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フラワーアルケミストと異世界旅行 作者:此峰 優
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引っ越し先は異世界

ご閲覧ありがとうございます。
そろそろ本格的に物語に力をいれないとつまらないですよね!
ゴリラなりに頑張ります…。
 俺は結局、まるでゲームやアニメの様なご都合展開で異世界に偶然呼び寄せられた。
 何か目的や関係がある訳でもなく、ただ偶然に…この場所、ニーズホッグとやらに来てしまったらしい。

 しかし俺はそれを不幸とは思わなかった…寧ろ逆なのかも知れない。

 向こうの現実では俺は(ひと)りだし…やることも毎日変わらない。
 両親も兄弟も居ない人世だ、急に居なくなったところで何も変わりはしないだろう。

 そう考えると、言語や文化は似通っているものの、全く別の世界であるこの世界の方がよっぽど魅力(きょうみ)があると言うものだろう。

 それに、俺は意外と文化や技術と言った物は実は大好きで、この世界のそう言った部分何かは徹底的に調べ上げたいと思っていた所だ。

 特に…錬金術何かは良い例だろう、これ程知りたいと思ったのは久しぶりだ。

 そこで俺はフィオラやリベルさんにお願いをすることにしたのだった。

 もう日が暮れる、周りは夕焼けの(あかつき)色に染め上げられ、外の花達も心なしか眠りに着こうとしている様子だった。

「フィオラちゃん、リベルさん…ちょーっと提案と言うか…お願いがあるんだけどさ…良いかな?」

「何ですか?リュウノスケさん?」

「どうなされました?」

「俺、多分このままだと帰れないと思うんだけどさ…それでも良いかなって思ってんのよ。」

「ど、どうしてですか!?
リュウノスケさんだって自分の中の家が…」

「それがだな…」

 俺は洗いざらい、包み隠さず彼女達に俺の事情を話すことにした。

 両親の事、向こうの世界の事…俺が向こうに未練が無いと言うこと。

 ここは現実何かより遥かに美しい…自然も、空気も、概念さえもだ。
 そう、まさに夢を見ている気分だ。
 そんな場所と、夢すらまともに見ることも出来ない…技術こそは発展した物の、効率と引き換えに美しさを失った現実では…俺にとっては天と地の差だ。

 まさにここは天…天空の花園って言った所だろう。
 誰がどうみたって言い訳できないよな、だって天空の大陸だし天で間違いないだろう?

 と、そんなどうでも良い懸念は振り払い、フィオラ達にはそれらを伝えた。

 彼女達は真摯にそれを受け止め、俺の思いを理解してくれた。
 親父の遺伝子なのか…溢れんばかりの、この世界へと抱く飽くなき探求心のそれを…彼女達は理解してくれた。

「では…リュウノスケさんは此方にそのまま暮らす…と言うことですね?」

 フィオラは確認する様に俺に言った。

「ああ…例え帰れる方法がまた見つかったとしても、俺はこの世界に留まる事を選ぶよ。
 何せ、面白そうな事がいっぱいありそうだからな!フィオラちゃん達の事も知りたいしさ?」

 にーっと笑顔で彼女に言った。
 クスクスと笑いながら、どうやら彼女も俺の選択に満更でもない様子だった。

 最初は別世界の住人だしあれかなーとか、迫害とかされたらどうしようと思ってたけど、そんな事は100%有り得なさそうで良かった。

「同じ言葉を話すのでこの世界の人間かと思ったのですが…まさか異世界の人でしたとは…。
 服装も我々の見たことのない物でしたし違和感はありましたが…。
 しかしリュウノスケ様…本当によろしいのですか?
 機械…と言う物で出来た街に、様々な文科や技術…それだけでもこの世界よりも優れた物だと感じます…それでもよろしいのですか?」

 リベルさんは再度、心配そうな目付きで俺に問い掛けてきた。
 確かに、この世界にはゲームやテレビ、インターネットも無い。

 それどころか薄暗くなってきても灯りは灯籠の様な物で済ませている。
 夜でも朝みたいに明るい東京何かと比べたらよっぽど不便だろう。

 だが…俺の気持ちは変わらない。

「リベルさん、確かに此方より優れた世界かも知れないけどさ…なんつーか、こっちの方が俺にとって興味が惹かれるものが多いんだよな。

 さっき教えてもらったその…鼠花(チューカ)何かもそうだ。
 動物と植物の狭間の存在なんて見たことないからな。
 それに…その、俺が(ことわり)だと信じてきた物を意図も簡単に、良い意味で裏切った錬金術何かもそうだ。
 これまでにない刺激…探求心、それに夢を見た。

