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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
三話:通り魔狙撃手と暗躍と
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(???‘S EYES)

これは十年前の話、俺がまだ最強ではなかったあの日の話。

まだ俺が、二十歳だった頃の話だ。

凜々しい青年だった俺は、どこにでもいる駆け出しの冒険者だった。


かつて、俺はガルムというギルドに属していた。

世界最大級の人員を誇る、巨大なギルドの俺は一員だった。

コスモポリタン出身の俺は、ガルムの計画にガルムの人間として参加していた。

鉄の肩当てに緑のシャツ、茶色のズボンを着て緑の跳ねた毛の少年だ。

四角い顔で小麦色の肌だけど、若々しさの残る顔だ。


ポリタン山の洞窟があって、俺は探索をしていた。

土の地面が、とにかく歩きにくい洞窟だ。

俺はランタン片手に、山の洞窟を一人で歩いていた。

腰には、安物のショートソードを携えながら。


(フレアボムの配置か、この辺りだな)

ポリタン山の火山を刺激し、噴火を起こす。

これにより、フレイムタイトが大量に採れる寸法だ。それが、今回のガルムの計画。

名付けて、『フレアボム計画』だ。


だた、この計画には問題があった。

ポリタン山の噴火が起ると、麓にある街『コスモポリタン』にも被害が出る恐れがあるということ。

それでも、ガルムにはある計画が予定されていた。最もこのときの俺は知らなかったが。


(見つけたぞ)

洞窟を歩いて出てきたのは、真っ黒な魔導爆弾(フレアボム)

岩場に置かれた人工物が、ランタンの明かりに照らされていた。


この爆弾は、設置者の魔術によって起爆する仕組みだ。

安全に爆発させることができる、ガルム製の爆弾だ。


暗い洞窟の中で、ランタンの明かりを頼りに地図を見ようとした。

次の場所を確認して、爆弾の設置位置の確認と見回りだ。

だが、その爆弾は急に赤くなった。


「え?」起爆のスイッチが、いきなり入った。

入った瞬間、俺は背中を向けて走り出した。


(なんで爆発した?とにかく逃げろ!)

理由は、全く分からない。

起爆する時間は、僅か100秒だ。

とにかく逃げなければ、爆発に巻き込まれて消し飛んでしまう。


「走れ、俺!」ランタンを持ちながら、必死に走って離れた。

爆弾から離れて、100秒後……ちょうど爆発した。

洞窟の中で爆発すると、狭い洞窟の天井が崩れた。


「一体、何が起った?爆破ミスか?」

走りながらも叫ぶ俺だが、この洞窟には誰もいない。

他にも、この洞窟には何人ものガルムのメンバーが入っていた。


だけど、爆発があちこちでいきなり起っていた。

何らかのトラブルが起っているのは、間違いない。


(くそっ、どうする?)

洞窟の中で、爆発の音があちこちから聞こえた。

このままでは、洞窟に閉じ込められてしまう。

しかし、迷路のような洞窟で俺は道に迷っていた。


「地図を無くした」

ランタンで確認した地図は、既に岩の下敷きだ。

取りに行こうにも危険で、ここは諦めるしかない。

他にも爆発が、あちこちで聞こえてきた。


(どうにかして、この洞窟か出なければ……生き埋めはごめんだ!)

足を動かす、手を動かす。

必死に俺が走りながら、洞窟を進んでいく。


岩盤がドンドン崩れる洞窟、背中に天井が崩れていた。

恐怖を感じながら、それでも俺は出口を探していた。

走って進むと、俺の目の前には小さな広場に辿り着いた。

だけど、先に道はない。行き止まりだった。


「くそっ、行き止まりか!」

引き返そうとしても、すぐに後ろの道が閉ざされしまった。

崩れた岩が、道を塞いでしまう。俺に残されたのは一本の剣だけ。

走っていた勢いで、ランタンの火も消えてしまった。


「おいおい、俺はこんなところで死ぬのかよ!」

狭く薄暗い広場に、俺は閉じ込められしまった。

何か無いのか、死にたくない。俺は生き残る術を探す為に、周囲の広場を探した。

そして見つけたのが、怪しく光る真っ赤な銃が見えた。


「なんだ、この赤い銃は?」

俺は何気なく赤い銃を手にすると、頭の中から声が聞こえた。


「お前は、血を求めるか?」低い声が、

「は?何を」

「血を求めるか?」

「求める、求めるから今すぐ、俺を助けろ!」

なんでもいい、助かりたかった。

わずか二十年の寿命で、こんな洞窟で死ぬのはごめんだ。

だから、俺はこの謎の声に委ねた。委ねた瞬間、俺の右手には銃がしっかりと握られていた。


「血を求めよ、さすれば……お前に無限の力を与える」

何か熱い感情が、俺に流れてきた。

「意味が分からないが、とにかくアレを」銃を構えて、俺は撃った。

撃ったのは、崩れた大きな岩。

赤い銃で撃った瞬間、弾丸が勢いよく飛んで岩を砕いていた。


「道が……」

「血を求めよ、さもなくば……」

「ああ、やってやる。やってやるぞ!」

俺は赤い銃に感謝しながら、洞窟を走って前を走り出した。

生き残るためだけに、俺は銃を持ちながら走り出していた。



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