どんぐりぼうやとすべり台
たかーいお山のてっぺんに、大きな木がありました。
大きな木の根元のほらあなに、どんぐりぼうやが住んでいます。
どんぐりぼうやは、小さな小さなどんぐりの子どもです。
ある日、どんぐりぼうやは、さんぽに出かけることにしました。
ころころ、ころころ、山を転がります。
ころころ。
ころころ。
ころころ。
ポチャン!
あっ、たいへん!
どんぐりぼうやはお池に落ちてしまいました。
「きゃー、だれかたすけてー!」
そこへ、子どもが一人、通りかかりました。
ののこちゃんです。
ののこちゃんはどんぐりぼうやを池から助けてあげました。
あー、よかった。
それから、ののこちゃんはどんぐりぼうやをハンカチできれいに拭いてあげました。
ごしごしごし。
「ありがとう、ののこちゃん」
『どういたしましてー』
「ねぇ、ののこちゃん、どんぐりぼうやと一緒に遊ぼうよ!」
『いいよー』
「どこに遊びに行く?」
『んー、こうえん!』
ののこちゃんとどんぐりぼうやは、公園に行くことにしました。
とことことこ。
ころころころ。
とことこ。
ころころ。
とことこ。
ころころ。
ののこちゃんとどんぐりぼうやは、小さな公園にやってきました。
「ののこちゃん、何して遊ぶ?」
『すべり台!』
ののこちゃんとどんぐりぼうやは、赤いすべり台で遊ぶことにしました。
「どんぐりぼうやが先にすべるね。いくよー」
ころころころー。
『つぎはののこの番だよー。すーっ! たのしいねー』
「どんぐりぼうや、もう一回すべるね。それっ」
ころころころー。
『ねぇねぇ、どんぐりぼうやは、どうしてころころなの?』
「あのね、どんぐりぼうやは丸いから、すべり台をすべろうとしたら、ころころ転がっちゃうの」
『ふーん』
「あっ、そうだ。ののこちゃん、どんぐりぼうやを抱っこして、一緒にすべってくれない?」
『いいよー』
ののこちゃんは、どんぐりぼうやを抱っこして、一緒にすべり台をすべりました。
『すーっ!』
「うわぁ、すーって滑ると楽しいね! ののこちゃん、ありがとう」
『はぁい』
「あ、ののこちゃん、そろそろおうちに帰る時間になったみたい。また遊ぼうねー。ばいばーい」
『ばいばーい』
ののこちゃんとさよならしたどんぐりぼうやは、おうちに帰りました。
そして、葉っぱのお布団をかけてねんねしました。
おやすみなさい。
最近、娘は滑り台が大好き。
大きな滑り台はまだ怖いので、近所の小さな公園の、小さな滑り台で遊んでいます。
それでも滑ってる時の顔は必死!