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鉄と炎の街  作者: 葉月 優奈
二話:新たな雄志と幻術士と
23/55

023

(SONORA‘S EYES)

――コスモポリタン南地区・中流住宅街――

夕方、日は沈みかけようとしていた。

時刻は、昼の四時半頃だろうか。

街に夕日が沈む中、私は二人で歩いていた。

いつもの相棒、パラライカと一緒に。


カミカゼとアオサクラは、別行動だ。

彼らも別の武器に、ガルサの魔法『ヴィジョンコラプス』をかけて探しに歩く。

タイムリミットは、あと二時間。あまり時間の猶予は、残されていなかった。


腰には、私の相棒であるあの鎖はない。

地面に垂らしながら、コスモポリタンの町を歩いていた。


今回のミッションは、夜七時までにコラーダを探さないといけない。

だから私は、地面に鎖を垂らして歩いていた。

金属鎧を着込みガチャガチャ音を立てたパラライカは、後ろからついてきた。


「なるほど、魔術ギルドに行ったのか」

「ええ、あなたは相変わらず単独行動かしら?」

私はパラライカに、冷たく言い放った。

全身金属鎧のパラライカは、無骨な顔で隣を歩いていた。


「しかし、ソノラ」

「何よ?」

「魔錬成武具『焔の鎖(チェインブレイズ)』の事は聞かれなかったか?」

「まあ、聞かれたわよ。ガルサという男に」

「そうか」ぼそりと呟く。


「あんたは、どこまで知っているの?魔錬成武具について」

「使える人間は、ある程度素質が必要なことぐらい。

チェインブレイズを、自分は使いこなすことが出来なかった。

どうやら、魔錬成武具には武具との相性が存在するようだ」

「嫌われているのね、アンタは」

私は前を向いて、鎖の反応を確認した。

『ヴィジョンコラプス』は、幻術のような強い魔力に反応する。

反応したら、鎖が赤く光って知らせてくれる原理だ。だけど、まだ一度も反応はない。


「魔錬成武具は、魔導具と似ているようで違う。

遥かに強い魔力で、この武器は出来上がっていた。

この魔錬成武具は、稀代の錬金術師『テールレス』が作ったモノ。

私も、これ以上のことは知らないけど……焔の鎖以外にもいくつかあるんでしょうね」

「だろうな」

「まあ、私にはこの相棒があれば問題ないわ」

私は鎖の反応を確認しながら、歩き続けていた。


「幻術殿、南地区は本当なの?アンタの情報でしょ」

「間違いないだろう、自分には優秀な知人がいる」

「アンタの知人って、一体どんな人なの」

「教えない」

「男か女かは?」

「教えない」

「女ね」私の言葉に、僅かに反応したパラライカ。

無骨な顔だけど、十年もつきあうとパラライカの事はなんとなく理解できるようになった。

嘘をつくと僅かにだけど、汗をかく。その汗を見逃さない。


「どんな人物なの?この町の人……よね?」

「ああ」パラライカは、ここは肯定した。

私もパラライカに対して、プロファイリングを続行していた。

そんな会話をしているときだった。


「光った」私の鎖は、いきなり赤く光った。

光った場所を見ると、何気ない黒い屋根の一軒家を指さした。

パラライカも、黒い屋根の一軒家をじっと見ていた。


「これが『幻術殿』か?」

パラライカが疑問を口に出すと、光った私の鎖がいきなり動き出した。

そのまま、一軒家の門に向かって飛び込んでいく。

飛び込んでいった私の鎖に、パリンとガラスの割れる音が聞こえた。

聞こえた瞬間、一軒家から黒いおびただしい風が吹き出してきた。


「なるほど……カモフラージュか」

「そういうことね」

黒い空気が抜けた後、一軒家は廃屋のようなボロボロの家が出てきた。

私はそれを見て、口元を大きく開いて笑う。


「見つけたわよ、レックスの匂いがプンプンするわ」

「気をつけろよ、相手は幻術士」

「分かっているわよ」狂気に満ちた顔を見せた私は、すぐに冷静な顔に戻った。

私とパラライカは、覚悟を決めて廃屋の一軒家に入っていった。


だが私たちはそのとき、まだ気づかなかった。

私の後ろから、もう一人の人間が尾行していたことを。



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