 この場所には俺の知らないものがまだあるんだろ?
 何せ親父の血を引いてるからな…それだけでもこの場所に留まるのに十分って訳さ。」

「成る程…あなたの決意をこのリベル・アストロランド…しっかりと受け止めました。」

完璧(パーフェクト)だろ?
理解してくれてありがとなリベルさん。
 それに…フィオラちゃんも。」

 リベルさんもフィオラも笑顔で俺に頷いた。

 これで…決まりだ。
 本当は田舎に引っ越すつもりだったが…とんだ夢物語の世界に引っ越すことになっちまったな。



「さて、ここに居ることを決めたのは良いんだが…宿とかはどうすっかなぁ…いつまでもリベルさん達にお世話になるわけには…ねぇ?チラッ?チラッ?」

 少しわざとらしく二人を横目で見てみる。
 すると、ぷぷっと吹き出して、笑いながらその合図(しせん)に答えてくれた。

「ふふ…心配せずとも、ここに居て貰っても構いませんよ。
 この家には空き部屋が余ってますので好きに使って下さいね?」

「ラッキー!流石リベルさんあざまーす!」

「シリアスになったり急に元気になったり騒がしいお人ですね…ふふ。」

「それが俺の売りなんだよ、理解して(わかって)くれよな?」

 にひひと笑いながら意地悪くウインクして見せた。
 お調子者な(そんな)俺でも優しい微笑みでリベルさんは見ていてくれた。

「貴重な来客をみすみす野晒(のざら)しにするわけには行きませんからね…それに…お嬢様もそれを望んでいる様ですからね。」

 と、そこまで言った所で、俺の胸に思い切りフィオラが飛び込んできた。
 ビックリして腰をついてしまったが、お構い無しに上に飛び乗って満面の笑みを俺に向けていた。

「どわ!フィオラちゃん!?」

「嬉しい!一緒に居られるなんて!私ももっとリュウノスケさんとお話とかしたかったのです!
理解してくれる人も居なくて…ずっと寂しかったんですよ?」

「フィオラちゃん…」

「でも!リュウノスケさんが居てくれれば寂しくないし、リベルさんだって!ね!?」

 勢い良く振られたリベルさんも、満更でも無さそうに頷いた。
 ここまで喜ばれると何だか恥ずかしくなってくるな。

 そして、馬乗りのまま、彼女は太陽の様な笑みでこう言ったのだった。

「これからよろしくね!リュウノスケさん!
あと…その、フィオラって呼んでください…もう私…子供じゃ無いんですよ?」

 あざとい顔で俺を見つめる。
 俺とした事が…その姿に少しドギマギしてしまった。

「お、おう!じゃあ…フィオラ。」

「…はい!」

「これから…よろしくな!」

「ふわぁ…!はい!リュウノスケさん!えへへ…」


 こうして、竜之介は偶然が産んだこの運命を彼自身の興味ゆめの為に辿ることになった。
 偶然でも良い、今あるこの時間(とき)を自分は選ぶ…と。


 これが無関係で悪戯な偶然ではなく、全て繋がっていた真実から生まれた運命であることを…まだ彼等は知らなかった。





「あ、あとフィオラ…ちょっといいかな?」

「はい!何でしょうか?」



「絶対に他の男の人には馬乗りになって、子供じゃないんだよ…?とか!そんな可愛いあざとい顔で言っちゃダメだよ!?
 汚いホース付けた汚い馬面のおじさんに連れてかれても知らないからね!?ホース(・・・)だけに!?」

「えっと…よく分からないのですけど…はい!
これからはリュウノスケさんだけにしますね!」

「うんうんそう!!
いやッッ!違うッッ!俺もダメ!
 破壊力高すぎるから!お兄さんもホース爆発しちゃうから!ね!?」

「???」
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