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高校入学、ゲーム開始

 そうして翌日。送迎の車に揺られて到着しましたのは、これからわたしが通う『桜花高校』。小学校は草、中学校は樹、高校は花の名が着いているのです。桜花高校は、この近隣では格式も学力ももっとも高い学校なのです。

 そのため、ここにはわたしのように家の格が高い場合は、多少学力が低くても入学することもあるのです。


 ……ただ、どうも、この風景に見覚えがあるような、ないようなーー。



「きゃっ!」

「ああ、すまない。大丈夫かい?」

「はい、平気です」

「あれ、君は……」



 ……あれは、ゲームのプロローグ?


「おい、大丈夫かよ⁉」


 一気になにかが記憶の底から溢れだして……そのまま意識を失ったようでした。

 ……ただ、その時に感じた温もりに、自分を失わないようにとしがみついて……。



 ……そうです。ここは、わたしが生前楽しんでいたゲームの設定と同じなのです。

 正直、死因などは覚えておりません。生前のわたしが何者だったのかさえ、ぼんやりとしています。ただ、このゲームについては、よっぽど好きだったのでしょうか……。よく、覚えているのです……。あ、乙女ゲームでしたけど、恋愛目的ではなく、もふもふ目的でした。……登場人物ヒロイン除いて、みんな動物変化できましたから。ちなみに今のわたしが動物化すると、漆黒の毛皮に金の瞳。足は白い靴下を履いたようになりまして、身内いわく可愛らしい子猫ちゃん、だそうです。



 さて、ここでゲームについて思い出してみましょう。


 たしか、攻略対象は四人。うち一人はわたしの兄。わたし自身はヒロインのサポートキャラで、兄のルートのみライバルキャラに変更、でしたね。……あ、そうしますと、わたしは両親の出した「兄を捜せ!」は終了といえますね。それに、サポートキャラも、あまりやる気はしませんね。

 まあ、ライバルキャラにもなりませんが。わたしは鷹のお兄様のに対して、シスコンになる予定はございません。

 逆ハーもありましたけど、まあヒロインは稀少な人族なのでこれまた法律上も問題なしですし、まあ好きにして下さいってところでしょうか。


「……ちなみにヒロインって誰?」


 ヒロインですか? 人族でデフォルト名はたしか「七宮百合香ななみやゆりか」でしたね。


「攻略対象は?」


 えっと、たしか鷹宮洋司たかみやようじお兄様、狼宮白牙ろうみやはくが様、竜宮琉斗たつみやりゅうと様、そして虎宮こみやミトラ様、の四人ですね。何故竜が居たりするのかは謎ですが。


「……ふーん。ちなみにお前の好みは?」


 やっぱりもふもふ度のたかい、虎宮様……ってあれ? わたし、誰と話して……!?


 パッと起き上がりますと、ゴチン! と大きな音が響きました。……どうやらおでこがぶつかったようです。しばらく、わたしも相手の方も悶絶してしまいました……。


「すっごい、石頭だな」

「その台詞、お返しいたします」


 改めて、目の前の男性を見つめる……って、え!?


「……虎宮様?」

「おう」


 ……えっと?


「倒れかけたお前を保健室ここに運んだのはおれだから。ついでに手も離してくれんから、そのまま入学式もサボりだな」

「そ、それは申し訳ございません!」


 最初っからやっちゃいました!


「んで、この世界の事だけど」

「あ、いえ、思いっきり寝ぼけてましたので……」

「おれも記憶にある」


 ……はい⁉


「妹が前世でハマってたヤツだな。アイツは男嫌いで、今はTSしたことで、男に迫れられない、女の子を落とせるって、大喜びしてたけど」


 ……そういうこともあるのですね。


「で、だ。おれは攻略対象で間違いないようだ。だけど、攻略されたくはない」

「……ヒロインさん、結構美人さんでしたけど?」

「……おれはハーレムも逆ハーも嫌いだ」


 さようで。


「で、お前もゲームには関わりたくない、ってことだな」

「はい」


 面倒ですからね。


「なら、おれと婚約しろ」

「……はい?」

「おれは家の連中に、さっさと嫁を決めてこいって言われている。そこに人族の娘が近づいてきたら、これ幸いと強制的に婚約させられる可能性がある」


 ああ、人族の子は子供ができやすいんですよね。


「猫族の宮であるお前なら、こっちの家の連中も黙らせられる」


 猫と虎。系統が同じだと、やっぱり子供は生まれやすいようですから、そうなりますね。

 ましてやわたしも虎宮様も共に一族のトップに立つ宮の称号を持ちますからね。そうなれば双方とも喜んでこの縁談をまとめようとするでしょう。


「……あの、ちなみにいつまで?」

「お前に他に好きなやつでもできるまで、だ。おれはお前のことが結構気に入ったからな」


 そういって、わたしの髪と耳をなで始めました。いや、手触りがよいとはよく言われていますが、ちょっとくすぐったいです。


「……わかりました。ただし、後で虎宮様の本性での姿をもふらせてくださいね」


 もともとわたしは猫好きです。虎なら余計にもふれるでしょうから、楽しみです。


「決まりだな!」


 ニッと笑った虎宮様に、わたしも笑いかけました。……もともとゲームで一番好きだったキャラです。ゲームとは性格が違ってますが、個人としてはこちらの方が好みです。

 他のゲームキャラは放っておいて、わたしは虎宮様との友好を深めることにしましょうか。

この二人、前世でも知り合いで、両片想いをしていました。

ミトラの妹は、それを呆れつつ見物していました。

詳しくは次回。

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