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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
三話:通り魔狙撃手と暗躍と
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カミカゼの登場は、私の予想より少し遅かった。

だけど、カミカゼが来ることを私は信じていた。

白い胴着の若い男は、威勢良くこちらに向かう。

刀を握り、険しい顔で走ってきた。


「覚悟っ!」

カミカゼの方を振り向いたアルゴンキンは、迷うこと無く銃を構えた。

ためらいなく、振り向いて発砲した。


「おわっ!」叫ぶカミカゼ。

アルゴンキンの放つ弾丸が、カミカゼに真っ直ぐ飛んでいく。

慌てて立ち止まったカミカゼは、銃弾を避けて立ち止まった。

さすがに銃と刀では、間合いが違う。距離は、まだ少し遠い。


カミカゼの奇襲を、一発の銃弾で防いだアルゴンキン。

だけど、注意が逸れた時間があれば充分だった。

アルゴンキンの視線から外れた私は、静かに動いていた。

鎖を持ったまま、アルゴンキンに近づく。だけど、すぐに私に気づいた。


「動くな」銃口をすぐに構えて私を睨む、アルゴンキン。

数歩アルゴンキンと近づいたが、まだこちらの攻撃は届かない。

折れた鎖を握ったまま、アルゴンキンとにらみ合う私。


「こんな小賢しい手を、お前は用意したんだな」

「そうよ、私はどんな手を使っても勝つわ」

「二人組であっても、この距離を維持している以上お前達は攻撃ができない。

ましてやお前の鎖は、使い物にならない。

このまま、お前らはここで死んでもらう」

銃口を私に向けて、引き金に指を入れた。

同時にアルゴンキンは、引き金を引いた。

私はその瞬間、足元に鎖を投げ込んだ。


「何だ、まだ足掻くのか?」

アルゴンキンの発砲。

銃弾で、投げ込む鎖を簡単に弾き返した。

銃弾で撃たれた鎖は、地面に落ちてアルゴンキンの足元に落ちた。


同時に私は、静かに動く。

そのまま腰をかがめて、両手でちぎれた鎖を握った。

握った瞬間、私は革手袋で持った鎖が熱く燃えた。


「なんだ?お前……それは」

「知っている?この武器……魔錬成武具なの。

あんたの持っている『魔銃イフリート』と同じ」

「それがどうした?」

だけど次の瞬間、私が持っていたもう一本の鎖から火の線がこちらに流れた。

火の線は、ちぎれた鎖に向かって届いた。


届いた瞬間、火の線は鎖になった。

鎖になると、私の持っていた炎がアルゴンキンの足元に投げ込んだ鎖に流れていく。

落ちた炎の鎖から、アルゴンキンの体を燃やし始めた。


「私の鎖よ、炎になって焼き尽くせ。『チェーンオブフレア』」

静かに言い放った、必殺技にアルゴンキンは驚いていた。

「馬鹿な、これは……」嘆き声を出しながら。


「私の焔の鎖は、絶対に砕けない。

私が諦めない限り、私の相棒は負けることはない。

焔の鎖(チェインブレイズ)を愚弄にしたあなたは、チェインブレイズ炎に燃え死ぬ運命よ」

アルゴンキンを包み込む炎を、私はじっと見ていた。

カミカゼも、驚きと恐怖の顔で炎を見ていた。


「ソノラ殿、鎖は?」

「完璧に戻っているわ」

いつの間にか完全に復元した長い鎖を、私は持ちながら燃えるアルゴンキンを見ていた。

そばでは、カミカゼが驚いた様子で火柱を見ていた。


「カミカゼ、後は魔銃イフリートを回収しろ!赤い銃だ」

「ソノラ殿は?」

「私の後ろに一人、闇に潜んで隠れている鼠がいたから。

カミカゼ、銃を回収したらすぐに離れて」

険しい顔の私はそのまま、鉄板の積まれた山に向かって振り回した。


振り落とした鎖で、鉄板の山を吹き飛ばす。

吹き飛ばされた先には、一人の人間が姿を見せた。


直立不動で立つ男は、それはパパと同じ真っ黒な執事服を着た男だ。

短い黒髪に、眼鏡をかけた紳士の男を私は忘れるはずもない。

この顔の人物を、私はずっと追いかけてきたのだから。


「素晴らしい、見事な宮ぶりでしたよ」

執事服の男は、乾いた拍手をしていた。


「お前は、ロブ・ロイっ!」

私は執事服の男を、はっきりと睨んでいた。



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