

「それはできない」そこで口を挟んできたのは、女マスターのカレドニアだ。

藍色の髪をした女が、腕を組んで拙者達を見ていた。


「カレドニア……」

「もし、ソノラが……助け出されたらその場でロブ・ロイを倒しに行く。

ソノラは、ロブ・ロイの仇だから」

「知っていたのでござるか?ソノラの正体」

「なんとなくはな。ついでに、相棒(パラライカ)のことも」

カレドニアは、タバコをくわえた。

タバコに火をつけようとしたが、カウンターから立ち上がったニコラシカが止めた。


「やはり、ロブ・ロイを狙うことは」

「ソノラ……スプリッツアの意志。

彼女は体が動く限り、ロブ・ロイをどこまでも追いかける。

それに、レックスを広場で敵に回したらどのみちお前らもコスモポリタンで生きていけない」

「それはそうでござるが」

「決着を、つけなければいけない」

カレドニアは、火を諦めてタバコをしまった。


「決着ったって……」

「ソノラに、ロブ・ロイを殺させる」

カレドニアは、強い口調で言い放った。


「でも、どうやって?」

「私も参加するし……『裏七英雄』をここで使う。

私たち裏社会と、レックスの全面戦争にしてあげるわよ」

カレドニアは、宣言した。


アオサクラも、ニコラシカも覚悟を決めたいい顔をしていた。

なんだか、話がドンドン膨らんで大きくなっていた。

拙者は、そのまま話を聞きながらただ驚いているしか無かった。



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