1/3
おわり 真奈子
「俺は、次の誕生日に死ぬことになってるんだ」
久しぶりに会った恋人の口から出た言葉が、私の眼球を抉った。
「光希、それってどういう意味?」
「時間を売ったんだよ。高校生の時に」
意味がわからない。時間を売るとはどういうことなのか。
私は光希にかける言葉を見つけることができず、ただ彼を見つめていた。
「真奈子もいつか遭うんじゃないかな」
遭うって、何に?
「時間屋っていってさ、そいつに遭うと自分の寿命を売ったり買ったりできるんだ」
そう話し始めた光希の口からは、私の世界をどんどん壊していく言葉しかでてこなかった。




