〜始まり〜
今回も自信作です。
彼は、無心でとにかく山賊と戦っていた。彼の名は、レシエル。流浪の旅人だ。今の状況になったのは、彼が山を登り降り次の山を登り降りしていた頃いきなり山賊が襲ってきた。
この山賊達は彼をいきなり襲いに来た。人数はざっと50名ほど、だがレシエルにとってこの人数は少ない方だったのだ。今までにも数多くの人と戦い殺してきたからだ。そして、彼が襲われて10分も満たないうちに全員斬り殺されていた。
そして、彼はそのまま次の山を登り近くに町があった。そのまま向かった。彼は、何人もの人を斬って来たためいつのまにか返り血を浴びないような戦い方を身につけた。
ここで何故彼が流浪の旅人となったか。話をしよう。彼は、元々貴族階級出身で父親は国の高官で母は、元々は金持ちの家出身だった。兄弟は三人いて、彼は末っ子だった。一番上の兄は医者で国の中でも評判のいい人だった。二番目の子は姉で、なんとこの国の王の側室なのだ。なので、父親は、外戚の力も持っていた。そして、最後にレシエルだった。レシエルは、国の高官になるために科挙を受けたが結果は落第。そのため、上の兄と姉にばかり、親は気にかけほとんどレシエルには気にかけてくれなかった。
そんな中、レシエルはいつも山の中にある小屋に訪れていた。その小屋には、レシエルの師匠がいた。名はリットス。元は国の総大将と言われるほどで、剣の使い手として有名だった。だが、国王に対して刃を向けるだけでなく傷を負わせた。
そのため、大逆罪に処され賜薬の刑に処せられた。そして、その毒を飲み死んだと思いきや、即死するほどの量を飲まなかったため、山に捨てられた後、意識がもうろうとはしていたが、戻りジタバタしていたところ旅の坊さんに助けられて一命をするとりとめたらしい。
そして、レシエルはリットスのいる小屋に毎日朝から晩まで剣だけでなく、弓に槍、短剣なども習った。そして、そんなことをしながら毎日過ごしていた。
10年後、レシエルは20歳になった。師匠とも10数年の師弟の中となっていた。ちなみに、兄は国王の主治医の地位につき、出世をし姉も側室が何人もいる中で一番上の側室になり、正室の次に偉い地位についた。
だが、そのころ農民がたくさん集まり一揆を起こしたのだ。それも国の農民半分ほどの人数が一気に朝廷の方に押し寄せていたのだった。朝廷内は大騒ぎになり、高官などは家族と共に逃げたり、自害する者もいた。国王は、成すすべもなく国を捨てて逃げたのだった。そのころ、レシエルの家族は、父と母は農民達が怖いからと言って先に逃げてしまい、兄はたまたま遠い村で診療をしていたため難を逃れ、姉は側室の中でも一番権力はあったが、逃げるにも護衛すらまともにおらず、たった1人宮殿に残ってしまった。
その一方でレシエルは、師匠と共に今日も稽古に励んでいた。だが、2人とも農民が一揆を起こしたこと、朝廷がめちゃくちゃになったことなど全て把握をしていた。
だが、レシエルにとって国はそこまで大事とは思っておらず、家族もおそらく逃げたのだろうと軽い気持ちで思っていた。同じようにリットスも思っていた。
そして、一揆が起きて10日後、朝廷を農民がとうとう襲撃した。残っていたのはレシエルの姉のみで後は囚人すらもいなかった。そして、農民達は、国の見せしめとしてレシエルの姉を殴る蹴るなどをして意識をなくさせた後、民衆の前で斬首し、見せしめとした。
それを、レシエルが知ったのはその斬首が行われた2日後だった。久しぶりに家に帰ってくるやいなや自分家は荒れてボロボロになっていた。もちろん他の周りの家も。そして、近くにあった掲示板ようなところに一枚の張り紙がしてあった。そこにはこう書かれていた。
「王の側室シエリルは、国の財産などを好き勝手に使い毎日我々農民が苦労しているのも知らず、ふざけたことをしたので、斬首に処した。」と書いてあった。
その時、レシエルの目から涙がこぼれ落ちた。確かに自分はシエリルのことを恨んではいたが、ここまで農民がするとはとても酷いと思った。そこで、急いで山に戻り師匠のところへ行った。
そして、師匠にこう言った。
「流浪の旅に出る。どうせ今の状況でこの国いたとしても朝廷には人が誰もいないし、ましてや農民が、朝廷の敷地から宮殿までを占拠してしまっている。この国にいても未来は見えない。だから、旅に出る」と言った。
そして、リットスはこの話を聞き、他に何も聞かずに快く受け入れてくれた。何もかもお見通しのような目で。そして、姉の墓地へ行った。墓地は、山の中の奥地で、猛獣が出るようなところにあるのだった。墓はかなり粗末で側室だったのかってくらい汚かった。そこで、姉の冥福を祈り一礼し、その場を去った。
その後のレシエルの兄や両親の行方は知らない。
そして、町につきこれからの飯や武器などを買い揃え宿舎に行った。
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