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仲の悪いパーティー

 ポッチャリ顔のプリーストは、バーンの姿をみとめると、

「バーン、来たのかい。だったら、一緒にカードゲームをしない?」

「カードゲームか。下等な営みだな。しかも、こんなコソドロ相手に……」

 バーンは吐き捨てるよう言った。コソドロと言われたのは、何だかよく分からない人相の悪い男。侮辱的な発言に対しては、当然、黙ってられるわけがなく、

「誰がコソドロだ! おまえの剣術の腕前だって、子供のチャンバラ程度だろうが」

 その場は険悪な空気に包まれ、一触即発となった。


 取り込み中ではあるが、ここで、バーンとマリーナ以外の四人を簡単に紹介しておこう。

 ポッチャリ顔のプリーストは、エディ・ケロッグ。バーンとは幼馴染みであり、義兄弟的な仲にあって、お互いに自分の方が兄貴分だと思っている。エディは、最高秩序神の神官すわなちプリーストとして修行中の身であり、回復魔法の使い手でもある。なお、プリーストの常として、武器を取っての戦闘は、できなくはないが得意ではない(むしろ戦闘には向かない)。

 背が高いが痩せた魔法使いは、サイラス・スクーター。親は帝都の富豪であり、青少年時代は不自由なく育った。魔法の才能があり、魔法アカデミーで学ぶ。親は魔法アカデミーに残っての栄達を望んでいたが、サイラス自身は魔法を活用して人の役に立ちたいと思い、あるとき、ふと思い立って旅に出た。バーン、エディ、マリーナとは、とある事件を機に知り合い、「バーンを見ていると笑いに不自由しない」という理由で、一緒に旅をしている。

 ひげモジャのドワーフは、ジギスムント・ゲルトシュミット。元々、サイラスに用心棒として雇われており(ただし、報酬はサイラスの親から出ている)、自身がサイラスとともに旅をしているとき、バーン(及びエディとマリーナ)と知り合い、サイラスとのセットでともかくも合流することになった。自らの思想信条としては、真の武人を目指し、それ故に、自分自身の身長より大きいくらいのバトルアックスを振り回し、多くの敵を打ち倒すことに執念を燃やしている。

 何だかよく分からない人相の悪い男は、チャーリー・ウッズ。クラスとしてはシーフであり、腕は抜群に良いとは言えないが、それなりに技術は持っている。パーティーには最後に加わったメンバーである。バーンとは非常に仲が悪く、お互いに相手の技術を必要としているわけでもない。ならば、パーティーから脱退してもよさそうでなものだが、この辺りの事情を詳述すると長い話になるので、今はこの程度にとどめておこう。


「ちっ、やってられないぜ」

 チャーリーは立ち上がり、ほんの数秒間、バーンをにらみつけると、その場を外した。他のメンバーは(マリーナを除き)、「いつものことだが、やれやれ」という顔で、チャーリーの後ろ姿を見送っている。

 ちなみに、マリーナはバーンにべったりと体を寄せ、

「あんなコソドロ、簡単にやっつけちゃえばよかったのに」

 なんとも…… なんとも言いようのない面々である。

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