12. 不吉な先触れ
「サナ? 大丈夫?」
お兄様? あれっ? 私……?
「レオン様はっ!? 私、レオン様と……。」
あれっ? 私の部屋? まさかあれは夢だったの……?
「サナ。落ち着いて? 突然真っ赤になって倒れたってレオン様が心配していたよ。連絡をもらって迎えに行ったんだ。」
「……私、レオン様に興奮しすぎて……。」
「まさかレオン様に何かされたの?」
「……告白を……。」
「……まさかそれだけ?」
「……えっ?」
「サナ? もしかして告白されただけで興奮して倒れたの?」
「うぅ……。」
「そんなんじゃこれから大変だよ?」
「これから?」
「告白どころかプロポーズされるんじゃない?」
「……なっ……。」
「倒れたサナに付き添っていてあげたいって言ってたからね? 婚約者なら出来るだろう?」
「お兄様。ダメ。それ以上言われたら、私また興奮して気を失ってしまいそう……。」
「サナ。おめでとう。サナが幸せそうで本当に嬉しいよ。」
お兄様はいつもよりももっともっと優しく言ってくれた。私は心が満たされていくようなとても幸せな気持ちになった。
「こんな日にこんなこと伝えたくないのにな……。」
「……お兄様?」
「ブルーノ伯爵から先触れが来たんだ。明日、アンサーと2人でわが家を訪問するって。父さんとサナに話があるそうだよ。」
アンサー様のお父様から? ……嫌な予感しかしないわ。
「お父様はお忙しいのに私のせいで……。」
「明日はたまたま休みの日だったみたいだよ? わざわざ父さんのいる日を調べて明日にしたんだろうね。でも、サナは何も心配することはないよ。僕ももちろん一緒にいるからね。」
「お兄様……。アンサー様は一体どういうつもりなの?」
「あいつが何を考えているかなんて俺にはさっぱり分からないよ?」
「だってお兄様は答えのようなものを知っているのでしょう?」
「いや、俺が知っているのはエミリア様の話だよ?」
「でも、私がアンサー様に暴力を振るわれそうになったと言った時にも驚かなかったわ。」
「ああ。それは今までのアンサーの行動を見ていたら、サナから与えられる魔法がなくなったら取り戻すために必死になるだろうことは納得できたからだよ?」
アンサー様ってそんなにヤバい人だったの?
「それにどうやらエミリア様達の知っている未来のアンサーと、今のアンサーだと様子が違うらしいよ。自分の知っている未来に固執しているエミリア様はそんなことには気づいてないみたいだけどね?」
「……らしい?」
「それよりもサナに1つお願いがあるんだ。」
次の日、アンサー様はお父様と一緒にやっていらした。
アンサー様のお父様は、侍女が紅茶を出すと同時に鋭い目で私を見て言った。
「サナ嬢! アンサーを攻撃魔法で攻撃するなんてどういうつもりだ!」




