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不倫の果て  作者: 遠藤良二
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後輩の頼みと、二人への交錯した僕の気持ち。

僕と金髪の女性との関係性は……?

 僕は昨夜、妻には連絡もせずに仕事帰りにある人物と会っていた。


美紀からのメールには気づいてはいた。


だが、新入社員である後輩にあることを頼まれて用事を済ませていた。


なので、返信する時間がなかった。


それは、友達を家まで乗せてきてほしいというもの。


今年、入社する予定の野澤愛という22歳の女性が僕に用事を頼んだ張本人だ。


僕もそんな用事はことわればいいものを、うけてしまった。


理由はひとつ。


僕が野澤愛に好意を抱いているからだ。


どこに惹かれたかといえば、まずは目鼻立ちの整ったきれいなルックス。それから出ているところは出ていて、締まっているところは締まっているという抜群なスタイルの良さ。


性格のほうでいえばやや、おとなしめなところ。


そんな彼女が僕に目がほとんど見えない友人を地下鉄の駅から連れてきてほしいというのだ。


愛は、その友達を見つけ出す目安として、金髪であることと、容姿を僕に伝えてきた。


だから、駅のホームで初対面の金髪の女性と手をつなぐことになった。つながないと、僕の車までたどりつけないから。


でも、既婚者である僕が違う女性と手をつないでいたという現場を誰かに見られたらどうしよう、という思いはすくなからずあった。


それこそ、ないとは思うが美紀に万が一見られたら殺されると思った。


そんな、うしろめたい気持ちをかかえながら僕は名前も知らない金髪の女性を車に乗せ、野澤愛の自宅まで送った。


僕はそのあとすぐに、美紀の待つ自宅へとまっすぐ帰った。





今、思い返せば愛は結構、図々しいところがある。


頼みをことわらなかった僕も僕だが。


 ちなみに、愛は僕と同じ大学を卒業したようだ。


その後、このスーパーマーケットに入社してきた。


彼女は僕とは違い、好きなことがあるという。


それは、読書だと言っていた。


僕の中で本が好きな人というのは、地味な感じがする、という印象があるが愛は違う。


小さい頃から本が好きで、祖父母に絵本や、字の大きめなものを買ってもらっては一気に読んでいたという。


今でも本は好きな様子で、自宅でひまなときは読みふけっているらしい。


そういう内気そうな性格の愛だが、男好きな面もあるようだ。


彼女との出会いはもちろん、このスーパーに入社してきたからで、まだ研修中で二ヶ月目だ。


そんな中、僕は愛を一目みたときから気になってしまった。


もちろん、妻の美紀の存在を忘れたわけじゃない。


愛との出会いが僕の心を揺さぶったのだ。


言い方をかえれば、新鮮なのかもしれない。愛の存在が。


それゆえ、印象深さは愛は美紀に劣っていないと思う。




二人への想いが交錯し、僕の気持ちは混乱した。


そんな気持ちで僕は風呂からあがった。


服を着て、居間に行くと美紀が不機嫌そうな表情でテレビを見ている。


何を考えているのだろう。


僕はバスタオルで髪を拭きながら美紀の座っているソファの空いているところに座った。


「ねえ、孝平。ちょっと、話があるんだけど」


そう言われ、僕の心臓の鼓動が少しずつ早くなるのを感じていた…。













僕の妻の美紀が口にした「話しがある」とは一体……?

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