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不倫の果て  作者: 遠藤良二
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相澤先輩への謝罪

 あれから相澤先輩から電話がかかって来た。


なぜ、あんな嘘を森末についたのか、もしかして、腹いせか、とまで言われた。


確かにそう。


私に強い口調で言って来たから頭に来て、森末さんをだまして利用しただけ。


相澤先輩は私のもの。


でも、腹が立った時は別。


仕事では、尊敬に値するくらいの人物。


だけど、いざ休憩時間などで一緒にいる時はまるで、年下の男といるみたいな感覚になる。


まるで、子ども。


そこが、可愛いと言えばそうなのだけれど。




そんなことを思い出しながら、品だしの仕事をしていた。


きっと、まだ、相澤先輩は怒っているだろう。


彼は今日は休みで店にはいない。


ちなみに今日が水曜日だから、ランチの約束をしているのは明後日。




今日は休憩室で、お昼休みを過ごした。


森末さんも一緒の時間帯に休憩に入ったので、彼の横に座った。


周りにもパートのおばさん達が数人休憩に入っていた。


どちらからも話しかけることはなく、ただ、テレビを眺めていた。


休憩に入ってから三十分くらい経って周りに従業員はいなくなり森末さんと二人っきりになった。


そして、タイミングを見計らったように森末さんは話しかけてきた。


「昨日の話しだけど、相澤主任から何か連絡あったのか?」


森末さんはどんな気持ちで私に話しかけているのだろう。


「ありました。凄く怒ってました。腹いせかって」


「嘘…なんだろ…?」


図星だったので答えに詰まりそうになったけど、何とか話した。


「はい、すみません…。森末さんまで巻き込んじゃって…」


「まあ、正直驚いたけどな。まさか、主任がってね。俺は大丈夫だけど、謝ったのか?」


私は困惑した。


「いつも、穏やかな人だから強い口調で言われたそのギャップでつい、カッと来ちゃって…。やっぱり、謝らなくちゃいけないですよね?」


「そりゃ、そうだろう。愛ちゃんは、嘘をついたわけだし、二人がどういう関係かは詳しくは知らないけど、一応、上司だしさ。それに、これからもここで働くんだろうからやっぱり、謝るべきだよ」


「そうですね。わかりました」


こういう話しで休憩時間は終わった。




帰ったらメールしよう。


謝罪のメールを。


私はようやく、気持ちの整理がついた。


森末さんのおかげ。


そうと決まったら、退勤時間が早くこないかな、そして、早く先輩の許しを得て、また今までみたいに笑顔で仲良く過ごしたい、そんな想いだった。




 帰宅後、私は一心不乱にスマホをバッグから取りだし、メールを打った。



お疲れ様です。

昨日は本当にすみませんでした。

申し訳ない気持ちでいっぱいです。

出来れば許してほしいと思っています。

そして、また、今までのように楽しく先輩と過ごしたいです。



私は祈るような思いで送信した。


果たして私の想いは通じるだろうか……。







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