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不倫の果て  作者: 遠藤良二
12/24

妻のねぎらいの言葉で感じた僕の内心とは!?

 ランチはできるだけ早いほうがいいと思い、僕はシフト表を見ながら来月の始めの金曜日にいこうかなと、思った。


「あ、シフト、できたんだ!」


と、声をあげたのは美紀だ。


僕は自宅に帰ったあと、風呂にはいりご飯の前にビールを飲みながらシフト表をながめていたのだ。


「どれどれ、見せて?」


僕は愛との関係がばれるのではないかと、焦っていた。


そして、


「あたらしくはいった従業員って、この野澤愛っていう子なの?」


僕はうん、とだけ返事をし、あとはなにも言わなかった。


「ふーん…。後輩ってこの子なんでしょ?」


美紀はお見通しなんだな、と思い僕はおどろいていた。


再度、うん、と返事をした。


あまり、うそばかりついていると、ばれたときやばいと思ってベラベラ愛について話すのはひかえた。


でも、僕はそう思っているそばから、


「金曜日、休みになっているだろ?その日、店の同僚と昼飯食いに行くから」


といきなり、うそをついた。


ほんとうは同僚ではなくて相手は愛なのだ。


「わかった。私も友達とどこかにいこうかな。そしたら、お昼つくらなくてすむからね」


そうだね、と僕は言いながらビールを飲み干した。


シフト表を美紀から受け取り、明日、店で愛に会ったらさそってみよう。


今日の昼もさそったが、具体的にいつ行くとは話してないから。


それと、出張と称して愛とあそびにでかけるのはもっと時間がたってからにしよう。


僕ばかりが舞い上がってどこかにいくような話しはまだ早いし、妻の存在もある。


「さ、はやく夕ご飯つくっちゃおう」


と、なかばめんどうくさい感じがしたが、毎日じゃしかたないかもな、と思い僕は妻をながめた。


するとあることに気付いた。


それは若さだ。


長袖の黄色いTシャツに下が黒のジャージ姿をうしろからみていると、こんなこと口がさけても言えないが、やはり愛のほうが若いなぁと感じた。


それもそうだろう、愛は22で美紀は27で5つも上なのだから。


まあ、当然だがどちらにしろまだおばさんには見えない。


 そんなことを考えてから、僕は妻の作ったカレーライスを食べてから、さっき飲んだビールの空き缶を捨てた。


今日も一日つかれたな、と思っているとそれが表情にでたのか美紀は、


「なんだかつかれているようね」


「うん。でも、大丈夫さ」


美紀がそんないたわりの言葉をかけてくれるなんて…、と内心悪い気はしなかった。


けれど、美紀に対しては交際中のときのような気持ちはすでになく、ただただ、守ってやりたいという想いでしかなかった。


逆に恋愛感情があるのは愛のほうだ。


愛といると楽しくて楽しくてたまらないのが、正直な僕の気持ちだ。


それは愛と一緒に仕事をしていてもそう思う。



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