念のためです
自室へ戻ると、手紙を書くための用意をしてもらいます。
とりあえず、私はラジェル様とリリウム様兄妹にお手紙を書きます。
まぁ。私が書く手紙よりも、お兄様が書くお父様への報告の手紙の方が重要ですけどね~
あ!お兄様にはお父様への報告のお手紙と一緒に一応、サフィール侯爵様にも書いてもらわないと。
手紙を書き始める前に気づいて良かった~
お兄様のお部屋の扉をノックすると、すぐにお返事がありました。
「お兄様。マリアです。入ってもよろしいですか?」
「どうぞ」
お部屋に入ると、レターセットを前にどう書こうかと悩んでいるお兄様がいました。
珍しいですね?いつもならサクサクっと書いてしまうのに。
「どうしたんだい?マリアはラジェル殿とリリウム嬢に手紙を書くんじゃなかった?」
「今、手紙を書く用意をしてもらっていますので、お部屋に戻り次第書きますわ。それよりも、お兄様には念のためサフィール侯爵様へ口裏を合わせていただくようお願いのお手紙を書いて頂きたいのです」
「サフィール侯爵に?それは構わないけど・・・理由を聞いても?」
「お父様のことですから、お兄様からの手紙が届いたらサフィール侯爵様へ真偽を問うお手紙を出すのではないかと思いました」
「サフィール侯爵に?ラジェル殿ではなく?」
「はい。ラジェル様でははぐらかされてしまうと考えると思います」
「なんでそう思ったの?」
「なぜと申されても・・・う~ん・・・なんとなく?としか」
自分でも何いってんだ?って感じだけれど、本当になんとなくそうした方が良いと思ったんだよなぁ~
私の困ったと思っていることを、敏感に感じ取ったお兄様は、少し考えてからサフィール侯爵様にもお手紙を書くことを了承してくれました。
「わかった。マリアはラジェル殿に宛てた手紙で、サルファー宰相様に伝えてもらうように書くと言っていたけれど、念のためサフィール侯爵様にも宰相様に話していただくようにお願いしておこう」
「そうですね。それがよろしいかと」
流石はお兄様ですね。念には念を入れてってことですね。
ラジェル様とサフィール侯爵様への内容はほぼ同じになりそうですが、問題はお兄様がお父様に宛てて書く手紙と、私がリリウム様に宛てて書く手紙の内容です。
まぁ。お父様にはざっくりとした報告書的な感じで良いとおもいますが、リリウム様にはルピリア様とロベリア様へ釘をさして頂かなければならないですからね。
姉妹で国境を越えて手紙のやり取りをするのは、良いことだと思います。
ですが、それでお父様やお母様の逆鱗に触れなければ良いのですが、今回のお茶会の様に何も知らされずに手合わせさせられると、普段はあまり怒らないお兄様が怒りそうで・・・
普段、怒らない人間が怒ると怖いっていうしね。
とりあえず、自室に戻って手紙を書いちゃわないと・・・
はぁ・・・わが国の王族姉妹には困ったものですね。




