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不倫の果て  作者: 遠藤良二
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完璧に近い妻との結婚生活と僕の想い

 大学を卒業してから特にやりたいこともなかったので僕は北海道の札幌市にあるスーパーマーケットに正社員で入社させてもらった。


所属したのはデイリーという部門で、主にパンや冷凍食品、アイス、麺類や漬物等を販売していてその品だしや発注などを行っている。


 それから29歳になるまで僕こと相澤孝平は札幌で勤め先の先輩の紹介で知り合った女性、美紀と25歳の時に結婚した。


当時、彼女は二つ下の23歳だった。


 僕は、黒髪を真ん中で分けた髪型で、顔付きはシャープな感じでよく学生のころは鋭い目つきなせいか、因縁をつけられたことが何度かあった。


体型は結婚してからやや、体重が増え、少しだけお腹が出てしまった。


身長は180センチはあったはず。


妻は、肩の辺りまで伸びたセミロングの茶髪。


クールな感じの顔で、僕と似ていてシャープで整った顔立ちだ。


体型は細いラインの体つきで、胸は本人には言えないが小さめ。



 そんな感じの僕らだが、現在に至るまで、子供はいない状態。


付き合っている間も、今現在も、何不自由なく生活してきたつもりだし、どこに

でもあるようなごく普通の結婚生活だと僕は思っている。


しかし、『子作り』という作業は結婚してすぐに、激減した。


交際中はそういう行為はあったものの、今はそうじゃない。皆無と言っても過言ではないかもしれない。


僕はどちらかと言えば、そういったことは好きなほうだ。


結婚して、ある夜のこと。


僕は妻をいつものように誘ってみると突然、


「いや!したくない!」


と、叫ぶように言った。


一体、どうしたのかと思い理由を訊いてみた。すると、


「本当は嫌なの!今までは我慢してただけ!」


それを聞いて僕は「今さら、何言ってるんだよ!」と言いかけたがその直前でやめた。


まさか、自分の大事な妻を無理矢理やろうとするなんて馬鹿げた話だ。


もし、そんなことをしたら美紀がひどく傷ついてしまう……。


だから、それは避けた。


じゃあ、どうして嫌なのかということも訊いてみると、

「何か、汚い感じがする…」

という返答だった。



 その日を境に僕は、徐々に悶々とした日々を過ごすようになった。


逆に妻の美紀は何事もなかったかのようにしている。今まで通り、毎日の掃除・

洗濯・調理は、ほぼ完璧にこなしていると思う。


カーペットの上にはゴミひとつないし、チェックしているわけではないがテレビの台などの上を通りすがりに見てもほとんどホコリは見当たらない。


服やズボン、下着に至るまできちんと洗濯してあり柔軟剤の良い匂いがする。


ご飯の硬さにしてもちょうど良いし、おかずも良い具合に味付けしてあって美味しい。


生活していく際に妻としての役割りは申し分ないと思う。


だから、僕は何も言わなかった。


しかし、ただひとつ不満なのは夜の営みがないこと、それだけだった。


ただ、愛情まではなくなったわけではないと思う。


炊事、洗濯、掃除など、僕の身の回りのことまでしてくれているわけだから。


僕だって、妻にはひとつ不満はあるものの愛情はある。


だから、今まで生活してこれたんだと思う。愛情だけでは生活はしていけないし、お金だけあっても愛情がなければ結婚生活を維持していくのは難しい。


行きつく先はそのバランスが大事なんだと思う。


と、いうようなかっこいいことを考えているのは僕の方だけかもしれない。


美紀の方はというと、専業主婦なだけあって自分でその日のプランみたいなものを時には紙に書き出して行動しているようだ。


けれど、突き詰めて考えてみるとお金は僕が稼いでくるわけだし、愛情だってお互いある。


ということは、僕が考えるかっこいいことはすでに美紀には身についているのかもしれない。


そのようなことを考えながら今日のお昼休みは過ぎた。


一口残った缶コーヒーを飲み干し、自分の車から降り、勤務を再開した。

 



みなさん、こんにちは!

『不倫の果て』を読んでいただきありがとうございます!

感想やご意見がございましたらよろしくお願いします!

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