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転生したら乙ゲーのモブでした  作者: おかる
入学編
6/80

生徒交流会

クラス交流会から一ヶ月経ちました。一年生のみの交流会が終了すると、全校生徒の交流会です。

クラス別交流会では、婚約者のいない騎士団長子息のライアン様が、普通科学年交流会では婚約者が学園にまだ入学していない公爵家の三男アラン様がパートナーを勤めてくれました。

どうやら、アラン様のお兄様に手を回して私のパートナーに指名したみたいです。

だからね、お兄様・・・攻略対象がパートナーは困るんです・・・

普通科Eクラスとの交流会では、エリカ嬢が例によって凄い目つきで睨んできていましたからね・・・

ですが、今回は全校生徒の交流会のため私のパートナーはお兄様です。

遠巻きに皆さんからめっちゃ見られてます!

私は引き攣った笑顔を貼り付けてます!

私・・・お兄様に何かしたっけ?と若干意識を飛ばしながら考えてしまいます。


お兄様がクラスメイトと話している隙に、壁際へと避難します。

交流会が終わるまで壁の花で良いわ・・・なんかもぅ疲れてしまった・・・精神的に・・・

すると、ジェリク殿下の婚約者である、リリウム嬢が近づいてきました。


「マリア様。ごきげんよう」


「ごきげんよう。リリウム様」


挨拶をして、他愛無い話しをしていると、徐々に周りにご令嬢方が集まってきました。

まるで女子会ですね!!前世でも誘われたことはありましたが、妹最優先の私は全てお断りしていたのでかなり新鮮です!

気づけば、女子会になってしまっている壁際を遠巻きに男子生徒たちが見ています。

前世で流行っていた草食系男子か?

っていうか・・・騎士科の男子で婚約者がいない人はもっとこう・・・積極的に行かないと結婚できないですよ?

騎士団に所属したら、周りは男性ばかりで出会いが少なくなってしまうんですからね?

それを言ったらお兄様もだけど・・・まぁ、お兄様はご自分で見つけられなくても、お父様の所に縁談の申し込みが来ていそうですが・・・


ちなみに、両親は学園で出会っての恋愛結婚です。

だから、子供たちにも恋愛結婚をして欲しいのか縁談の申し込みは基本断ってます。

辺境伯だから基本的に領地にいますし、王都の社交界にあまり良い印象を持っていない感じなのですよ。

学園での事を聞こうにも、目が笑っていない怖い笑顔を向けられるだけです。

一体、学園在学中に何があったのでしょうかね?古株の先生に聞いたら教えてくれるかな?


女子会参加者たちが三々五々散っていくと、不意に悲鳴が聞こえてきました。

あの声はエリカ嬢ですね。一体何をしているのでしょうか?

声がしたほうを見てみれば、リリウム様とエリカ嬢が向かいあっていますが、エリカ嬢は俯いてしまってますね。

何事かと、二人を取り囲んでいる生徒に声をかけてきいてみます。


「一体何があったのですか?」


「あの俯いている令嬢のドレスに飲み物がかかってしまったようですよ」


「飲み物が?」


エリカ嬢を見てみれば確かに、ドレスのスカートに飲み物がかかった事による染みが。

すると、エリカ嬢が声を荒げてリリウム様に謝罪を求めます。

すると、周囲の生徒たちからざわめきが広がります。


「リリウム様酷いです!私がジェリク様とお話ししているのが気に入らないからってわざと飲み物をかけるなんて!!」


「一体何の事を仰っているのですか?貴女がぶつかってきたのではないですか」


う~ん・・・まさか、自分からぶつかっていってリリウム様が持っていたグラスから零れた飲み物がかかった?

最初から見ていたっぽい生徒に尋ねてみます。


「すみません。あちらのご令嬢が仰っているようにリリウム様がお飲み物をわざとかけたのでしょうか?」


「いいえ。あちらのご令嬢がリリウム様にわざとぶつかったのですわ。ぶつかられた際にリリウム様がお持ちになっているグラスからお飲み物が零れて、あちらのご令嬢のドレスにかかったのです」


なるほどなるほど。つまりは限りなく自作自演って事ですな。

しかし・・・男爵令嬢が第2王子の婚約者である侯爵令嬢に冤罪で謝罪を求めるって・・・

周囲の非難を込めた視線は全てエリカ嬢に向いているのですが・・・全く気づいていませんね~

事態を重く見た生徒の一人が先生を呼びに行きました。

エリカ嬢・・・またお説教ですね~(笑)

あっ!!Eクラスの担任が血相を変えて走って来ましたよ!!


「エリカ・リナライト!!また問題を起こして!!今度という今度は許されないからな!!これからご両親に学園に来てもらう!!ご両親が到着するまで指導室に居なさい!!」


「なんでよ!?私は飲み物をドレスにかけられた被害者なのよ!?」


うわ~まだ被害者を装っている・・・結構神経図太いなぁ・・・私じゃ絶対に無理だわ~

エリカ嬢の訴えは、最初から事の経緯を見ていた生徒によってぶった切られた(笑)

クラス別交流会に紛れ込んでいた時と同様に担任の先生にエリカ嬢は連行されて行きました。

その時、エリカ嬢のつぶやきが聞こえて来ました。


『私はヒロインなのに何で?』


ん?ヒロインなのに?聞き間違いかな?

首を傾げていると、お兄様が私の横に来ました。


「あの令嬢、かなりの問題児みたいだね」


「お兄様。問題児かどうかはわかりませんが、クラス別交流会にEクラスの彼女が混ざってましたよ?今日と同じように担任の先生に連行されていきましたが・・・」


「・・・そうなのか?あまり彼女に近づかないようにな。マリアが巻き込まれでもしたら、父上と母上に顔向けできない」


「お兄様は心配しすぎですよ?私とエリカ嬢はクラスが違うのですから」


「それもそうだな。さぁ交流会も終わった事だし帰ろうか?」


「そうですわね。ですが、帰る前にリリウム様にご挨拶をしてきます」


「わかった。待っているから早めにね」


「はい。では行ってきますね」


私はリリウム様のところへご挨拶に向かいます。


「リリウム様。大丈夫ですか?とんだ災難でしたね」


「マリア様。えぇ大丈夫ですわ。ですが、先ほどのご令嬢・・・お会いしたことが無いのに私の名前を知っていたのには驚きましたわ」


「エリカ嬢ですね。私も入学式の日に驚きましたの。お兄様やライアン様のお名前を知っていましたから」


「そうでしたの。なんだか気味が悪いですわね」


「えぇ。ですが、エリカ嬢とはクラスが違いますから、早々お会いする事もないと思いますわ」


「そうですわね。・・・マリア様はもうお帰りになるのですか?」


「はい。お兄様が待っていますので・・・リリウム様。また明日お会いしましょう」


「えぇマリア様。また明日」


「「ごきげんよう」」


リリウム様のところにジェリク様が来ましたので、ご挨拶をしてお兄様のところへもどります。

明日からは、本格的な授業に入ります。

クラス落ちしないように成績維持に努めますか。

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