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砂漠の色  作者: savan
私と何かと何かと私
4/13

目指す場所



あれから336時間。


相も変らぬ色のない砂漠に、

ゆっくりと進む熱で歪んだ二つのシルエット。




「アーシャね、ネハ好き。ネハは冷たい、だから好き。」



楽しそうに聞こえる話声。



「私もアーシャが好きだ、熱いのは嫌いだがな。」



熱い砂漠の中そんなたわいもない会話をしている二体。


前をリズムよく歩くシルエットはネハで、

その後ろをフラフラとついて行ってるのがアーシャだ。




二体は歩く、

止まることなく。



「ネハは熱いのが嫌い、太陽が好きじゃないのは熱いから?アーシャも熱いのにそれは変。」




「説明がしにくいな……まぁそれはアーシャが私を好きになれば分かるさ。」



「アーシャはネハ好き……言葉間違えてる?」



「言葉は間違えていない、もちろん使い方も間違っていない。」



「アーシャわかんない……」



「今はそれでいいさ。」



たわいもない会話で口を動かす、

ネハはその決して面白くない会話をしながら、

楽しそうに足を前に運んでいた。



「ネハ楽しそう。」



「あぁ楽しいさ、生まれて初めて誰かと話しているからな。」



「ならアーシャも楽しい。」


二体にある共通の話題は、

何もないこの世界の話だけ。



そんな中でネハは500時間近くかけて言葉と使い方を教えている。






「アーシャとネハは何で歩いてるの?」



質問をするアーシャ、

この質問自体は13度目あるが、

アーシャは完全に理解するまで同じ質問を繰り返す。


自身が納得し、

ネハが頷くまで。



「目指す場所があるからさ、アーシャとその仲間たちはそこを目指して歩いた、そして今も歩いてる。」




「世界の果て、アーシャにはわからない。」



しかしアーシャにはわからない。

それを聞いたネハは立ち止まると、

アーシャの方へ振り向いた。




「実を言うとこれは私にもよくわからない、厳密に言うと理解はしているが観測していない。」




「アーシャには難しい……?」




「少し難しいかもしれないな、まぁ聞くだけ聞くか?」




「聞く。」





アーシャは少し静かに返事をすると、

その姿を見たネハは肩を下げ語りだした。





「とても昔、アーシャの仲間達の一人がこの世界は太陽のように丸いと言い出した。」




「……」



黙って聞くアーシャ、

それを見たネハは一息つくと、

再び語りだした。




「それが意味するのはこの世界の否定だった、皆この世界は掌の上のように有限の世界で、歩き続ければ終わりがあると思っていた。」



「……」



「しかしこれが参った事に、世界が丸いというのは否定し難い物になって行った。」



「……うぅ。」


何も言わずに灰色の空を見つめるアーシャ、

それを見たネハは少し心配そうにアーシャの手を握った。



「やっぱりやめとくか?」




「昔掌有限否定参った。」



分からない単語を復唱するアーシャ。


上の空という訳ではないが、

どうやら話を聞き続ける余裕はないらしい。



その姿を見たネハは少し悩むと、

簡単に話をまとめた。



「要約すると世界が有限だと証明するために歩いているのさ、この天の止まってしまった世界でな。」







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