1.始まり
「凄く壮大な城門だな...」
大きな城門を構えたディザス・マローナを見ながら俺はそう声を漏らした
「通行証を見せてくれ」
城門に見惚れていた俺に横からそう声がした
「ん?、あ、そうだったな..」
俺は通行証を見つけると傭兵に差し出した。
「はいよ」
「おう。ん?..ロハノ..?
あまり見ない出身地だな?」
そういうと傭兵は俺を詮索するようにじっくりと見てくる。
「....よく言われるよ。
ロハノはこの大陸から海を渡った島国だからなぁ..
ここに来る途中であった人たちの中でも、誰も知る人はいなかったよ。」
俺の出身地は辺境の地にある島国なので、
余り知る人はいなく、人里離れた場所だった。
「なるほどなー...珍しいと思ったが島国なら俺もあまりしらないな」
「ここに来る途中に合った人たちも誰も知らなかったからな..
元々あまり人が住んでいないから閉鎖的だったのかもしれない。」
「へえ..またそんなとこからここに来るなんてな。」
「別に他の町でギルド登録しても良かっただけどな...
どうせなら冒険者が盛んなこの地にしようと思ったんだ。」
肩をすくめてそういうと傭兵は少し驚いたように、
「へえー冒険者か、まだ若いのにたいしたことだな。
....良し、通っていいぞ」
そう言って確認が終わったのか俺に通行証を返してきた
「ありがとう」
「ああ、頑張れよ!
ここでは冒険者が一攫千金できる場所でもあるしな。頑張れば億万長者も夢じゃねえ!」
俺の肩をたたきながらそう言って激励してくる。
「億万長者か..それもありだな..
俺も金を稼いで楽しく暮らしたいな。」
「ははは、だろう?だが道のりは楽じゃないと思うぜ。
なにせここは世界の冒険者が集まってる。
勝ち残るには相当努力しないとな。」
「そうだろうな..」
その言葉通り恐らくギルドの一大拠点ともなればいろんな奴が集まってくるだろう。
(でもやってみないとわからないしな..)
「まあ、多分大丈夫だろ。
俺だって伊達に剣は振ってないつもりだしな」
そうして、少し歪な形をした剣の感覚を思い出すように握りこむ。
「随分な自信だな。
立ち振る舞いと言い、あんたどっかで名の通った冒険者なのか?」
「いや...ただの新人の冒険者だよ
別にこれと言って特技もない。」
若干スキルが特殊かもしれないが、何か特別な力といわれればそういうわけでもない。
「そうか...でも応援してるぜ!
お前さんにはなにか感じるところがあるしな!」
そう言うとニイッっと笑って俺を見てくる。
「まあほどほどに頑張るさ。」
少し冗談めかして俺もそう返し、光のさす方へ歩いて行った。
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