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答え合わせのようなもの  作者: 桜井ゆきな


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15/20

15. アンサー様の逆襲?

前髪をバッサリと切って正装をしたレオン様は、なんていうかもう恐ろしいくらいに美しかった。……わが家の侍女達や学園に着いてからすれ違った女性達は全員もれなく顔を真っ赤にしているわ。それに心なしか男性達もほんのり顔を赤らめている?


「緊張してる?」

「……レオン様が美しすぎて見れません。」

「サナ様に言われるなら嬉しいよ。」


レオン様は優しく笑って私をエスコートしてくれた。私達がパーティー会場に入ったのは卒業パーティーが始まるギリギリの時間だったからすでに皆が入場しているようだった。

突然現れた美しすぎる貴公子に会場中が騒然となった。


「サナッ!! 僕が鍛練の為、学園に来ていなかった間に身分が下のエミリア嬢を散々虐めた挙げ句、ついに階段から突き落としたらしいな!」


アンサー様! 会場中の視線がレオン様に向いている中で、家族の前でしたもう関わらないという約束を堂々と破って、しかも婚約者でもないエミリア様を帯同して冤罪を吹っ掛けてくるその根性! まったく尊敬できないけど凄すぎます。

それに以前より演技が上手くなってるけど、まさか謹慎中に演技の練習をしていた訳じゃないわよね?


「えっ? 嘘っ。めっちゃイケメン……。」


肝心のエミリア様がレオン様のお顔を見て恍惚とされているけど……。うっ。エミリア様も黄色いドレスを着ているわ。


「アンサー様。僕の婚約者を呼び捨てにした上に、ありもしないことを言って侮辱するのは止めてくれ。」


レオン様が私の肩を抱き寄せた。

その瞬間、女性達の悲鳴があちこちから聞こえてきた。


「サナの婚約者だとっ!? ……見たこともない顔だな! 伯爵家の僕にそんな口を利いて良いと思っているのか!」

「君は何を言っているんだ? 僕はレオン・ホワイトだ。まさか知らないとでも?」


レオン様の言葉に会場が一瞬静まり、すぐにさっきよりもずっと大きなざわめきになった。


「えっ!? レオン様ってあんなに美しかったの!?」

「幼い頃のままだわ!」

「顔を汚されたという噂は嘘だったのか!?」


会場中から色んな声が飛び交った。


「なっ……!? だっ、だがっエミリア嬢は確かにサナに階段から突き落とされたと! 傷痕が残ってしまっているから僕が責任を取らないと……。」


それでも諦めないアンサー様のメンタル強すぎます。隣のエミリア様はすっかりレオン様に見惚れているけど、気づいてないのかしら?


「サナ様が? エミリア様を? なぜ?」

「それは、サナが僕を好きだからだっ!」


アンサー様が大声で言った。鋼のメンタルすぎるでしょ。


「サナ様が? アンサー様を? 僕の婚約者なのに?」


レオン様はそう言ってさっきより強く私の肩を抱いた。あっ。鼻血でるかも……。


「そうよね! レオン様みたいに素敵な婚約者がいるのにアンサー様を好きになるはずないわよね!」


ざわめきの中で一際響いた声はクロエだった。そしてクロエの声が発端になって会場中が囁きで包まれた。


「確かにね。アンサー様も素敵だと思ってたけどさすがにレオン様にはねぇ?」

「断然レオン様に決まっているわっ!」

「はぁ。あんなに美しい方と婚約なんて羨ましいわぁ。」


ひぃぃ。本人達は囁いてるつもりかもしれないけど全部聞こえてる。アンサー様全否定。……これだけ否定されたらさすがにアンサー様の鋼のメンタルも……。


「だがっ! サナは確かに僕のことがっ!」


嘘でしょ? 全然挫けてない……。


「好きではないです。」

「はっ!?」

「私は、アンサー様を少しも好きではないです。」


きっぱりと言った私の言葉にアンサー様は固まった。

会場中が『そりゃそうよねー』という空気に包まれていた。


「でもぉ、私、本当にサナ様に階段から突き落とされたんですぅ。」


いつの間にか復活していたエミリア様が大きい目をうるうるさせてレオン様に訴えた。しかもいつもより話し方が甘ったるい。


「私、とっても怖くって……。」

「サナ様は学園でずっと僕か、クロエ様と一緒にいたけど?」

「……それは、えっと……。そう! 誰かに私を突き落とさせたんですぅ!」

「話にならないな。ついさっき君はサナ様に突き落とされたと言っただろう。」


エミリア様は悔しそうに唇を噛んだ。

……いくらなんでも雑すぎない? 本当にこんな計画で私を陥れようとしてたの? エミリア様が知っている未来ってこんなのが成功してたの?


「エミリア嬢を悪く言うのは止めてくれ!」


アンサー様不死身なの? しかもレオン様は事実を指摘しただけで、エミリア様のことを全然悪く言ってないけど……。

なんかこのやり取りってアンサー様達が諦めない限り永遠に終わらないんじゃ……。

私が頭を抱えそうになった時に、凛とした声が響き渡った。


「アンサー様。いい加減にしてください。見苦しいですよ?」

「なっ!? リッ、リーズ!! どうしてここに?」

「私だって卒業パーティーにくらい出ますわ。」


現れたのは、アンサー様の婚約者のリーズ様だった。真っ赤なマーメイド型のドレスを着たリーズ様はとてもキレイ。

私は思わず見とれてしまったし、会場中の男性陣のざわめきも広がった。


「こんな茶番は不要です。」

「……茶番だと?」


「私リーズ・ブラウンは、アンサー・ブルーノ様との婚約を破棄します!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白い!テンポも良くて読みやすいです。
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