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転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
一学期編
8/80

怒られました

いつもの様にお兄様がクラスまで迎えにきました。

相変わらず注目の的です・・・入学から三ヶ月以上経つのになぜでしょう・・・

クラスメイトに挨拶をして屋敷にお兄様と一緒に帰ります。

・・・が

あれ?お兄様機嫌悪い?・・・目が・・・目が笑っていませんよ!?

帰宅路は会話もなく、気まずい雰囲気・・・えぇ~なんで~?(涙)


ようやく屋敷に到着すると、お兄様から着替えたら居間に来るように言われます。

自室で制服から普段着のドレスに着替え、足取り重く居間へ向かいます。

居間には、着替えたお兄様が待ち受けていました。

ひぇぇっ!!お兄様めっちゃ怒ってる~マジで何で怒ってるのよ~


「・・・マリア。そこに座りなさい」


う~わっ・・・地を這うような低い声ってこういう事!?

私はオズオズとお兄様の向かい側のソファに腰掛けます。

えぇ~?私ナニかしたっけ??心当たりがないよ~


「マリア・・・僕が何で怒っているかわかる?」


ひぇぇ・・・お兄様が『僕』って言ってる!!素だ・・・素が出てる・・・

私には心当たりがないから、正直に答えましたよ!!


「・・・いえ・・・お兄様はなぜそんなに怒っていらっしゃるのでしょうか?」


するとお兄様は一つ溜息をつきました。

壮絶な笑みを浮かべていますが、目が笑っていませんよ?とっっっても怖いです(涙)

よく考えますが、やっぱりわかりません。正直泣きそうです・・・


「今日、普通科1年の階でナニカ騒動があったよね?」


「騒動ですか?」


「そう『騒動』だよ。わからないかな?」


『騒動』にアクセントを置いてきましたね・・・

騒動・・・騒動・・・・・・あっ!!エリカ嬢のこと?


「えっと・・・それはEクラスで起こった騒動の事でしょうか?」


「そう。その『騒動』だよ。先生から報告があってね。マリアが目撃者だって」


うわ~先生・・・他の生徒に他言しないようにって言ってたのに、お兄様には言っちゃったんだ・・・


「・・・はい。本日は教室移動を伴う授業があったのですが、授業で使用するお道具をクラスに忘れてしまいまして・・・それで取りに行った際に・・・」


お兄様に簡単に説明しましたが・・・お兄様怖いよ!?

私だって好きで目撃者になった訳じゃないよ!?

平穏な学生生活を送りたいよ!?でも、リリウム様が冤罪に巻き込まれそうだったんだもん!!


「マリア。生徒交流会の時に、僕は言ったよね?彼女に近づかない様にって。マリアが巻き込まれたら父上と母上に顔向け出来ないって。忘れたのかな?」


あぁ~確かに、リリウム様にご挨拶に向かう前にそんな事言われたっけ・・・

だからかぁ~お兄様が怒ってるの・・・前々から感じてたけど、お兄様ってシスコンなのかしら?


「いいえ。覚えていますわ。ですが、謂れ無き事でリリウム様が責められるかもしれないと思ったら、黙っている事が出来なかったのです・・・お兄様にご心配をおかけしてしまった事は申し訳なく思います。ですが、リリウム様は私の大切なクラスメイトなのです!それに、真実が捻じ曲げられて伝わって欲しくなかったのです・・・」


あっ・・・視界がなんだか滲んでる。そしてお兄様がすっごく焦ってる。なんでだ?

なんてぼんやりと考えていたら、頬を涙が伝いました。

あ~お兄様が怖すぎて涙腺が耐えられなかったか・・・


「っ!!悪かったマリア。泣かないでくれないか?今回のことは父上たちには知らせないから。な?」


う~ん。女の涙は最強の武器って本当だったんだなぁ・・・

でもなぁ、心配かけちゃったし、王都にいる間はお兄様が両親の代わりだしな・・・

お父様たちに怒られるかもしれないけど、私のせいでお兄様が怒られるのもちょっと・・・


「いいえ。お兄様・・・お父様たちにご報告していただいて構いません。黙っていてお兄様がお父様に叱られたら私は自分のことが許せなくなります・・・」


だってねぇ・・・15歳の少年が前世を合わせてアラフォー女子の代わりに親に叱られるって・・・

責任逃れするのってちょっと・・・寝覚めが悪くなりそうだしねぇ~


「わかった。父上に手紙で今回のことを伝えておく。クラスメイトをかばってのことだと」


どうにかお兄様を納得させることができましたが、お父様たちはどうかなぁ・・・

子煩悩な両親のことだから、王都まですっ飛んできそう・・・



私の予想は正しかった!!

お兄様が手紙を送った3日後に両親揃って王都の屋敷にきました。

こんな事で!?って思ったら、お兄様からの手紙の他にリリウム様のお父様からと、ジェリク様からもお父様宛にお手紙が届いたそうです。

まぁ内容はほぼ同じでしたが。

お兄様からは、私が話した内容を記した手紙を。

リリウム様のお父様からは、謂われない罪を着せられそうになったのを助けてもらったと感謝の手紙を。

ジェリク様からは、婚約者であるリリウム様を守ってくれたと感謝と王宮での夜会の招待を。

・・・お兄様からとサフィール侯爵からの手紙の内容は別に良い。

問題はジェリク様からの手紙!!王宮での夜会の招待には両親となぜか私も招待されてました。

なぜだ?私はまだ社交界に出られないのに!!

お父様にそう訴えましたが、ここで衝撃の事実が発覚しました。


なんと、学園の普通科Aクラスに所属する生徒は、両親同伴で招待を受けた場合のみ夜会に参加しても良いと!!未成年だよ?夜会って夜でしょ?せめて昼間のお茶会だったら良かったのに!!

王家の。しかも王子直々の招待のため、お断りできません。もし断ったら不敬罪に問われかねません。

イヤダオーラを撒き散らしながら、私はお母様に夜会用ドレスを作るための採寸をしに別室に連行されていきます。

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