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2.ギルド内で

誤字脱字があれば教えてください。

城門を抜けると日差しの奥から壮大な街の景色が姿を現した。

手前には街が幾重にも連なっておりその奥には壮大な王宮がそびえ立っている。

(ここがギルドの総本部がある場所

ディザス・マローナ か。..すごい大きな町だな..)


この俺アダム・レイトは驚嘆しながらそう思った。

ここディザス・マローナは大陸に名を馳せる国の都市であり、

また冒険者なら一度は訪れるギルドの一大拠点でもあった。


元々出身の故郷はある島の何の変哲もない村だったので

城壁の中にこんな大きな街あるとは想像もできなかった。


そもそもなにも調べることなくこの地へ来てしまったので、ギルドがどこなのかもわからなかった。

城門の入り口付近で近くに地図がないかと思い探し続けていると、


「そこの白髪の長剣さん?初めてこの地へ来たのかしら?」

と、ソプラノボイスの綺麗な声が耳に入った。

声がした方を見るとレイピアを刺し、スラリとした体形の金髪の女が、

こちらを興味深そうに見つめながら立っていた。


「ん?ああ、初めてこの地へきてな、ギルドがどこかもわからないんだ」

「そう、マローナは一大拠点だしね。それに私も新しくこの地へ来た人は歓迎だし教えてあげるわ、

総本部ならこの大通りをまっすぐ行って右手に行くと、大きな建物が立っているわ。

そこよ。」


「そうか... ありがとう」

「いいのよ、じゃあ私はもう行くわね」

そう言って一足先に大通りの方へ抜けていった。


(......覇気が凄かったな、あいつ。

流石にこんなに人が集まる場所だと、一筋縄じゃ行きそうにもないか。)


「まあいいか!とりあえずギルドだな。

.........

.........

そういやあいつなんて言ってたっけna...?」


完全に相手のことに気を取られていたのでまるで話が入ってこなかった。

(地図、探すか..)

そう思いながら近くの地図を探すのであった。






ギルドに足を踏み入れると、喧騒が襲ってくる。

(すごい賑わいだな..ギルドの一大拠点ともなると人の量も尋常じゃない..)


中は広かったが受け付けは入り口に近かったのもあり容易に見つけられた。


「冒険者登録を頼みたいのですが」

「こんにちは、冒険者登録ですね?身分証をお願いします」


「...アダム・レイトさんですね。

年齢は19歳出身地はロハノ..ですか?」


「そうですね。 ...何か問題でもありました?」

城門でも同じことを聞かれたので自分の出生地に何か問題があるのかと思い心配になった。


「い、いえ!個人の情報を詮索する気はなかったのですが一度も見たことがない場所だったので..」

「まあ..その言葉の通り誰も知ら無さそうな、

ほんとに辺境の地ですね。 ここと比べたら何も無いに等しいですよ」

少し笑いながらそう答えると、


「そうなんですか、でも覚悟して下さいね!この街も広いのですごく大変ですよ..?」

受付嬢も、冗談めかしてそう答えてくる

「あ、何はともかく発行完了です!依頼を受けるなら掲示板からどうぞ!」


「ありがとう」

そうして新しく発行したギルドカードを見てみると自分の階級が明示されていた。

(Eランクからのスタートか.. 一歩夢に近づいたかな)

自分がここから始まるのだと思うと少しワクワクしてくる。


「さてと、まずは依頼からだな..Eランクは簡単だと聞いていたからすぐ抜けられそうだけど..」

そうしてしばらく掲示板の前でどの依頼を受けるか悩んでいた。






「ギルドカードは受け取ったの?」

そう後ろから声がしたので、掲示板から目を話して後ろを振り返ってみると、

入り口で案内してくれた金髪の女が俺の目の前に立っていた。


「うん?君も着てたのか」

「ええ、あなたに道を教えた後昼食を取っていたのよ」


「そうだったのか。あー...、さっきはありがとう」

「いいのよ。別に、無事ついてたみたいだしね。」

本当は全然聞いていなかったのだが、それを言うと怒られそうなので言わないでおいた。


「それよりギルドカードの発行は済ませたの?」

「ん?ああ、さっき終わったところなんだ」


「さっき?その割にはずいぶん長い時間依頼を眺めていたみたいだけど?

それに...あなた私が後ろにいたのに全然きずかないじゃない。」

じっくり見ていると、いつの間にか少し時間が立っていたみたいだった


「いやー..それがいろんな依頼があってさ、

さっきから後ろから凄い気配がするな、とは思ってたんだけどな..

まあ別に敵意は感じなかったしほっといた。」


「......

........きずいてるのなら少しは私に注意ぐらい向けなさいよ。」

少し押し黙ったがすぐに溜息をつき呆れた顔をして俺を見つめてきた。


「はぁ..それとあなた今見ているところAランクの依頼だけど...受けられるのはEランクだけよ?」

「え、そうなのか!? そんなの一回も説明されなかったけどな..」


「当り前じゃない!上のランクに挑戦できるわけないでしょう?

まずギルドの方で承諾してもらえないだろうし...

そんなことすると失敗するか、最悪..あなた、死ぬわよ。」

そう言って真剣そうに俺を見つめてくる。


「..?まあ、大丈夫なんじゃないか?

俺もわざわざ格上に勝負を挑まないしな。」


「あなたねえ...

まあ..でも一応君がそれでいいのだったら、Aランクモンスター事態は、

依頼を受けなくても戦いに行くことはできるわ。

別に依頼を()()()()()()挑戦できない。なんてルールはないしね。」


「確かにそうだな..ならそうするか」

それに、依頼を受けない方がやりやすそうだしな。」

正直依頼を受けると行動が縛られそうなので、楽に動けた方がよかった


「でもその分デメリットもあるわよ。」

「ん?他に何かあったりするのか?」


「デメリットはね。

まず一つ目にギルドの救助を受けられないこと。

3日たって何の連絡もなければ、王都の救助隊が出るわ。」


「へぇ、王国が動くんだな。」

ギルドの拠点だけあって王国も力を入れてるらしい。


「ええ、王国とギルドは連携関係を取っているわね。

2つ目は討伐したモンスターの報酬を受け取れないことね。

報酬も無いんじゃ、わざわざ高ランクモンスターを依頼を受けずに狩りに行く人なんて

そうそういないわよ。

....それに、あなたEランクでしょう?Aランクになんてほぼ勝ち目0よ。」


「どうだろうな。

これでも一人前には戦えるつもりだ。それに..もし危なかったら..全力で逃げる。」

 

「はぁ.....そう。」

「いいわ......気が変わったわ。あなたについて行ってあげる。

今日は午後からフリーだしね。」


「え、本当か!?ぜひ頼む。」

この金髪女は相当強いだろうし、ついてきてくれるならありがたかった。


そうして俺が手を合わせて頼み込んでいると、

「でも依頼は受けないわよ?

それであなたのランクが上がっても何の意味もないでしょ?」


「ん?ランク..?ランクあがんのか?」


「はぁ....まあ来たばっかだし、しょうがないわね。

いいわ。移動しながら教えてあげる。行きましょう。

私を連れていく貸しは高くつくけどね。」


そう言うと少し微笑みながら踵を返して出口の方へ歩いていった。

(貸しなんてあったのか...)

と少しめんどくさく思ったが今から戦える高揚感に俺の足も後を追い始めた



















部分別小説情報

掲載日2021年 12月29日 15時00分

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